4月10日、衆議院総務委員会で、合併市町村に認められている公共事業などのための「合併特例債」の発行期限を再延長する特例法改定案の審議を行いました。
改定案は、合併特例債の発行可能期間を5年延長し、東日本大震災被災市町村は合併から25年間に、同震災被災地以外の自治体には合併から20年間へと延長します。
私は、被災市町村を支援する観点から同法案に賛成することを述べた上で、延長の恩恵を受ける自治体の多くは、非被災地であり、「合併推進のための『アメ』の役割を果たしてきた優遇措置のさらなる継続となる」と指摘しました。
さらに、再延長を求める首長会の要望書が「合併による複雑な住民感情が存在する中、住民との合意形成に予想以上に時間を要し、事業進捗が遅延している案件も発生している」と書かれているとして、合併時の協定が守られていない愛知県愛西市を例にあげながら、「合併特例債の再延長が住民合意に基づいて有用に使われているか、徹底的な調査・検証を」と要求しました。
野田聖子総務大臣は、住民の合意形成による町づくりを期待するとしつつ、「合併特例債の発行状況調査等を通じて活用状況を把握していく」と述べました。
加えて、提案者にたいし「最後の延長法案」と説明した根拠を質しました。
提案者の橘慶一郎衆議院議員(自民党)は、自治体が要望する延長幅が5年間で、発行可能上限額12兆円のうち相当額が発行済み、または発行予定となっており、事業はほとんど完了する見通しで、「私ども提案者といたしまして、今後、合併特例債の発行可能期間のさらなる延長が必要であるとは認識をしていないところであります」と答弁しました。
また、私は、合併しない被災市町村にも同等の支援を行うよう求めました。
野田総務大臣は、「災害により被害を受けた地方自治体の財政負担については、総務省として、被災自治体の実情をよくお伺いしながら、その財政運営に支障が生じないよう、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じているところです。引き続き、総務省が被災自治体の力強い仲間であらねばならないとの強い思いのもと、現場主義を基本に、被災地が置かれている状況や課題をお伺いして、被災地の復旧復興に全力で取り組んでまいります」と答弁しました。