DVで避難し、住んでいる所を加害者に秘匿している方々は少なくありません。その方々の安全は確実に確保されなければなりません。
健康保険の扶養の関係で、居所が加害者に知らされてしまうリスクがある問題で、さいとう和子元衆議院議員はじめ皆様と厚生労働省からの聞き取りと要請を行いました。
養育費などが支払われている(金額は様々)と加害者であっても生計維持関係にあるとみなされ、子どもが加害者の健康保険の扶養からはずれることができない事案が「多数発生」しているとの声が寄せられました。
「暴力から避難するために別居や離婚をしたにも関わらず、健康保険の扶養が継続してしまうと被保険者の開示請求により居所が知られてしまう可能性があります。」
例えば、夫からDVがあり、妻は子どもを連れて別居しました。別居後、妻は夫の健康保険の扶養を外し、別の健康保険に加入したので子どもも妻の扶養に変更しようとしました。
しかし、健康保険法では、「子どもは年間収入の多い方の被扶養者とする原則」があるため、子どもは収入の高い夫の扶養から外すことができないケースがありました。
別のケースでは、生計維持関係にないのに、子どもの扶養を外したら加害者から訴訟を起こされることを恐れた健康保険組合が扶養から外すことを認めないこともあったそうです。
実際に、居所を知られることを恐れて、子どもさんに医療費がかかっても保険を使わず、10割自己負担で約10万円の支払いをしているケースも具体的にあることが話されました。
DVや虐待で避難している方々が、居所を知られることなく医療を受けることができるよう厚生労働省に要請しました。
国税庁には、扶養控除の問題で聞き取りを行い、実際に子どもを育てている親への配慮を求めました。