10月3日、愛知県高等学校教職員組合(愛高教)の笹山茂晃委員長、落合洋子書記次長と「子どもの貧困」問題で懇談をさせていただきました。
愛高教の皆さんは、高校授業料の無償化が実施される以前からお金がなくて退学する生徒さんを救いたいと皆さんのカンパでお金をあつめ給付制の「愛高教奨学金」(1人5万円)を支給してきました。
これまでに482人(2410万円)の生徒さんに支給されています(2002年度~2011年度まで)。
高校授業料が無償化されたからといって、保護者負担がなくなったわけではありまません。
授業料を除いた初年度の保護者負担金平均額は、
全日制の平均で19万2808円(最高金額32万9379円)、 定時制の平均で9万8957円(最高金額24万1100円)も負担があります。(日高教「2010年度修学保障調査)
やっぱり依然として家計に教育費負担が重くのしかかっています。
長年の運動で、日本政府は9月13日までに、高校・大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約(13条2項b、c)の適用の「留保撤回」を閣議決定し、国連に通告しましたが、今後、そのための予算をつけるのかが問われています。
経済的な理由で学業をあきらめる、夢をあきらめる子どもたちが生まれないようにしていきたいと強く思います。
また、愛知県の教育の遅れた現状についても意見交換しました。
愛知の教育予算は全国最低レベル
◆子ども一人あたりの教育予算
47都道府県中、愛知県
小学校47位
中学校47位
高校(全日制)47位
障がい者学校46位
日本は先進諸国の中で教育予算は最低レベル。
そのなかで愛知は最低です・・・。
◆教員一人あたりの児童・生徒数
47都道府県中、愛知県
小学校18.4人で45位
中学校16.3人で47位
高校15.9人で45位
障がい児学校2.1人で47位
愛知県は子どもたちを大切にしていないことが明らかです。
しかも、愛知県は、中学卒業後、就職も進学もできない卒業生(若年無業者)が931名と全国一突出して多い現状があります。
その原因は、「計画進学率」(全日制高校・高専で受け入れる割合)を全国最低の93%に据え置いているからです。
全日制高校・高専で受け入れないために、通信制に進学する子どもさんも東京の3倍程度(2012年度愛知県3363人、東京1268人)います。
私学も経営用の理由からか定員よりも少なく入学させています。(2011年度実績―私学入学定員22856人、入学者19953人、欠員2903人)
愛知県の教育は、まさに異常です。
学びたいと願う子どもたちを排除しないでほしいです。
その上、障がいをもった子どもたちに冷たいのも愛知の教育の特徴です。
◆愛知県の障がい児学校(養護学校)は、全国一のマンモス校。
全国マンモスランキング
ワースト1位豊川養護学校512人
ワースト2位一宮東養護483人
ワースト6位半田養護451人
ワースト7位春日台養護432人
ワースト10位三好養護413人
ワースト11位安城養護405人
愛知の教育予算が少なく、障がいをもった子どもたちを、通学に長時間かかるのに広域で集めて安上がりにしているのです。
私は、いつも思います。
障がいをもった子どもたちだけは、小学生のときから、なぜ往復何時間もかけて学校に通わなければいけないのか。
もっと身近に特別支援学級を充実したり、養護学校やつくるべきです。
若者の夢を奪うな!一人一人にあった教育を行う努力をし、その子の可能性を全面的に開花させてほしいと心から思います。
愛知の教育条件をよくしていくために多くの皆さんと力を合わせていきたいです!