被災者支援 国会質問@衆議院予算委員会
2024年1月24日の衆議院予算委員会での田村たかあき衆議院議員の質疑の概要・書き起こしです。
岸田総理は、答弁に責任をもち、現場に徹底させるために国が人を確保することも含めもっと力を尽くすべきです!!!
(前向きそうな答弁をしても、現場がそうなっていないことが多々あります。)
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○田村貴昭議員
日本共産党の田村貴昭です。
能登半島地震で犠牲になられた方に心から哀悼の意を表し、全ての被災者にお見舞いを申し上げます。
総理、発災から三週間たっても、避難生活が劣悪な環境下にあります。
資料の写真を御覧ください。輪島市の指定避難所の朝食です。
この三日間の例ですけれども、お湯で戻すアルファ米の御飯あるいはパン、これだけ。昼食に至っては、ないときもあります。そして、乳飲料一本だけのときもありました。総じてインスタント食品が多くて、量も足りません。これでは身がもちません。内閣府の避難所運営の指針、ガイドラインに沿って、温かく栄養のバランスの取れた食事を急いで供給する必要があります。
そして、避難所は、輪島に限らず、段ボールベッドもなければ、仕切りがないところが多数です。対応が遅いと言わなければなりません。「床に長期的に横たわっていると、エコノミークラス症候群を引き起こすだけでなく、埃等を吸い込むことによる健康被害も心配される」とガイドラインでも指摘しているではありませんか。急いで供給すべきです。
そして、水がなくて洗濯ができないと多くの被災者が苦しんでおられます。まずは十分な下着類の提供を、そして少ない水で洗濯ができるバケツ型洗濯機を思い切って配備すべきと考えます。
総理、暖かくて安心で過ごせる清潔な避難所へ、指定避難所以外のところも含めて、直ちに改善を指示すべきだと思います。いかがでしょうか。
○岸田内閣総理大臣
まず、避難所の支援物資については、発災直後からプッシュ型支援で被災地にお届けしているところですが、食事ということで申し上げるならば、スープ、レトルトおかず等、温めて食べられる食事を届けるとともに、自衛隊やNPOの炊き出し、あるいはキッチンカーによって温かい食事が提供できる、こうした取組を行っているところですが、ただ、被災地、数多くある中にあって、まだ十分届いていない被災地もあるという御指摘については、より充実させるべく努力を続けなければならない、このように思っています。
そして、段ボールベッド等にも御指摘がありました。これはエコノミークラス症候群の予防にも寄与する段ボールベッドあるいは弾性ストッキングについてもお届けをしているところですが、断水等が長期化する中で洗濯ができないとの声に対応して、下着や簡易洗濯キット、こういったものについても搬送を行っているところです。
道路の寸断によって時間がかかっているところもありますが、被災地のニーズを踏まえて、可能な限り、今申し上げた物資についてもプッシュ型で支援を心がけていきたいと思います。
長期化する中でニーズも変化している、こういった点も踏まえて、きめ細かくニーズを把握し、そして支援を行っていきたいと考えます。
○田村貴昭議員
総理、プッシュ型と言われました。そのプッシュ型の段ボールベッドも五千五百確保された。しかし、市町の物資拠点に三千五百台着いて、その先どう被災者に届いているのか、これはまだ把握されていないんですよね。掌握する必要があります。急いで手だてを取っていただきたいと思います。
日本農業新聞の調査によりますと、石川県の三つの市町、六つの農業用ハウスで百十人が避難生活をしているということであります。写真は輪島市のハウスです。話を伺ったら、指定避難所がいっぱいで、やむなくここで暮らしているとのことであります。高齢者もおられれば、女子中学生もいます。
総理、昨年から能登地方は雪です。今日も最高気温が一度ぐらいです。ハウスが雪で倒壊するおそれもあり、第一、この厳しい寒さでは体調を崩してしまいます。トイレもありません。車中泊も同様であります。熊本地震の災害関連死の約三割は車中泊を経験していた、そういう報告もあります。解消に向かわなければいけないのではないでしょうか。避難所を拡大していく、充実していく、そして、トレーラーハウスとかキャンピングカーを寄せるなど、あらゆる手だてを講じる必要があります。
