3月15日、愛知県弁護士会情報問題対策委員会主催の「秘密保全法に関する連続学習会」に参加しました。
※第2回は4月18日18時~、第3回は5月18日18時~ 愛知県弁護士会館5階ホール
第1回目の今回は、情報問題対策委員会の新海聡委員長が、「政府が目指している秘密保全法のどこが問題か」と題してお話をされました。
○政府の情報をつかむことがよりできなくなる
○政府が都合が悪い情報はみな「特別秘密」(法律の別表などに規定)になる恐れ
○時の政府が定めた「特別秘密」にかかわる情報を得ようとすることを萎縮させ、公開することを抑制する懸念・・・新海先生曰く「情報公開制度の絶滅と調査報道の窒息」
○「特別秘密」を扱う行政担当者、防衛産業で働く人、研究者、国会議員、弁護士、裁判所で働く人など本人の身辺調査を行い、国家が人的管理を行う監視社会につながる(すでにイラク戦争に反対していた人々の身辺を調査していた事実などがある)・・・就職に不利になるから黙っておこうなど社会全体を萎縮させ、自由にモノがいえない社会になっていく。日本国憲法には、思想信条の自由が定められているのに
○秘密保全法をつくるきっかけは、尖閣沖漁船衝突事件だが、そもそもあの映像は秘密扱いではなかったもので、後で問題になった問題。また、ポガチェンコフ事件(自衛隊三等海佐がロシアの大佐に過去に不正に複写した資料を交付した事件)も文書の管理の徹底や職員の身の上把握などすでに対策済みであり、立法の必要性はない
○まずは情報の公開原則を徹底させることこそ大事
○背景には、警察庁やアメリカからの圧力がある
などなど学びました。
民主党政権は、今国会にこの秘密保全法案を提出しようとねらっています。法案を出させないために皆さんと力を合わせていきたいと思います。
【参考】「秘密保全法」に関する記事
検討過程も秘密扱い 秘密保全法制の有識者会議
事務局に警察・防衛官僚 議事録なし資料非公開
政府が提出をねらう秘密保全法案の原案を検討した政府の有識者会議が、警察庁や防衛・外務両省の官僚主導で進められ、同会議の報告書案さえ公表されていないことが(3月)7日の衆院内閣委員会で明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也議員の質問に政府が認めました。
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塩川議員が実態追及
秘密保全法案は、「秘密の漏えい阻止」を理由に国民の知る権利や取材の自由などを侵害するものです。
塩川氏は有識者会議の事務局について質問。中村昭裕内閣官房審議官は、同会議の事務局は内閣情報調査室が担当し、警察・防衛・外務からの出向者が多いと答弁。同調査室の事実上のトップである内閣情報官が歴代警察庁出身者であることも認めました。報告書に盛り込まれた秘密の範囲についても「事務局が例示したもの」だと答弁しました。
塩川氏は「外務・防衛・警察といえば『秘密保護』でなく情報開示の徹底こそ求められている役所だ。警察官僚をトップとした事務局が提案を行ったのは重大だ」と指摘しました。
塩川氏は、有識者会議の議事録が残されていなかった問題に加えて、会議資料が全て公開されているのかと追及。藤村修官房長官は「資料の中に機微な情報を含むものがある」と答え、非公表資料の存在を認めました。塩川氏は、「当然公表されるはずの報告書案すら開示されておらず、議論の経緯がわからない」と批判。「秘密でないものすら秘密扱いにしていることが検討過程でも明らかだ」と述べ、法案策定をただちにやめるよう求めました。
2012年3月8日(木) 「しんぶん赤旗」
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秘密保全法案反対の国会内集会 国民の目耳口封じだ
