もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

衆議院総務委員会で起草された新過疎法案について発言しました

カテゴリー:

 

 3月9日、衆議院総務委員会で起草された新過疎法案(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案)について発言しました。
 現行法が3月末で期限が切れてしまうため、過疎地域の支援が引き続きできるように各党協議会を通じてまとめられたものです。
 過疎地域の指定から外れる「卒業団体」にたいし、これまでの法律よりも手厚い経過措置を6年間(財政力が低い自治体は7年間)講ずるもので、全会一致で採択されました。
 以下は、質問の書き起こしです。
 「卒業」自治体への支援、過疎地域の一般財源総額確保、農林水産業の振興こそ必要、コロナ禍で需要が減ってしまったお米を買い取って米農家の皆様を支えるとともに、フードバンク、ひとり親、学生さんに支給を!との視点での質問です。
 ご高覧いただければ幸いです。
________________________
○石田委員長
次に、本村伸子君。
○もとむら伸子
日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 この三月で過疎地域自立促進特別措置法の期限が切れます。引き続き、過疎の地域が持続的に発展できるように財源の保障などが必要だということで、各党の皆様方と協議をしてまいりました。
この過疎地域持続的発展支援特別措置法案のいわゆる卒業団体への経過措置は六年、そして財政力が低いところは七年の経過措置を取り、以前よりも手厚い措置を取ってはおりますけれども、とりわけ沖縄の離島の自治体を始め、財政力が低い自治体のために手厚い財源の保障や支援が必須だと考えますけれども、総務省としてどう考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
○大村政府参考人(総務省官房地域力創造審議官)
お答えいたします。 現在の過疎関係市町村で、本法律案によりまして過疎地域の要件を満たさなくなるいわゆる卒業団体に対しましては、議員御指摘のとおり、本法律案において手厚い経過措置を講じていただいているところでございます。
総務省といたしましては、いわゆるこうした卒業団体に対しまして、これらの経過措置の内容を周知させていただくとともに、卒業団体が作成する過疎計画を踏まえながら、例えば、地域おこし協力隊や集落支援員のような支援、辺地債による支援等の過疎法以外の支援措置の活用に関しまして助言をしていくなど、きめ細かく丁寧なサポートを積極的に行ってまいりたいと考えております。
○もとむら伸子
恒久法の辺地債なども使えるというふうに思いますけれども、その辺の答弁もお願いしたいと思います。
○大村政府参考人 (総務省官房地域力創造審議官)
辺地債につきましては、今御指摘の卒業団体につきまして、現在も使われますし、今後の新過疎法の下でも辺地債というものは使えるということでございます。
○もとむら伸子
政府、総務省には、財源をしっかりと確保していただかないと結局使えないことになりますので、是非、過疎地域卒業団体への支援、財源の確保を強く求めたいというふうに思います。
私の地元豊田市も、過疎債を発行いたしまして地域の皆様のバスの財源ですとかそうしたものを確保させていただいております。住民サービスが後退することがないように、総務省としても目配りを是非していただきたいというふうに思っております。
過疎地域の持続的な発展にとって、農林漁業の振興というのは本当に欠かせないことだというふうに考えております。若い人が農林漁業で食べていける所得補償、価格保障が必要だというふうに考えますけれども、御答弁、まずこれは農水省にお願いしたいと思います。
○青山政府参考人 (農林水産省)
お答え申し上げます。
過疎地域における農林漁業は、重要な産業であるだけでなく、水源の涵養や景観の維持など多面的機能の維持にも寄与しており、その持続的発展が重要であると考えております。
このため、農林水産省においては、中山間地域等における農業生産条件の不利を補正する中山間地域等直接支払い、就農準備段階や経営開始直後の生活や経営発展を支援する農業次世代人材投資事業、農業経営収入保険制度、漁業収入安定対策等による農業者、漁業者の経営の安定化等の施策を講じているところでございます。
引き続き、過疎地域を含む農山漁村が持続的に発展し、新規就業者等が安心して農林漁業に従事できるよう、農林漁業の振興に努めてまいります。
○もとむら伸子
今、米農家の皆様方が本当に大変な状況に追い込まれております。コロナ禍でお米などの需要が減り、このままでは米農家の皆様が潰れてしまうという状況でございます。
東京大学の鈴木宣弘教授が次のようなことを述べられておられます。
