衆院本会議でデジタル関連法案の採決が強行された4月6日、国会議員会館前では市民と野党が集まり、「30時間にも満たない審議で採決するのはあまりに乱暴」「参議院では徹底審議の上で廃案に」と抗議の声をあげました。
市民グループ「NO!デジタル庁」の宮崎俊郎さんは、法案の中身だけでなく、審議そのものに大きな問題があると指摘。「マイナンバー制度の活用による懸念など、主要な論点をめぐる議論も行われていません。世論を広げて、参院では必ず廃案に追い込みましょう」と述べました。
全労連や全国商工団体連合会などでつくる「デジタル改革関連法案反対連絡会」の衛藤浩司さんは、「まさに国民を監視するための法案です。膨大な法案が束ねられているにもかかわらず、審議も拙速です。廃案の声をあげ続けましょう」と語りました。
総がかり行動実行委員会から、共同代表の高田健さんが連帯あいさつ。「いくら与党が強行採決をしても、私たちが抗議を止めることはありません。運動をさらに強めていこう」と述べました。
日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員が参加。
私は、「この法案は、個人の保護という観点が欠落している。廃案はもちろん、どの問題でも国民の命と暮らしを軽視する政治をみんなで変えましょう」とお話しました。
主催は、共謀罪NO!実行委員会と秘密保護法廃止へ!実行委員会の皆様です。
この日の衆議院本会議では、デジタル関連5法案が、それぞれ自民、公明両党などの賛成多数で可決し、衆院を通過してしました。
日本共産党は全てに反対しました。
日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、「行政が特定の目的のために集めた個人情報を『もうけのタネ』として利用し、成長戦略や企業の利益につなげようとするものだ」と批判しました。
同法案は行政が個人情報を集積し、企業等に開放して「利活用」しやすい仕組みにするもの。
塩川議員は、反対理由の第一にプライバシー権の侵害をあげ、個人情報保護法制の一元化で、自治体の個人情報保護条例に縛りをかけ、保護の仕組みを切り捨て、自治体の独自策を掘り崩すと批判しました。政府がマイナポータルを入り口とした個人情報の集積に必要なマイナンバーカードについて、スマホに搭載可能とするなど「利便性」を強調しているものの、健康保険証のマイナンバーカード利用の半年先送りをみても、「情報漏えいの懸念はぬぐえない」と指摘。個人情報保護法をデータ利活用法に改悪してきたことで問題が生じているとして、「求められるのは、情報の自己コントロール権を保障する仕組みだ」と主張しました。
第二に地方自治の侵害として、「情報システムの共同化・集約の推進」で「自治体は国がつくる鋳型に収まる範囲の施策しか行えないことになりかねない」と指摘。デジタル庁は自治体にも強い権限を持ち、予算配分など口を挟めるようになると批判しました。
第三に塩川議員は、国民への影響として、マイナンバー制度の廃止を強調。行政のデジタル化を口実に窓口の減少、紙の手続き廃止が相次いでいるとして、「住民の多面的なニーズに応える対面サービスや相談業務の拡充が住民の選択肢を増やすことになる」と主張しました。その上で、官民癒着の問題があるとして、官邸・財界の意向を反映する「デジタル庁の設置は必要ない」と強調しました。