政府が国会提出をねらう秘密保全法案の反対集会が(3月)1日、国会内で開かれました。主催はマスコミ文化情報労組会議(MIC)、日本ジャーナリスト会議、マスコミ関連九条の会連絡会、自由法曹団で、18団体から関係者が参加し、集会アピールを採択しました。
同法案は、尖閣諸島沖での中国漁船衝突の映像流出をきっかけに検討がはじまったもので、政府は昨年10月、有識者会議の報告書を「十分に尊重」して法案化することを決定しています。
自由法曹団の森孝博弁護士は有識者会議の内容をもとに、同法案が▽秘密の範囲が曖昧で国のもつ広範な情報が隠される▽処罰が従来より重く、広い対象に科され市民のさまざまな活動が罰される▽国が秘密を扱う者のプライバシーまで調査する「適性評価制度」は差別につながる―危険性をもつことを報告しました。森氏は「国民の目も耳も口も封じるのが法案の本質」で、民主主義の危機を招くものだと指摘しました。
MIC議長で新聞労連の東海林智委員長は「知る権利には致命的で、報道関係者にとって命取りの法案」と述べ、「提出させないことが重要。どうしようもない法案をたたきつぶしましょう」とあいさつしました。
国公労連の川村好伸副委員長は公務員労働者のありかたをゆがめるもので、「絶対に許すわけにいかない」と発言。
自由法曹団の篠原義仁団長は「廃案になった国家機密法よりもっと網を広くかけ、しかも重罰化。提出前に断固粉砕を」とあいさつしました。
集会後、議員要請を行いました。
2012年3月2日(金) 「しんぶん赤旗」
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主張 秘密保全法 知る権利の侵害は許されない
国民の「知る権利」を奪う「秘密保全法案」の作成を急ぐ政府の動きに、日本弁護士連合会をはじめ日本新聞協会、メディア関係者など各界、各層から反対の声が噴き上がっています。
法案は秘密保全の対象を「国の安全」だけでなく「外交」「公共の安全及び秩序の維持」の分野にまで広げ、罰則も懲役10年以下に引き上げるものです。秘密情報にかかわる国家公務員や民間企業の従業員が秘密情報を外部に流出させないことが表向きの理由にされてはいますが、ほんとうの狙いが国民やメディアの目をふさぐところにあるのは明らかです。
目的は軍事態勢の強化
国民は膨大な秘密情報をいまでも知ることができません。防衛省だけでも、防衛相が指定する「防衛秘密」が4300件、日米相互防衛援助協定に伴う秘密保護法による「特別防衛秘密」が9千件、官房長が指定する「省秘」が10万9千件にもおよびます。(2007年現在)。外務省も日米の「密約」など多くを秘密扱いにし、警察や公安分野も同じです。国政の重要情報を国民から隠すこと自体、重大問題です。
こうした「秘密情報」を重罰主義の徹底で保全するのが「秘密保全法案」です。国家公務員法では1年以下の懲役とされているものを保全法案では「特別防衛秘密」なみに懲役10年以下に引き上げる計画です。自衛隊法が定めている「懲役5年以下」も10年に引き上げられます。秘密情報にかかわる民間企業の従業員も例外ではありません。「1年」では「抑止力が十分でない」から重罰を科すという政府の姿勢は、「軍機保護法」などで国民の目をふさいで侵略戦争に突き進んだ戦前の暗黒政治を思い起こさせるものです。
政府が秘密保全法の制定に躍起なのは、日米両政府が07年に結んだ「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)を根拠にしたアメリカの要求に応えるためです。アメリカの狙いは日米軍事同盟強化のために日本に提供している秘密情報の保全を徹底させることです。
保全法案が日米軍事一体化促進のバネになるのは明白です。政府は2010年の海上保安官による中国漁船衝突事件の映像流出問題を秘密情報保全強化の理由にしてきましたが、それが口実にすぎなかったことは明白です。
