もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【15.06.19】6月19日、国土交通委員会でリニア問題を質問しました!!

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問題山積リニアを追及!――国土交通委員会――
◆岐阜県恵那市と長野県豊丘村に大規模なリニア用変電所計画
~アセスや事業説明会逃れは許さない!~
◆リニアの総事業費問題

  6月19日、国土交通委員会でリニア問題を質問しました。
終わったあと、他党の議員から「リニアは問題が山積だね」と声をかけられました。問題が山積の事業をどんどんすすめることは絶対に許されません。

  質問で、まず取り上げたのは、リニアの工事実施計画には書いていない2か所の変電所建設計画の問題です。
 
  中部電力が先月、自治体に示すまでJR東海は、この事実を説明せず、国土交通省もつかんでいなかったことがわかりました。

 JR東海は、中部電力が建設するリニア新幹線用の変電所建設を長野県豊丘村と岐阜県恵那市で計画していますが、中部電力から自治体に知らされたのは今年の5月11日でした。

 変電所の規模は、豊丘村で8~9ヘクタール(東京ドーム2個分)、恵那市で11~12ヘクタール(東京ドーム2.5個分)に及びます。

 恵那市では、小学校や保育園の真上を高圧線が張られ、子どもたちに電磁波の悪影響を及ぼすのではないかと心配されています。

 経済産業省の吉野恭司大臣官房審議官は、昨年11月にJR東海から話があり、今年2月にJR東海が中部電力と計画を結んだと答弁しました。

 変電所と送電設備の建設費は、JR東海が負担することを確認したうえで、リニア新幹線の環境影響評価書や工事実施計画書への記載の有無や事実の把握について質問。

 国土交通省の藤田耕三鉄道局長は「環境影響評価書にも、工事実施計画にもない」と述べ、国交省としてつかんでいなかったことを認めました。

 また、鉄道局長は、JR東海の工事実施計画にかかわる予算書のなかに「発電所・変電所費」1855億円とあり、そのなかに今回の2か所の変電所の予算が含まれていると認めました。  JR東海は費用を出すことになるのに、これまで、自治体や住民に説明してこなかったのは無責任であり、「環境アセス逃れと言われても仕方がない」、「こういうやり方は許されない。環境アセス、事業説明会などをやり直すべき」と追及しました。
  太田国土交通大臣は、「丁寧な説明をするよう指導・監督していきます」と答えました。

 何でも結局「丁寧な説明」しかJR東海に求めない国の責任も重大です。

 さらに、採算面、財政面についても聞きました。
リニアは単独では採算が取れない事業で、JR東海は5兆円を超えて債務を抱えることはしないとされています。
 
  建設工事費が膨れ上がる可能性について検証するため、これまで建設された新幹線が建設認可時の総事業費の想定と完成までにかかった総事業費でどのくらいの食い違いがあるのか問いました。

 鉄道局長は、
 東海道新幹線 1725億円→約3310億円(1.92倍)
 上越新幹線 4800億円→16860億円(3.51倍)
東北新幹線(東京~盛岡) 8800億円→26546億円(3.02倍)と明らかにしました。

 上越新幹線では、長大な山岳トンネル工事で、大出水事故や山はねの発生など難工事が工事費用を膨れ上がらせた一つの要因になっています。

 リニアは、86%がトンネル。南アルプストンネルなど、これまでやったことのないトンネル工事も含まれ、難工事が予想され、事業費が膨れ上がる懸念について質問しました。

 さらに、リニア品川駅の建設工事の入札不調が報道されていることについて、事実を確認しましたが、「つかんでおりません」という無責任な回答しかありませんでした。

  資材の高騰、人件費の高騰、技術職人などの労働者不足など、ゼネコンといえども従来の工事価格では受注できない、工事価格の値上がりという事態があり、こうした背景からも、このリニア品川駅の入札不調は、今の計画よりも事業費が膨らむのではないかということを一層懸念させるものです。

  2010年11月の交通政策審議会での議論でも、「首都圏で大震災が起こり、東海道新幹線と中央新幹線が同時に被災した場合、資産価値が暴落し、債務超過に陥るというようなことは、考えなくても良いのでしょうか」との議論があったように、リニア建設工事が続けられない事態が発生した場合に、政府として、救済措置を実施するつもりかと質問しました。

 鉄道局長の回答は、“全額JR東海が出すのが前提”と答えるのみで、出さないとは言いませんでした。

 さらに分割民営化の際に想定されていた「適正利益」1%を大幅に上回る26%もの売上経常利益率で巨額のもうけをあげているJR東海にたいし、政府・行政がやるべきことは、リニアへの支援ではなく、公共交通機関として、最も大切な安全性と公共性をいかに確保させるかとういうことです。

 JR東海は、在来線については、ホームドアをどこもつけていません。
新幹線は7つの駅で設置されていると答弁しましたが、名古屋駅で言えば、東京行ホームにはついていますが、大阪行きホームにはついていません。
駅の無人化は、全駅の約6割にのぼり、武豊線や飯田線では9割が無人駅です。

 採算のとれないリニアに巨額に投資して、視覚障がい者の皆さんや車いすの方の切実な願いであるホームドアをつける努力もほとんどしていないJRの姿勢にたいし、「リニア建設より、既存の東海道線、在来線の安全対策、サービス改善こそやるように指導すべき」と質問しました。

 大臣は、リニアも安全対策もサービス改善も大事だと述べるにとどまりました。

  問題山積すぎる無謀なリニア事業をやめさせるために引き続き頑張っていきます!!

 

 

 

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