10月14日、日本共産党国会議員団として、駅ホームにおける転落事故防止対策について国土交通大臣あての申し入れ書を根本幸典大臣政務官に手渡しました。
穀田恵二国対委員長、清水忠史衆議院議員、畑野君枝衆議院議員、宮本徹衆議院議員、吉良よし子参議院議員、倉林明子参議院議員、山添拓参議院議員、本村が参加しました。
根本政務官は、「ホームドアの設置と人の配置の2つをやっていく必要がある」との認識を示し、現在、行われている「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」(年内に中間とりまとめ)の議論の状況を述べました。
私は、愛知県内の視覚障がい者の方も「救える命を救ってほしい」と一生懸命にホームドア設置の署名に取り組んでいること、根本政務官の地元・豊橋駅では、東海道新幹線も含めホームドアがない状況であること、巨額の利益をあげているJR東海の在来線はホームドアの設置率はゼロ%であること、無人駅を増やしていること、リニアよりホームドアの設置を前倒ししてほしいと訴えました。
さらに、電車のドアの位置が違うから難しいという鉄道事業者の言い分にたいし、視覚障がい者の皆さんから「リニアができるのに、なぜホームドアはできないのか」と率直な声が出されていること、技術開発も事業者が手をあげることを待っているのではなく、国が率先して、こうすればできると示すべきだと訴えました。
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2016年10月14日
国土交通大臣 石井 啓一 殿
日本共産党国会議員団
駅ホームにおける転落事故防止対策についての要望書
2016年8月15日、視覚障害者の男性が東京メトロ銀座線の青山一丁目駅ホームから転落し、死亡するという痛ましい事故が起こりました。日本共産党国会議員団は、視覚障害者の方々とともに同駅を調査しました。先日は、国土交通省の担当部局に転落防止対策を視覚障害者団体の方と申し入れたところです。
駅ホームからの転落件数は、2009年度に2442件だったものが、2014年度に3673件と1.5倍に増え、このうち視覚障害者の転落件数は38件から80件へと倍増しています(国土交通省資料)。
それにもかかわらず、転落防止に有効なホームドアは、2016年3月までで、全国に約9500ある駅のうち665駅しか設置されておらず、1日あたりの利用者が10万人以上ある駅でも、251駅中わずか77駅にしか設置されていません。
ホームドアの設置目標は、2020年度までに約800駅としているだけで(2015年2月閣議決定「交通政策基本計画」)、すべての利用者が安心して鉄道を利用できるためには、きわめて不十分な目標と言わざるを得ません。
よって、安全対策の緊急課題として、以下のとおり要望します。
1、駅ホームからの転落防止対策は人命に関わる問題であることから、ホームドアの設置は、鉄道事業者のサービスの一環ではなく、安全対策として位置づけるべきです。鉄道事業者にホームドア設置を義務づけること。国として、鉄道事業者の実施状況を点検、指導すること。
2、利用者のホームからの転落の危険性が特に高い駅は、優先して直ちにホームドアを設置すること。交通政策基本計画の約800駅という設置目標を、早急に見直し、引き上げること。
また、設置の優先順位は、駅利用者数だけでなく、交通弱者の駅利用頻度、盲学校等視覚障害者施設の分布状況等を考慮し、視覚障害者当事者の意見を十分に踏まえたものとすること。
3、自治体や鉄道事業者が取り組みやすくなるよう、技術開発含め、ホームドア等の整備に関する補助金額を大幅に引き上げ、補助率についても、事業者の実情に応じて引き上げること。
4、ホームドア設置が完了する前でも、安全対策は待ったなしです。すべての駅で鉄道事業者が責任をもって、ホームの安全対策の人員を配置するように、国が指導を行うこと。
以上