国民の知る権利は、憲法が認めた国民主権原理や民主主義を実現するために必要不可欠な権利です。政府が秘密を拡大し、国民が国政の重要な情報を知ることができないようにするのは、憲法に照らして絶対に許されるものではありません。秘密保全法に反対の声があがっているのは当然です。
情報公開加速してこそ
秘密保全法の運用次第で取材や報道の自由が侵害されうる問題は見過ごしにできません。国の行政機関の職員から取材する行為を、秘密漏えいを「働きかける行為」とみなし、「悪質性が高い」として処罰対象にすることを政府が検討しているからです。取材のやり方次第で処罰するというのはまさに取材の自由の侵害そのものです。
いま求められるのは、情報公開の流れを加速し、国民が国政の重要な情報を知ることができるようにすることです。情報公開にも逆行する秘密保全法案づくりは即刻やめるべきです。
2012年3月1日(木) 「しんぶん赤旗」
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秘密保全法制に反対 日弁連が集会 国民の知る権利侵害
「秘密保全法制と報道の自由について考える院内集会」が8日、国会内で開かれました。日本弁護士連合会(日弁連)の主催で、約140人が参加しました。
日弁連の宇都宮健児会長が「秘密保全法制は国民の知る権利や報道・取材の自由を侵害するなど、憲法上の諸原理と真正面から衝突するものだ」と主催者あいさつしました。
日弁連の秘密保全法制に関するワーキンググループ委員、齋藤裕弁護士が基調報告。「秘密の対象は『政府が特に秘密とする必要があると判断した情報』というが、あいまいで政府の違法行為を隠すために使われる可能性がある」とのべました。
報道関係者が多数参加。日本雑誌協会人権・言論特別委員会の渡瀬昌彦委員長、同協会編集倫理委員会の山了吉委員長、日本ペンクラブの山田健太理事、日本マスコミ文化情報労組会議の東海林智議長、ジャーナリストの西山太吉さんが、それぞれ言論・報道、表現の自由を守る立場から発言しました。
各党の国会議員も参加し、日本共産党の塩川鉄也衆院議員は「戦前、国民の知る権利を侵すことで侵略戦争へ突き進んだ痛苦の体験を思えば、秘密保全法は断じて許されない。今国会に法案を提出させないため、皆さんとがんばる決意です」と語りました。
2012年2月9日(木) 「しんぶん赤旗」
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秘密保全法案 弁護士ら反対よびかけ
通常国会提出狙う
野田政権が通常国会に提出を予定する「秘密保全法案」をめぐり日本新聞協会、日本弁護士連合会、自由法曹団、出版関係者、メディア研究者らが反対を呼びかけています。
「秘密保全法案」は、国の安全(軍事)や外交、公共の安全、秩序の維持に関する広範な情報を「特別秘密」に指定し、情報を漏らした公務員や民間人を厳罰に処するもの。民主党の仙谷由人政調会長代行、大野元裕参院議員や自民党の小池百合子元防衛相らが制定を求めています。
政府による戦争協力や準備、環太平洋連携協定(TPP)の交渉内容や原発に関する情報も「秘密」にされる恐れがあり、国民の知る権利や取材・報道の自由を侵害しかねません。
“話したらびっくり”
反対運動を呼びかけている都内在住のある弁護士は「法案についてメディアで話したら、みんなのけぞってびっくりしていた。恐ろしさが知られていない。大手全国紙の反対キャンペーンも弱い」と語ります。
内閣情報調査室は昨年末、秘密保全法制の整備にかかわる意見を募集し、個人や団体から寄せられた意見をとりまとめました。反対意見が多数にもかかわらず、情報漏えいの罰則を「懲役1年以下」(現行の国家公務員法)から「懲役10年以下」にする方向で調整しています。
秘密保全法案を議論した昨年11月の民主党政策調査会「内閣部門会議」(田村謙治座長)では、「秘密指定に有効期限を設けることが必要だ」などの意見が出ただけで、法案提出を見送る動きはありません。
2012年1月8日(日) 「しんぶん赤旗」