もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

日韓・韓日議員連盟合同総会が日本の国会内で開催

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日韓の与野党議員が集まった日韓・韓日議員連盟合同総会が日本の国会内で開催され、私は、開会式、女性委員会、閉会式に参加しました。
 
女性委員会の議論は活発で、時間が本当に足りませんでした。
政権与党の「国民の力」という政党の女性議員が5人参加されました。
韓国には、国家人権委員会があり、女性差別撤廃条約の選択議定書(個人通報制度)も批准しています。セクシュアルハラスメント禁止規定もあります。
この点では、日本よりも進んでおり、日本も早く追いつきたいです。
韓国の与党の国会議員が、与党議員が国家人権委員会をつくるために動くことが必要と語られ、日本側野党議員から拍手が起きました。
 
私は、男女の賃金格差是正に関し、スピーチしました。
日本では、企業ごとの男女賃金格差の情報を公開する制度を実現しましましたが、例えば、経団連役員企業の生命保険会社の男女の賃金格差は38.8%(正規と非正規合わせた全労働者の比較)でかなりの男女賃金格差があります。
コース別雇用管理制度(総合職・一般職・非正規など)によって女性が低い賃金となっています。こうしたことをやめさせるためにも、すべての間接差別の禁止の法制度が必要であり、ジェンダーギャップ指数第1位のアイスランドのように男女の賃金格差がないことを企業に証明させ、格差があったら罰則などの本気の取り組みが必要だと主張し、韓国側の取り組みを質問しました。
(韓国も女性は非正規雇用が多いそうです。)
 
 
地方出身の韓国の議員からは、女性の候補と分からないように、写真を出さずに名前だけで選挙し、当選した経験などが語られ、かなり驚きました。ソウルから離れるとまだまだ封建的、家父長制的な意識が強いそうです。
 
韓国の2022年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数、暫定値)が0.78と、OECD加盟国の中でも最下位で、ソウルだけで見ると0.5台であると語られました。住宅問題もかなりネックになっているそうで、ソウル近くに人口が集中し、若い人が、家を持つこと、賃貸の家に住むことがかなり厳しい状況になっており、家族を持つことも難しい状況だと発言がありました。
(就職難、多大な教育費負担などの背景もあります。)
 
養育費を支払わない父親に関することも議論となり、日本よりも国家が関与した取り組みがなされているようでした。(もう少し正確に把握したいと思いました。)
 
女性委員会としての共同声明では「日韓両国の議員連盟は、日韓両国に保育、労働、人権など多くの共通の課題が存在することを再確認し、男女間賃金格差、非正規雇用など、両国の女性が置かれている状況を改善するために、日韓両国の女性の政治・経済・社会的地位向上に向けた協力を推進することで一致した。
また、国会議員選挙、地方議員選挙でのクオータ制導入など、女性の政治参画を促進するための努力を引き続き行うこととした。」と書かれました。
もっともっと議論したかったです。
 
 
閉会式では、各分科会の擬色のの報告と日韓・韓日議員連盟合同総会の共同声明が議論されました。
共同声明の中には、日本共産党として賛成する部分と反対する部分がありますが、ヘイトスピーチ根絶に関し、すこし動きそうな文言が入りました。
「日本においてヘイトスピーチ解消法が施行されて7年が経過したことを踏まえ、同法を一層実効性のあるものにするための実態調査及びそれを踏まえた体制や環境整備を進め、ヘイトスピーチ(憎悪表現)やヘイトクライム(憎悪犯罪)を根絶することで一致した。」と書かれ、まず実態調査から前に進む可能性が出てきました。そこの部分はよかったです。
 
総会の共同声明の中には、大阪万博に関する記述など日本共産党は反対した文言もが入り不本意でした。
 
写真は、①参加した日韓の女性議員で撮影したもの(全員ではないです。)
②女性委員会での議論、③開会式の様子
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