4月22日、衆議院憲法審査会が開かれました。
与党提出の国民投票法改定案の質疑と自由討議を行いました。
早期に採決し改憲議論に進むべきだとする自民・公明両党や日本維新の会に対し、日本共産党の赤嶺政賢議員は「世論は改憲を優先課題とはしていない。国民が改憲を望んでいない以上、審査会を開くべきではない」と主張しました。
維新の足立康史議員が「国民は改憲を求めていないとする根拠は」と質問したのに対し、赤嶺氏は、安倍晋三前首相が「20年を憲法改正の年にしたい」と述べ、そのもとで自民党も躍起になって改憲世論を高めようとしてきた経過を指摘。その安倍氏が首相退任の会見で「国民的な世論が十分に盛り上がらなかった」と述べたことをあげ、「これが国民の答えではないか」と切り返しました。
定例日を増やせなどと主張する自民党などに対し、赤嶺氏は「15年の安保法制審議の際、憲法審査会に出席した3人の憲法学者が安保法制は憲法違反だと述べ、『憲法壊すな』という国民の声のもとで、1年半も審査会を開かなかったのは自民党だ」と述べ、「ご都合主義だ」と批判。国民投票法についてはCM規制などを含め、根本的な議論をすべきであり、採決は認められないと主張しました。
私は、議論の前提の話として、前回、赤嶺政賢議員が、総務省の違法接待問題、吉川元農水大臣の収賄事件、河井克行前法務大臣、案里前参議院議員の選挙買収事件など、安倍、菅政権の下で、疑惑と腐敗は数え切れず、国民の政治に対する不信感が増していることを指摘し、そもそも、改憲や改憲につながる整備の議論をする大前提を欠いているということをただしたのに対して、法案提出者の逢沢一郎議員は、「憲法審査会における議論そのものが国民の政治に対する信頼につながる、」と答弁をいたしました。
疑惑と腐敗を脇に置いて憲法審査会だけは議論するというのでは、ますます政治不信は拡大するばかりだと質問しました。法案提出者の逢沢議員(自民)は、「委員御指摘のような問題につきましては、例えば予算委員会など、それを議論する場は国会にございますし、場合によりましては通常委員会等々がそういった場になる、そのように私としては理解をいたしております。また、法案提出者として、当憲法審査会には、いわゆる政局を持ち込まないという原則について、全会派の皆様、先生方において共有をしていただいている」、「この憲法審査会、この場で真摯な議論がなされている、そのことが国民の政治への信頼、それにもつながるということを改めて申し上げたい」と答弁しました。
※予算委員会、常任委員会でやればよいといいますが、実際には、野党が求めている証人喚問(例えば、安倍前総理、昭恵氏)もやられませんし、要求しても資料も出されません(例えば、桜を見る会前夜際のホテル側が発行した資料)。
私は、「疑惑と腐敗で失った国民の皆様の信頼は、疑惑の真相究明と、ただしていくということでしか取り戻せない」と強調しました。
赤嶺さんが語った沖縄の歴史、広島、長崎の原爆被害、アジアで2000万人、日本で310万人もの犠牲を強いた戦争の反省のうえにつくられた大事な平和憲法・日本国憲法を汚れた政治のもとで改憲に手を付けるなど絶対に許されないとの思いを強くしました。
さらに審査会で、私は、総務省の違法接待疑惑問題になった放送法の外資規制違反について言及しました。
放送法の外資規制は、日本における放送の自由と健全な民主主義の発展にとってゆるがせにできない問題です。
外資規制については、政治資金規正法にも規定があります。元々、政治資金規正法は、株式の50%以上を外資が保有している法人からの政治献金を受け取ることを禁止しておりました。これは、我が国の政治あるいは選挙から外国の影響を排除する原則とされてきました。
ところが、2006年の法改定では、50%以上の外資が入っている企業であっても、日本法人で、5年以上継続して上場している会社であれば献金を受け取ってもよいとされ、改定をされてしまいました。背景には、当時の日本 経団連の御手洗会長のキヤノンが外資50%前後で推移していたからだと言われています。
株式の50以上を外資が保有している企業からの政治献金は、国民の皆様の政治参加の権利を侵害し、国家主権を揺るがすものではないか、外資から献金を受け取った政党が憲法改定の国民投票運動をやるということについてどう考えるのかを問いました。
提案者の中谷元衆議院議員(自民・元防衛大臣)は、 「我が国の政治や選挙が外国の勢力からの影響でゆがめられるようなことはない」「同様に、御指摘のような企業から寄附を受け取った政党が中心になり国民投票運動を行うことにつきましても、国民主権、国家主権を揺るがすような問題が生じるとは考えておりません。」と答弁しました。
しかし、日本の農業を犠牲にする自由貿易協定などを飲む態度などをみていますと、影響がないとはとても言えないと思います。
私は、「もともと企業献金というものは、企業の利益を実現するための賄賂性を持っております。ましてや、外資がお金の力で日本の政治に影響を行使することなどあってはならないと思います。こうした点も含めて、今後、この今の制度でいいのかということを根本から議論するべきだ」と述べました。
立憲民主党の山花郁夫議員は、CM規制なども同じ法律の改定議論であり「同時に決着すべきだ」と主張しました。
これに先立つ幹事会では5月6日に審査会を開くことを決めました。
採決については引き続き協議することとなりました。