地域のコミュニティーを壊さず被災者の命と健康を守るために、これも緊急に指示を発していただきたい。いかがですか。
○岸田内閣総理大臣
先ほど委員から御指摘があった避難所の環境整備についてもより努力をしなければならないと思いますが、この避難所以外、在宅であったりあるいは車中泊であったり、避難所以外で避難生活を送っている方についても支援が重要であると考えます。
各市町においては、職員の戸別訪問ですとか保健師の巡回、あるいは民生委員や区長との連携、こういったことによって、避難所以外での避難生活を送っている方々への状況把握、対応を進めているところですが、御指摘のように、ビニールハウスですとか、こうした厳しい状況におられる方々について、避難の、整った避難先に移っていただくこと、あるいはトレーラーハウスなどを活用する、こうした地域の事情に応じた環境の確保、こうしたものが重要であると考えます。
是非、こうした環境の確保、改善、政府としても自治体を支援してまいりたいと思います。
○田村貴昭議員
ホテル、旅館等の二次避難所に二千八百五十名の方が避難されています。食事の提供のないところもあります。しかし、災害救助法では炊き出しその他による食品の給与が定められています。速やかに食事の提供を行ってください。
三食つきのホテルは一泊一万円、素泊まりのホテルの食事三食へは千二百三十円の救助基準金がありますが、これは低過ぎます。被災者が払っている駐車場やあるいはコインランドリー等の負担も考えるならばこの基準額を引き上げるべきだと考えますが、検討されていますか。いかがですか。
○岸田内閣総理大臣
一般避難所において食事を提供する場合には、災害救助法に基づき支援できる基準額千二百三十円と定められておりますが、二次避難の場合に用いられるホテル、旅館を避難所とする場合の利用の基準については、特例的に七千円から一万円に引き上げたところであり、食事の提供についても、その額の中に含まれています。
素泊まりのホテル等に宿泊する避難者に対して飲食提供事業者に委託して食事を提供する取組、これも進められており、こういった取組について関係者に周知をしていく、こうした取組を県とも連携しながら進めてまいります。
また、別途、駐車場を借りている場合、コインランドリーを利用する場合、こうしたものは災害救助法の対象費用には含まれませんが、民間事業者の協力を得ることによってこうしたサービスを提供する、こうした取組について情報を提供するなど、二次避難に対しても丁寧に対応していきたいと思っています。
○田村貴昭議員
住まいの再建には、被災者生活再建支援制度の拡大が決定的に重要であります。半壊、一部損壊の全てを対象にすること、そして、支援金は再建に必要な現実的な金額となるよう大幅な引上げをすべきと考えます。強く要望しておきたいと思います。
そして、農漁業にも大きな被害が出ています。
石川県では八割、五十八漁港で被害がありました。漁船、船舶が使えていません。漁に出られない状況です。漁業者への休業補償が必要であると考えますが、いかがですか。
そして、被災農家支援であります。農地が復旧しても、ハウスや農業用施設、農機具の被害が回復できなければ営農再開はできません。過去の大規模災害では、基本的に農家負担なしの支援策が打ち出されました。これを行うべきではないでしょうか。
被災地は第一次産業が地域の重要な支え手となっています。なりわいを継続するために、これは総理の決断があって次に進みますので、是非決断してください。いかがですか。
○岸田内閣総理大臣
農業者そして漁業者のなりわいの再建に向けて、甚大な被害を受けた漁港等の可能な限りの早期復旧を図るとともに、農業用ハウスや機械等の再建支援のほか、金融支援、農業共済そして漁業共済等による各種支援、これを重層的に講じていきたいと思います。
明日にも被災者の生活となりわい支援のためのパッケージを取りまとめることとしておりますが、この中にこうした取組をしっかり盛り込んでまいります。
○田村貴昭議員
総じて対応が遅いので、急いで進めていただきたい。そのことを強く要望して、終わります。