もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

「学術会議任命拒否問題野党合同ヒアリング」に参加しました。

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 日本学術会議が推薦した6人の会員候補の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、野党は10月9日、国会内で野党合同ヒアリングを開き、同会議の広渡清吾元会長、大西隆元会長からご意見を伺い、小澤隆一東京慈恵会医大教授も参加し、内閣府、内閣法制局からの聞き取りを行いました。

 笠井あきら議員、穀田恵二議員、塩川鉄也議員、畑野君枝議員、宮本徹議員、井上さとし議員、田村智子議員とともに私も参加しました。広渡さん、山本さんは、任命拒否が憲法が保障する「学問の自由」にかかわる重大問題で、日本学術会議法違反の恐れがあると指摘しました。広渡さんは、任命拒否は「政治が科学に対してどう向き合うことが必要か、という根本問題に触れる問題だ」として、学問の自由を脅かす恐れを指摘。

 日本学術会議の会員の選考基準は、同法17条で「優れた研究又は業績のある科学者」とされていることをあげ、「『この人は会員の資格はない』と首相が言うのであれば、この要件に照らしてどうかということを言わなければいけない」「日本学術会議法に反した判断に導く恐れのある首相の行動は誤っているとしかいいようがない」と述べました。

 大西さんは、日本学術会議の会員選考過程について説明し、「法律に書いている選考基準とは違う基準が適用されて、任命が拒否されたとなれば、法律違反になる」と指摘。「今回の問題は、学問の自由を制約する問題として考えていく必要がある」と述べました。

 質疑では、2011年に日本学術会議の会長を務め た広渡さん、11年から17年まで会長を務めた大西さんの会長在任中、同会議に政治が介入したことがあったのかと問われ、広渡さんは「私自身が認知している範囲では起こっていない」と回答。大西さんは16年の補充人事案に官邸から難色が示され、補充を断念したことを明らかにしました。さらに、17年の定期人事では、同会議が推薦した105人がそのまま任命されたとしつつ、改選数の105人より多い推薦名簿を事前に官邸側に示し、説明していたことも明らかにしました。大西さんは16年の補充人事に官邸側が難色を示したことについて、「理由は明かされなかった」と述べました。

 

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【発言要旨】「しんぶん赤旗」2020・10・10(一部加筆)

  学術会議元会長の発言要旨 野党合同ヒアリング
 日本学術会議元会長の広渡(ひろわたり)清吾さん、大西隆さんが発言した内容の要旨は次のとおりです。

◆法解釈からして誤り 広渡清吾さん
 政治にとって最も重要な科学に対する関係は、科学が独立して自由に真理を追究することを保障することです。
 日本学術会議は何のためにできたのかを政府によく考えていただきたい。日本学術会議の独立性を保障しなければ、科学者の組織を国費でつくって運営している意味がないではありませんか。
 日本学術会議法には、「優れた研究又は業績」がある科学者から会員の候補者を選ぶと書いてあります。会員資格はないと首相が言うのなら、この要件に照らしてどうかということを言わなければいけない。もし、政治的な理由で拒否されたとすると、学術会議は次の会員の選考で、この人は政府の法案に反対した声明に参加していたことがある、やめた方がいいと判断するかもしれない。この明らかに日本学術会議法に反した判断に導く恐れのある首相の行動は、法の解釈からすると誤っているとしかいいようがない。単に権限行使するのが首相の責任ではすまない。理由を言わなくては首相の責任は果たせない。
 政治は科学にどう向き合うことが必要なのかという根本にふれる問題です。学術会議の活動の独立性を保障するための会員選考の独立性は、学問の自由に位置付けられます。学問の自由に基づいて豊かに発展する学術の成果を政治や社会にどう生かすかという観点から、戦後、日本国憲法が学問の自由を保障した。このことに基づいて置かれたのが学術会議。これをどう考えるのかという問題です。

◆任命拒否は法律違反 大西隆さん
 日本学術会議法が定める会員選考基準の本質は、「優れた研究又は業績がある科学者」です。任命しない場合は、この基準に照らして適格でないことが理由になります。これは総理大臣といえども一人で判断できません。それぞれの専門家が集まり、業績を評価して判断しなければならず、それを日本学術会議が行っています。法律にある選考基準と違う基準が適用され、任命が拒否されたのなら、法律違反になります。
 2016年の補充人事では、官邸から選考途中でも経過を説明しほしいと言われました。三つのポストに、2人ずつ優先順位をつけたものを届けました。官邸は二つのポストについて『1番ではなく2番の方がいいのでは』と難色を示しました。理由を尋ねても明かされませんでした。
 政府が繰り返す「総合的・俯瞰(ふかん)的」というのは組織の在り方だと思います。会員が総合的・俯瞰的な人かどうかより、組織全体にいろんな人がいることで総合的・俯瞰的になります。俯瞰的という点では、新たに課題別委員会をつくりました。専門分野ごとに会員が集まるのではなく、例えば東日本大震災では文系から理系までいろんな専門分野の人が集まり、英知を発揮しました。
 学術会議の会員が提言作成に参画するのは、研究成果を表現する一つの手段です。その手段が奪われたり制約されたりするのは学問の自由への制約になります。今回の件は、学問の自由の問題としても考える必要があります。

 

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