2月10日、東日本大震災で多くの防波堤が沈下・崩壊した事実などを受け、国土交通省や総務省などに対し名古屋港、衣浦港、三河港と沿岸部の防災対策を強化、石油コンビナートの防災対策の強化を求める要請を行いました。
この要請書をつくるにあたっては、愛知県内の沿岸部の自治体の議員の皆さんのご意見を寄せていただきました。沿岸部の皆さんの切実な思いがこもった要請で、身を引き締めて交渉にのぞみました。
また、保育所の待機児童解消や児童扶養手当の運用の改善の政府交渉、海上コンテナの安全輸送に関する関する聞き取り、高浜市、名古屋市の競艇の場外舟券売り場建設問題で聞き取り・地元住民の要望書提出なども行いました。
要請には、佐々木憲昭衆院議員、河江明美衆院東海ブロック比例予定候補、西田とし子、石川ひさし両小選挙区予定候補、山口きよあき名古屋市議、さはしあこ名古屋市議、岡田ゆき子名古屋市議、岡本守正碧南市議、下島良一碧南市議、山口きよあき碧南市議、山内さとる半田市議、内藤とし子高浜市議、わしみ宗重高浜市議、根本美春豊田市議、佐々木憲昭議員秘書の石井さん、名古屋市議団事務局の尾関さんや東海ブロックの北田さん、赤旗東海北陸総局の和田記者が参加しました。
津波対策の要請では、老朽化した名古屋港の高潮防波堤の強化や、一定の高さと耐震性を持つ津波避難ビルの整備・建設に対する補助など26項目を求めました。
国交省の担当者は、名古屋港の高潮防波堤改良のため40億円の予算を組んでいると説明。既存のビルを耐震化して津波避難ビルとする際には優良建築物整備事業として補助が出ること、また津波避難施設建設に国の支援を検討していることを明らかにしました。
参加者からは「消防の職員が少なく、3人で初期消火に当たっている。人を増やす指導を強化してほしい」(碧南市議)、「港湾労働者の避難を個々の企業任せにしてはだめだ。国として避難基準をつくるべきだ」(名古屋市議)など、さらに充実を求める声が出ました。
消防職員については、地方交付税の算定基準で来年度予算100円アップする予定であることなど回答がありました。これを生かして各自治体で消防職員の増員を求めていかなければなりません。
また、今後、愛知県の沿岸部でも使える回答もありました。
詳しくは、下記の要請書(回答つき)をご覧ください。
待機児童対策では、国の「子ども・子育て新システム」への懸念や批判が集中。「企業参入を促進するだけで3歳未満児の待機児童はまったく解決しない」「保育の質をどう担保するのか」「親が保育所を自己責任で探すというのは疑問だ」などの質問が相次ぎました。
厚生労働省の担当者は「保育の質を下げることはしない」としつつ、細かい基準については法案成立後に決めると説明。参加者は「詳細なことも分からないのに法案提出はやめよ」と再度要請しました。
待機児童解消の問題では、保育所開設のために国有地など定期借地した場合、賃借料が安心子ども基金から300万円補助されるなど活用できる答弁もありました。詳しくは、下記の要請書のところをご覧ください。
名古屋港、衣浦港、三河港及び愛知県内沿岸部の防災対策の抜本的強化に関する要請書(回答つき)
2012年2月10日
国土交通大臣 前田武志様
防災担当大臣 平野達男様
総務大臣 川端達夫様
厚生労働大臣 小宮山洋子様
文部科学大臣 平野博文様
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
日本共産党名古屋市会議員団
団長 わしの 惠子
日本共産党尾張南部地区地方議員団
日本共産党知多地区地方議員団
日本共産党西三河地区地方議員団
日本共産党東三地区地方議員団
名古屋港、衣浦港、三河港及び愛知県内沿岸部の
防災対策の抜本的強化に関する要請書
東日本大震災では、多くの防波堤が津波や高潮の被害軽減に一定の役割をはたしつつも、その多くが沈下したり崩壊したりしてしまいました。埋立地域での液状化による被害も甚大なものがありました。名古屋市および愛知県内沿岸部の自治体は、東海、東南海、南海等の連動地震が想定されているだけに、東日本大震災の教訓をふまえ、防災に強い街づくりをすすめることが急務となっています。
名古屋港においては、高潮防波堤があるものの老朽化しており、巨大地震にともなう液状化によって大きく沈下するとの予測がされるなど、大規模な耐震補強工事が求められています。
また、名古屋市では、ゼロメートル地帯である港区・南区をはじめ、6行政区で津波避難ビルの指定を開始し、これまでに498棟(2012年1月27日現在)が指定を受けました。
