★文部科学省の「学校基本調査」によると、住民票を残したまま1年以上所在不明になり、その後の就学が確認されない日本国籍を持つ小中学生を「居所不明児童生徒」と呼び、2011年の調査(速報値)では、全国で1183人にものぼり、その内訳は、小学生851人、中学生332人となっています。(※東日本大震災の影響により、岩手県・宮城県・福島県のデータは未集計)
★「居所不明児童生徒」の人数の多い上位5都府県は、愛知県272人、東京都200人、大阪府153人、神奈川県142人、千葉県96人となっています。
このことに関して、愛知県教育委員会及び統計課、名古屋市教育委員会に問い合わせました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【愛知県教育委員会及び統計課】
◎2010年の調査では「居所不明児童生徒」は47人だった。2011年は272人になった。
◎2011年に増えた理由としては、国の指導として統計の取り方を変えたことがある。
◎2010年は、就学後の不明になった子の統計をとっていた。
◎2011年は、就学前の健康診断や入学説明会などに音沙汰がない子も統計に入れたため多くなった(愛知県は国の言うとおりにやったが、他の都道府県では、こうしたことが徹底されていないところもあった…愛知県が一番多い理由の言い訳にも少し聞こえました)。
◎住民票があれば、入学式の半年くらい前に学齢簿ができる。それに基づいて事前の健康診断や入学説明会を行う。それに音沙汰がない場合、入学式に姿を現さない場合、学校が調査に動くことになる。
◎愛知県教育委員会としては、行方不明になった理由は調査していない。
◎子どもさんだけいなくなるのではなく、家族みないなくなるので、学校だけでは、把握できない部分がある。経済的な問題や家庭の問題など。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【名古屋市教育委員会学事課】…愛知県内「居所不明児童生徒」272人のうち238人は名古屋市
◎「居所不明児童生徒」は、2種類ある。
(1)入学した後に突然一家そろっていなくなるケースで1年以上たった場合(41人)
学校現場の声を聞くと、DV、借金による夜逃げなどで逃げるケースや日本国籍はあるが親が外国人の場合、母国へ帰ってしまうケースなどがあると聞いている。
(2)入学する段階から行方不明のケース(197人)
入学する段階からいないケースでは、訪問はするが、学校がつかむのはなかなか難しい。民生委員さんには、夜間や土日で気づいたことがあったら連絡してほしい、と言っている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貧困と格差をなくしていくこと(不安定・低賃金雇用をなくす働くルールをつくることや社会保障の充実が必要です)、DVなど暴力を許さない社会をつくっていくことなど社会全体を変えて、根本的には解決していくことが必要です。
同時に、子どもたちが健全に成長できるように、縦割りでなく、横断的にチームを組んで、対策をとっていく問題だと改めて思いました。
以上