需要減が増幅され、米在庫が膨れ上がり、米価を直撃している。来年の米農家に支払われるJAの概算金は一俵一万円を切る水準が見えてきている。このままでは専業的な大規模稲作経営も潰れ、事態は更に深刻の度合いを増すことが懸念されるということで、米余りと言われる一方で、米や食料を食べたくても十分に食べられない人たちが増えている。米国などでは政府が農産物を買い入れてコロナ禍で生活が苦しくなった人々や子どもたちに配給をして人道支援をしている。なぜ日本政府はフードバンクや子ども食堂などを通じた人道支援のための政府買入れさえしないのか、ということを書かれておりました。
先日も、コロナ禍の中で東京での炊き出し、四倍にも膨れ上がっているという報道もございました。
日本でも、やはり人道支援のために、余剰分のお米を買い取って、フードバンクや子ども食堂や一人親支援や学生支援を行って、農産物の消費の拡大、あるいは生産価格を下支えし、農家の皆さんが潰れてしまうことがないように、政府として行うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○平形政府参考人(農林水産省)
お答えいたします。 お米につきましては、主食用米の需要が毎年減少すると見込まれる中、国内の消費拡大や輸出促進を進めつつ、需要に応じた生産、販売を着実に推進していくことが重要と考えており、需給操作や価格の下支えを目的として主食用米を国が買い上げて市場隔離すること自体は、需要に応じた生産、販売という考え方にそぐわないというふうに考えております。 このため、国といたしましては、一つは、麦、大豆や野菜、果樹といった需要のある作物、また、お米についても輸出用米、加工用米、米粉用米、飼料用米などの米に転換に対しての支援を行うとともに、コロナ禍における需要減少に対する販売促進対策、産地における調整保管の取組への支援などの措置を講じており、これにより米の需給及び価格の安定と生産者の所得の向上を図ってまいります。 他方、委員からも御指摘ございましたことなんですけれども、農林水産省では、新型コロナの影響を受けた国産農林水産物を食育活動を行う子供食堂へ提供する際の食材の調達費、資材費等への支援、また、食育の一環として、子ども食堂等への政府備蓄米の無償交付、また、食品ロスの観点から、フードバンク活動における食品の輸送、保管への支援といった施策を行っているところであり、支援の輪が広がるよう、関係機関、自治体と連携して対応していきたいというふうに考えております。
○もとむら伸子
シングルマザーの支援をされている団体の方々にも、お米を送ってほしいというお声がたくさんあるそうでございます。一方で、米余りで農家の方が困ってみえる、その一方で、食料を食べたくても十分に食べられない人たちがいる。政府が余剰分を買い取ってしっかりと下支えしていくということが必要だというふうに思いますので、是非検討をしていただきたいというふうに思います。
全国過疎地域自立促進連盟の皆様の昨年11月の決議・要望の中には、地方交付税を充実して、過疎市町村の財政基盤を確立することも要望されております。
2021年度の地方財政計画の中に、地域デジタル社会推進費2000億円がございますけれども、もしこれが人口のみで算定されれば、交付団体の一般財源総額が増えても、過疎地域にはなかなか行かないことになってしまうのではないか、しっかりと過疎自治体にも一般財源が保障されるようにするべきだというふうに思いますけれども、御答弁お願いしたいと思います。
○内藤政府参考人(総務省自治財政局長)
お答え申し上げます。 地方団体が地域の実情に応じて地域社会のデジタル化を集中的に推進するための取組につきましては、基本的に人口規模に応じて財政需要が生じると考えられますことから、地域デジタル社会推進費の測定単位は人口としております。 その上で、人口規模による人口一人当たりの経費の差を反映いたします段階補正の適用に当たりましては、地域社会のデジタル化を推進する上で、人口規模の小さい団体であっても一定規模の費用が固定的に生じると考えられますことを踏まえた係数を設定したいと考えております。 これに加えて、過疎地域などの条件不利地域におきましては、民間企業の参入が相対的に困難であること等によりまして、より多くの経費が生じると考えられますために、算定額の割増しを行いたいと考えております。
このように、人口を基本としつつ、各地方団体の状況を算定に反映することで、各地方団体における財政需要を適切に算定してまいりたいと考えております。
○石田委員長
本村君、時間が過ぎておりますので。
○もとむら伸子
過疎地域の一層の支援を求めて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。

© 2010 - 2024 もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)