増加する外国にルーツをもつ子どもたち
子どもの権利条約、国際人権規約にそった教育保障を
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2018年末の在留外国人数は、273万1093人で、前年比16万9245人(6.6%)増加となり過去最高となっています。
2018年6月末の在留外国人数の内、0歳~18歳の人数は約30万人となっており、子どもさんの数も増加傾向にあります。
私の地元愛知県は、「日本語指導を必要とする外国人児童生徒数」の全国に占める割合が20%を超え、全国最多となり、年々増えています。
愛知県は、トヨタ自動車の本社があり、工場、関連企業、下請け企業が集中しており、
家族帯同ができる「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の外国人労働者が前年比25%増えており、また家族帯同ができる日系の方もいらっしゃるというなかで、子どもたちも増えています。
国策として外国人労働者を増やす国策のもとで、子どもたちが犠牲になることがあってはならないと教育保障を柴山文部科学大臣に求めました。
柴山文部科学大臣は、「外国人児童生徒に対する教育の充実をしっかりと図っていく決意であります」と答弁しました。
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1年生52人中44人が外国にルーツをもつ子どもたち
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私が伺った愛知県知立市は住民の皆様の7%が外国人の方です。
知立市立知立東小学校は、1年生52人の内44人が外国にルーツをもつ子どもさんです。
ほぼ毎週、1~2名程度の転入転出があり、就学援助も多い実態があります。それに伴う対応や事務も増えています。
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知立市に引っ越して、まず初めに3か月間通う
「かきつばた教室」(早期適応教室)
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知立市では、日本に初めてやってきた子どもたちは、市内すべての小中学校から、知立東小学校内にある早期適応教室「かきつばた教室」に3カ月間通います。
この「かきつばた教室」では、初期の日本語教育や日本の生活習慣などを学びます。
子どもたちが入ってくる時期もバラバラで、小学校1年生から中学校3年生までが一緒の教室で、私が伺ったときは一つの教室のなかに3グループで学んでいました。
日本語が理解できないと、コミュニケーションも学ぶことも難しくなってしまいます。
この早期適応教室は非常に重要な取り組みです。
知立市だけでなく、他の自治体の教育委員会でも取り組まれており、これを制度化してほしいという声が現場から上がっています。
文部科学省の職員の方に伺うと、
◆学校内で行う早期適応教室なら、「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」の日本語の指導を含むきめ細かな支援の充実の予算、今年度2億8900万円の予算(全国でこれだけ・・・(泣))がありますが、この補助金が使えますと言われます。
◆学校外の早期適応教室なら、定住外国人の子どもの就学促進事業の予算、今年度8000万円(全国でこれだけ・・・(泣))、この補助金が使えます。
と言われます。
◆さらには、幼稚園、保育園、両方入っていない就学前の子どもさんと親御さん含めて日本語ふくめたプレスクールもこの両方の予算は使えますと言います。
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愛知県が申請しなかったために知立市で使えなかった補助金
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しかし、「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」の日本語の指導を含むきめ細かな支援の充実の予算は、都道府県、政令市、中核市が補助対象で、知立市が使いたくても、愛知県が申請してくれないと使えないこととなっています。
今年度、愛知県が申請しなかったので、知立市は使えていない実態があります。
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自治体がしっかりとメニューをつくれば「国が補助を行っていきます」
「基礎自治体のニーズをきちんと踏まえ県が国にぜひ要望してほしい」
文部科学大臣が答弁
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こうしたことを踏まえて、柴山文部科学大臣に、以下の3点求めました。
①早期適応教室のような重要な取り組みをしっかりと制度化し、予算を抜本的にふやすこと。
②早期適応教室の先生からは、「年齢によって理解度に違いがあり、中学生は進学も視野にいれると、スピードをあげてあげたい。せめて小学校と中学校を分けて欲しい」との要望を受けました。知立市全域から親御さんが送り迎えしなければならないという問題もあります。自治体全域に1つではなくって、学校ごとや複数個所できるように、財政的な裏付けを国としてしっかりとすること。
③知立市さんのような基礎自治体が、手をあげれば使えるようにすること、国の負担割合を増やすことなど行うべき。
柴山文部科学大臣は、
「自治体においてしっかりとメニューをつくっていただければ国がそれに対する補助を行っていきます」、
「都道府県には域内の外国人児童生徒などに関する基本的な分布に基づく方針をぜひ策定してほしいと思っておりますし、それを踏まえた各市町村への支援を的確に行うことが期待される」、
「各自治体、特に基礎自治体のニーズをきちんと踏まえた形で県が国にぜひ要望してほしい」
と答弁しました。
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文部科学省が愛知県教育委員会に使えないと言った?!
「お伝えの仕方で誤解があった」と文科省認め、
「できるだけ使いやすいような工夫もご相談をしながら対応してまいりたい」と答弁
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知立市が希望する補助金を申請しなかったことについて、私が愛知県教育委員会に話を伺うと、文部科学省から、語学相談員の派遣の事業(愛知県内の小中学校を10数名の語学相談員が訪問する事業)で、「補習等のための指導員等派遣事業」の補助を申請しているので、「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」の補助金は使えない、と説明を受けたとのことでした。
新1年生52人中44人が外国にルーツをもつ子どもたちである知立東小学校の現場からすると、愛知県の語学相談員の派遣という月に数回しかこない事業と、毎日、子どもたちのためにきめ細かな支援をする早期適応教室(3カ月間)や日本語指導補助者や母語支援員などの事業は、同じ事業とはとても言えません。
知立市が、「帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業」の補助金を使えるようにするべきだと質問しました。
文部科学省の清水明総合教育政策局長は、「先生ご指摘のこの帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業でございますけれども、日本語指導補助者及び母語指導員の活用など、そういう教育支援事業を行う自治体に対して経費の一部を補助する事業でございますので、愛知県知立市が実施している支援の内容がこの要件に該当する場合には、この補助金を活用するのが基本的には可能でございます。
ただ、別途の補助金等、補助対象経費においての同一の経費を補助金で重複して受給することは認められないといった一定の制約はございますので、ちょっとそのあたりは、今のお聞きしたところにつきましては、お伝えの仕方で誤解があったかと思いますので、今年度の補助金の交付決定は終わっているところでございますけれども、今後、愛知県知立市が実施している支援内容について文部科学省にご相談していただければ、本事業の趣旨や内容、また、そういう一定の制約等について丁寧にご説明をさせていただきまして、できるだけ使いやすいような工夫もご相談をしながら対応してまいりたいと考えております」と答弁しました。
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教員の基礎定数―2026年までに18人に1人は前倒しを!
10人に1人の加配の実現を!
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時間がなくて、質問はできませんでしたが、最後に教員の基礎定数について、10年かけて18人に1人ではなく、前倒しをし、知立市からのご要望である10人に1人の加配の実現を!と求めました。