しかし、多くの住民を避難させ得る一定の高さと構造をもった施設は、まだまだ少ないのが現状です。臨港地区での避難ビルについては、特に指定が遅れています。
名古屋市としては一定の耐震性能を有する学校や住宅の屋上の整備に取り組んでいるものの、多額の費用が必要になっています。これら費用に関する制度的保障はありません。
いかなる巨大地震があろうと、津波による被害を最小限におさえることのできる港湾隣接地域の防災対策を抜本的に強めるため、以下の内容を要請します。
記
1、名古屋港高潮防波堤について、東日本大震災の津波防波堤等の被害状況と最新の研究成果を踏まえ、予想される南海トラフを震源とする海溝型巨大地震とそれによる津波に対応できるよう、早急に機能強化をはかること。(国土交通大臣)
→(国土交通省港湾局)伊勢湾台風のときに定めた基準でできている。現在では、災害時に沈下し、老朽化していることがわかっている。施設改良に3次補正で新規に認められ、改良に入る予定。具体的に現地の工事に入っていきたい。40億円で知多堤と鍋田堤の改良。
2、既存及び新築の建築物に、津波避難ビルとしての機能を付加する設備投資に対しての助成制度を創設すること。臨海部などでは建築許可の基準のひとつに津波避難ビルの機能を有することをもりこむなど、津波避難ビルの機能を有する建物を増やす施策を強化すること。(国土交通大臣)
→(国交省住宅局)平成24年度予算案において、沿岸部で、地方公共団体や民間事業者等が行う、既存ストックを活用した津波避難ビルの整備(外階段をつけるなど)に対し支援を行うため、優良建築物等整備事業を拡充する。都市機能が集積するエリアにおいて、防災安全性の向上に資する取組み(避難スペースの整備、備蓄倉庫・自家発電設備等の設置等)を行う建築物の整備に対し支援を行うため、優良建築物等整備事業を拡充することを要求している。
→(国土交通省)建築基準については、建築確認の際の建築基準法で最低限のことを定めている。津波避難ビルの機能の基準を設けることはなじまない。ただ、津波避難ビルについては、昨年11月27日に構造上の要件をまとめさせていただいた。
3、港湾地域での緊急避難場所となるような津波避難ビル、または津波避難タワーの設置及び確保を港湾管理者に義務付けるとともに、建設への補助制度を設けること。(国土交通大臣)
→(国土交通省)防潮堤、浸水を防ぐ堤防、そういうものの外側にある場合、発生頻度が高い津波でも浸水する。とりわけ港湾地帯。労働者や来訪者の人命の安全を守る、港湾業務ビル、避難の施設、原則、避難施設として それでも確保できない埠頭の先端で荷役をしている労働者は、建物がない場合、時間が稼げる、10~20分、早急に一時避難所が必要だということで、国で今検討中。何らかの措置を港湾管理者に求めることになるだろう。
4、重要港湾に指定されている衣浦港及び三河港および愛知県内沿岸部についても前3項に準ずる措置を講ずること。(国土交通大臣)
→(国土交通省港湾局)昨年7月に、「港湾における総合的な津波対策のあり方(中間とりまとめ)」がとりまとまった。津波からの港湾防護を踏まえて、整備局レベルで港湾ごとに検討会議をひらいている。中部地方整備局では、名古屋港、衣浦港、三河港で地元市町村も入れた検討会議で施設による防護のあり方を検討している。
5、中央防災会議で結論が出された後に、愛知県が防災計画の見直しを行い、その後に各自治体が防災計画を策定することになっており、対策が遅れている。東海、東南海、南海等の連動地震、マグニチュード9、原発事故を想定し、国が早急に計画をまとめること。(防災担当大臣)
→(内閣府)愛知県は、南海トラフ巨大地震で東日本と同じ海溝型で最大クラスの地震が想定されている。昨年8月に南海トラフの巨大地震モデル検討会をスタートさせ、12月末に中間取りまとめを出した。設定の考え方を出した。これを受けて、引き続き検討していく。3~4月には、巨大地震モデルの最終取りまとめができるのではないか。6月~秋にかけて人的、物的被害を予測する。来年の春には具体的な対策が立てられるように精力的にやっている。
6、避難経路の確保、公共施設や高層階の民間施設を緊急一時避難所として協定を結ぶことなど適切で迅速な対策を講じるよう国が地方自治体を指導すること。(国土交通大臣、防災担当大臣、総務大臣)
→(内閣府)原則、高いところに避難するということになる。内閣府としては、推進を図るために2005年6月にガイドラインを策定した。自治体が行いやすいように活用をしてほしい。
7、現在ある堤防内部の空洞化調査、高さの見直し、補強工事、位置の適正化などへの国の予算を増額すること。(国土交通大臣)
