もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

【12・05・10】環境省中部環境事務所から「震災がれき」問題で聞き取り

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 5月10日、環境省中部地方環境事務所から「震災がれき」問題で聞き取りを行いました。

 八田ひろ子元参院議員、愛知県委員会の佐々木朗政策委員長、川原さん、西田さんと一緒です。

 応対されたのは、環境省中部環境事務所の廃棄物・リサイクル対策課です。

 政府は、がれきのうち、特別に管理が必要な指定廃棄物は、セシウム134とセシウム137の濃度の合計で1キログラム当たり8000ベクレル以上のものと定めています。これを超えるものは、国が処理することになっていますが、これ以下のものは、放射性物質が含まれていても、指定廃棄物とされないため、一般廃棄物と同様の扱いとされ、まともな対策が講じられていません。

 現在の8000ベクレル/キログラムという基準は、昨年6月の段階で原子力安全委員会が「当面の考え方」として示したものに準拠して審議されただけのものです。これは、政府の試算でも廃棄物の処理に携わる作業者に年間1ミリシーベルト近い被ばくを容認するものです。

 こうした基準にもかかわらず、環境省は、「広域処理」にまわす「震災がれき」は安全だとの一点張りでした。以前、環境省の本省とやりとりしたときも同じような対応でした・・・。
 
 風評被害についても、「責任をもつ」と言っておきながら、「震災がれき」を受け入れたことによって損害が生じたということを立証するのが難しく、現段階では、なんの補償もしない可能性が大いにあることもわかりました。

 しかも、全国あちこちで受け入れれば、一地域だけ突出して風評被害が起きることはない、との見解も示し、驚きました。
 
 働く人も4時間250日に限らなければいけませんが、働くルールがそうなっているかもあやふやです。
 
 現在の候補地は少し掘ると水が出てくる場所ですが、水にセシウムが溶け出す問題についてもあやふやです。

 いろいろびっくりするような発言もありました。

 主な質疑応答は以下の通りです。

Q、国の基準は、広域処理が可能な焼却された災害廃棄物は1キロ当たり8000ベクレル以下とし、焼却の方法によって、焼却前は240ベクレル以下、480ベクレル以下としているが、原子炉等規制法に基づくクリアランスレベルは1キロ当たり100ベクレル以下となっていることや、放射能を含む食品安全基準が、1キロ当たり100ベクレル以下としているものとの整合性は?

→クリアランスレベルは、原発が解体等により発生するコンクリートなどの再利用を想定し、再利用しても安全な基準として考えられている。8000ベクレルは、放射能汚染された廃棄物を一般廃棄物と同様の処理(分別、焼却、埋立)をしても安全に処理できる基準として設けられている。一般廃棄物の処理と同様の処理で、年間の被ばく量が1マイクロシーベルト以下(最終処分場の管理期間後は、0・01マイクロシーベルト以下)となるように実験した結果、8000マイクロシーベルトとなった。実験は、内部被ばくによる汚染も想定している。食品との関係は、廃棄物処理では、体内に入る量が異なる(軽微)と考えられる。

Q、廃棄物処理の基準は、1日4時間処理に従事し、年間250日処理に従事することを想定し、重機に乗ることなどで、放射能が一定遮蔽されるという考え方で計算されているが、大阪府などでは、1日6時間処理に従事するという前提で、焼却前の廃棄物について、クリアランスレベルと同じにしている。放射性物質を含む廃棄物の処理に従事する労働者の働き方の規制は設けられているのか。遮蔽の有無についてはどう考えられているのか?

→国と大阪の基準の大きな違いは、大阪は処理する場所を無限定に考えており、そうなれば当然、基準を厳しくしないといけない。しかし、国の基準はあくまで一般廃棄物と同様の処理という、限定的な場所での処理を想定している。働き方の規制は設けられているかどうかはわからない。(※重機などによる遮蔽の問題については言及なし)

Q、放射能の基準について、自治体で独自の基準が設けられているが、傾向はどうなっているか?

→クリアランスレベルと同じ、1キロあたり100ベクレル以下が多い。しかし、自治体ごとに、基準を設けられると、実質的に「広域処理」が難しくなるので、つくらないで、なるべく国の基準でやってほしい。

Q、県への回答では、放射能を含む廃棄物を埋め立てた処分場について50センチの覆土を保つことで、居住した場合でも、特段の問題は生じないとしているがその根拠となるデータは?

→環境省のガイドブックで、「50センチ以上の土で覆います。それにより、99・8%の放射線を遮蔽でき、周辺住民への健康に対する影響を無視できる」と説明している。データの根拠となる調査結果は今わからないので、後でお知らせする。

Q、国の説明では、最終処分場は陸地を想定している。しかし、愛知が想定しているのは、海上への埋立。大阪も海上への埋め立てを考えているようだ。セシウムは水に溶けやすい性質。現在は埋め立てられていても、少し掘れば、水が出てくる。愛知は埋め立てるために、掘ることを考えている。その場合、放射能物質が水に溶解し、まわりに拡散することが予想され、ガイドブックがいうように、「周辺住民への健康に対する影響を無視できる」とはならないのではないか?

→実際にどれだけ掘るかによって、水がしみだしてくるかどうかは何ともいえない(※水がしみだした場合の安全性については、言及なし)

Q、マスコミの報道では、広域処理を要望する災害廃棄物について、海への流出などが多く全体量が減少するとのこと。また、域内での処理を進める動きもあり、焼却場は足りてくるのではないか。一番問題になるのは最終処分場の確保か?

→マスコミの報道は承知していない。宮城県が広域処理を要望する廃棄物について、連休明けにも記者会見するとの話は聞いている。確かに最終処分場は域内では足りない。

Q、バグフィルターによる除去の実績は?ネットなどで指摘されている除去できなかった例はないのか?

→セシウムはバグフィルター付きの焼却炉で99・92~99・99%除去される。具体的な実験結果も、「災害廃棄物の広域処理」(環境省作成)などで紹介している。

Q島田市における試験焼却によって、周辺の放射能の空間線量があがったと報道されているが、それはどうみているのか?

→そうはみていない。詳しい見解は環境省のホームページの「広域処理サイト」のQ&Aにのっている。

Q、広域の処理費用については?被災地の災害廃棄物の処理は大企業・ゼネコンなどが請け負っており、そこから、広域処理を受け入れる自治体がお金をもらうのか?

→災害処理費用補助金から一定額の補助がなされ、差額は特別交付金で補てんされる。拠出するのは、被災自治体に対してであり、被災自治体から、広域処理を受け入れる自治体にお金が流れることになる。企業からお金が流れるかどうかは契約をみないとわからない。

Q風評被害について、県への回答では「回復するための可能な対策を講じる」といっているが、具体的な対策は何かイメージしているのか?被害の補償なども考えているのか?

→風評被害については、生じることがないように積極的な広報活動を行い、悪意ある宣伝については、毅然とした対応をする。処理をする一部の地域での風評被害が生じさせないためにも、広域で処理をすすめていき、安全性を広報していくことが大切である。風評被害による補償については、被害の因果関係が成立しなければできないので、難しい。
                                           以上

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