2018年度予算案を審議している衆院予算委員会は2月16日、静岡市と岡山市で地方公聴会を開きました。
私は、静岡市での地方公聴会に参加し、質問しました。
静岡市での地方公聴会開催は初めてだそうです。
島津ゆきひろ前衆議院議員とかわせ幸代さんが応援傍聴に来てくださいました!!!
陳述人の方々は、静岡県経営者協会の中西勝則会長、前湖西市長で「脱原発をめざす首長会議」世話人の三上元さん、静岡商工会議所の酒井公夫会頭、静岡大学人文社会科学部の鳥畑与一教授でした。
鳥畑与一・静岡大学教授は、国立大学運営費交付金が削減されたことで、人件費を抑えるために常勤教職員から非常勤への置き換えが起こり「教育・研究基盤を衰退させている」と強調。高学費のためバイトに追われる学生の実態や、地域に必要な人材育成・供給を行う地方国立大学の役割に触れ「地方経済にとって損失だ。地域経済に根差した“人づくり”こそ、地域に根差した中小企業を中心とした地域循環型経済の構築に欠かせない」と指摘し、運営費交付金や給付型奨学金の拡充を求めました。
脱原発をめざす首長会議世話人の三上元・前湖西市長は、原発の発電コストは廃炉のコストなどを含めれば「明らかに太陽光や火力よりも高い」と指摘。「ただちに原発ゼロにしても日本経済は困らない」と述べました。
私は、国の文教予算が来年度もマイナス(4年連続)になり、給付制奨学金も非課税世帯の学生さんたちをカバーできないくらいのまったく不十分なもので、なぜ文教予算を減らすのかと意見を述べつつ、運営費交付金が削減するなかで基礎研究さえも困難になっている現状を鳥畑先生に質問しました。
地域金融や経済に詳しい鳥畑先生は、カジノ問題もご著書を出すほど詳しいのですが、海外の事例を調べるためにすべて自費で行かなければならないこと、年間数十万円の研究費しかなく、書物の購入さえ困難であることなど述べられました。
さらに、三上さんが湖西市長の時から原発をなくすために声をあげ、行動しておられたことに心からの敬意と感謝を申し上げるとともに、浜岡原発のコストとリスクを改めて伺うと同時に、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の幹事でもある三上さんに、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」のポイントを質問しました。
また、静岡県経営者協会の中西勝則会長や静岡商工会議所の酒井公夫会頭が「人手不足」について言及されましたので、介護、運輸、建設など全産業に比べ賃金が安いところが人手不足になっているのではないか、介護報酬の引き上げや介護職員への賃金アップの国の責任など業界ごとの対策を質問すると同時に、静岡県では人口流出・転出が多いことも課題の一つで、島津ゆきひろ前衆議院議員が質問し、静岡県評の皆さんが示しているように静岡県(最低賃金 時給832円)は、隣接する神奈川県(最低賃金 時給956円)に比べて最低賃金が124円も低いことをあげ、中小企業への社会保険料の減免制度や賃金助成を行い、「地域経済を良くするために全国一律の最賃制度をつくるべきでは」と質問しました。
鳥畑先生は、グローバル企業はローカルから富を吸い上げることしか考えていないこと、ローカルで経済を回すために地域の経営者が考え方を変えなければならないこと、「地域の中で利益が回っていけば、企業の経営基盤の強化につながる。賃金や下請け単価を引き上げることは地域経済を高める上で必要だ」と述べました。
地方公聴会が終わって、陳述人の皆様にご挨拶に行くと、三上さんが、「僕も全国一律最賃制度は前から強く主張しているんですよ」とお話くださいました。三上さんにもお答えいただきたかった・・・そのことだけが悔やまれます。
貴重なご意見と有意義な時間を本当にありがとうございました<(_ _)><(_ _)><(_ _)>
地方公聴会の前の午前中には、静岡市内にある株式会社ウェルビーフードシステムさんへ伺いました。
食欲のわかないペースト食の現状を変えたいと、見た目や味にこだわった介護食を提供されている会社です。
2011年11月21日、ニッポン新事業創出大賞(主催・社団法人日本ニュービジネス協議会連合会)の企業部門において、最優秀賞である経済産業大臣賞を受賞されたそうです。
試食もしましたが、委員の皆さんも「おいしい」と食べていました。
「食べる力」は「生きる力」。
こうした形での社会貢献も本当にすばらしいと思いました。
地域で頑張る中小企業を全力で応援するような国にしていきたいとつくづく思いました。
株式会社ウェルビーフードシステムの皆様、本当にありがとうございました<(_ _)><(_ _)><(_ _)>
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【岡山市での地方公聴会 「しんぶん赤旗」より】
公共交通の施策推進を 岡山市
岡山市では、地方の公共交通の実情を見ず、規制緩和一辺倒の政策を推進する政府を批判する声があがりました。
岡山県で路線バスを運行する両備グループの小嶋光信代表は、3割の黒字路線で7割の赤字路線を支える実態にふれ、「地方の公共交通を支える財源は先進国の中で最も劣悪な状況だ。国民が公共交通を利用する施策を国は行うべきだ」と指摘しました。
岡山県玉野市の黒田晋市長は「路線バス事業の新規参入が許可制になる制度が継続すれば、地方在住者の通院、通勤・通学など生活の足を失いかねない」と語りました。