→(国土交通省)防潮堤のことだと思うが、空洞化調査や高さの見直しについては、海岸管理者がやることになっている。具体的な管理者の整備を支援していきたい。
8、新日鉄など臨海部に立地する企業や関係企業などの港湾労働者や観光客、つり人など住民にたいする緊急避難場所の確保等、国は労働者や住民の命を守るため責任をもって指導すること。(防災担当大臣、国土交通大臣)
→(国土交通省)新たに独立した形で 避難場所の公表 整備、今後、地震、津波対策 検討会議。命を守ることを第一に努力できるだけの支援をしていきたい。
9、避難勧告や避難指示が出ていても港湾労働者に伝わらず、仕事を継続していたり、港湾利用者から夜間作業を求められたりする事例が名古屋港であった。港湾労働者への情報伝達と避難が確実にできるよう措置をとること。大規模災害時は、施設利用(荷役作業等)を中止させること。(防災担当大臣、国土交通大臣)
→(国土交通省)防災基本計画 あらゆる手段で修正を受けて各地域で・・・。
10、港湾労働者が、大規模災害時の実際の行動を想定した避難訓練ができるよう措置をとること。(防災担当大臣、国土交通大臣)
→総合防災訓練大綱で訓練実施に努めることになっている。昨年末修正した。その中でも国及び自治体が津波の到達時間を考慮して実践的な訓練を行うこととした。昨年6月津波対策推進法が成立。防災時、努めなければならない。15条に11月5日に津波防災の日で国および地方公共団体は、津波防災の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとするとなっていますので、そうした機会を活用してやれるようにしたい。
11、人の出入りの多い港湾の特徴を踏まえ、わかりやすい避難先、避難経路の標識などを設置すること。(国土交通大臣)
→(国土交通省港湾局)検討会議のなかでも港湾はプロの空間となっている。できるだけわかりやすい避難経路、表示など検討を進めていきたい。
12、全国瞬時警報システム(J-Alert)と連動した同報無線と戸別受信機の設置補助を拡充すること。(総務大臣)
→(総務省)ハード的防災無線は、起債措置で9割みる。50%普通交付税でみる。臨時に100%、70%普通交付税。起債、全体的な計画。
13、聴覚障がい者は、同報無線放送が聞き取れないため、緊急時の伝達方法の対策を検討すること。(総務大臣、厚生労働大臣)
→災害時、あらゆる伝達手段で知らせることを総務省、内閣府、厚生労働省で検討している。厚生労働省としてもきわめて重要だと考えている。総務省、内閣府、厚生労働省でガイドラインをつくって、市町村が要援護者を把握し、情報伝達するようにガイドラインでは記されている。耳が聞こえない方には、電子メールや携帯メールで。東日本大震災では、多くの高齢者、聴覚障がい者で伝わらなかった。H24年度予算で要援護者の避難について再検討する。策定されているガイドライン、内閣府で緊急で対策を検討していく。
→第三次補正予算で防災無線の予算。自治体の推奨書、実証実験、文字情報メール、デジタルサイエンス、文字情報、広くより多く。推進するために来年度にむけてやっていきたい。
14、防災無線等が停電によって使えないという事態が生じないよう万全な対策をとること。(総務大臣)
→非常電源については東日本で深刻だった。財政措置を考えていきたい。
15、佐久島、日間賀島、篠島などの離島は、被災時には、ライフラインが寸断され、長期的な孤立化が想定される。避難所に太陽光発電や大型発電機の設置など対策をすすめるため、国は特段の支援策を講じること。(防災担当大臣)
→避難所の立ち上げの指針がある。通信設備。ハイブリッド、小型のプロパンなど避難所のあらかじめの準備。災害救助法で手当てする。
16、国道一号の尾張大橋の架け替えと周辺堤防の早期整備を実施すること。(国土交通大臣)
→尾張大橋は、昭和8年にでき、80年ほどたっている。点検等、橋梁補修、日々の維持管理で80年経過しているが、橋の健全度、H17年度に学識経験者に腐食など見てもらった。十分な耐震。当面、定期的な適切な補修。H22年に実施し、構造的な問題はない。
→周辺部は木曽三川の堤防のかさ上げはほぼ完成。尾張大橋の構造部の取り付け部分は若干低い。災害時の危機管理が大事。橋梁の架け替えは、よくお話を聞いている。
17、災害対応時に消防力の強化が重要である。整備指針にもとづく人員の充足率を引き上げるため国は支援すること。(総務大臣)
→公務員総数が減っているなかで、消防職員は平成23年度、15.9人/人口、158809人で少しずつ増加している状況。市町村へは、交付税の算定10万人の標準団体で23年度の消防費で・・・平成24年度で100円増で11300円の予定。消防力の充実のために交付税措置をしたので、市町村の充実が図られるようにしていきたい。
18、合併により役場が支所になったことで、災害時の初動体制や本庁職員の支援体制が心配されている。災害時の支所等の役割はきわめて重要であり、防災体制の強化が図られるよう適切な指導を行うこと。(総務大臣)
→自治体において、地域防災計画で速やかに修正、策定するべき。合併後、情報連絡体制要請している。
19、避難所の整備、沿岸部の公共施設の強化、移転にたいする国の支援を充実すること。(国土交通大臣)
→回答者なし
20、災害時避難場所は、避難者のプライバシーを守ることやバリアフリーを進めることが必要であり、国は支援策を講じること。(防災担当大臣、国土交通大臣、総務大臣、厚生労働大臣)
→(厚生労働省社会援護局災害維持)被災三県では、パーテーションに区切ったり、テントを張ったり創意工夫をしている。そうしたことに対して、最大9割補助。自治体の申請で総務省が復興特別交付金で出している。
→(消防庁)応援救助ガイドラインで市のほうで実施はかられる。福島では、発災後、思いがけない、調査 ・・・
21、避難所となった学校等で食事を提供できるよう自園、自校給食を広げるよう国が指導と援助を行うこと。(文部科学大臣)
→(文部科学省)センターと自校の2通りの方式。それぞれ一長一短あり、地域の実情で。学校調理室の親切、改築については補助金が自治体にたいしてある。
22、福祉避難所の指定が不十分な状況であり、国の指導と援助を強めること。(厚生労働大臣)
→(厚生労働省)直近の数字で、市町村の福祉避難所の指定のパーセンテージは、46.8%となっている。22.8%、23.8%、34%と毎年度増えている。
23、民間住宅耐震改修補助制度を増額し、耐震化達成率を高めることが必要であり、国の援助を強めること。(国土交通大臣)
→(住宅局 渡辺氏)三次補正で避難経路の沿道の住宅の予算と避難所の耐震化補助を充実させた。住宅エコポイントのなかでも30万だったポイントが15万プラスになって、45万ポイントになった。H24年度以降も必要な支援をしていきたい。
24、津波対策のため学校の屋上の補強工事とともに頑丈な手すりを設置するなど、緊急時に備える国の援助を強めること。(文部科学大臣)
→学校の避難所化のために避難階段や手すり、緊急備蓄倉庫、自家発電など防災機能上必要なものは、H24年援助していきたい。
25、津波避難場所の少ない地域及び避難場所のない地域の緊急時に備え、津波用ライフジャケットを各家庭に配布すること。自治体のそうした事業への補助制度を設けること。(国土交通大臣)
→回答者なし
26、消防署、学校、保育所、避難所はじめ公共施設が、液状化現象に耐えうるか否かの調査を進めること。これらの建築物が新築・改修する際などに液状化対策を行うエリア指定と補助を実施すること。戸建て住宅等についても同様の支援措置を講ずること。(文部科学大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣)
→(国土交通省港湾局)施設整備において液状化の判定など対策している。地震の揺れが長い東日本のような状況下の方法については検討していきたい。港湾管理者の液状化判定に必要な対策をとる。
→(文部科学省)学校施設整備指針のなかに安全な地質、液状化対策、今回の地震の関係もあり、必要な対応をしていきたい。
以上
石油コンビナート等特別防災区域における防災対策に関する要請書
2012年 2月 10日
総務大臣 川端達夫様
経済産業大臣 枝野幸男様
国土交通大臣 前田武志様
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
日本共産党名古屋市会議員団
団長 わしの 惠子
日本共産党尾張南部地区地方議員団
日本共産党知多地区地方議員団
日本共産党西三河地区地方議員団
日本共産党東三地区地方議員団
石油コンビナート等特別防災区域における防災対策に関する要請書
東日本大震災は、東京湾の石油コンビナート地帯においても、液化石油ガスタンクの倒壊による火災や、液状化による側方流動の発生、浮屋根構造タンクでのスロッシング現象などが発生しました。
名古屋港は、港の入口にあたる一角が、石油コンビナート等災害防止法にもとづく「石油コンビナート等特別防災区域」に指定されています。地震と津波により、危険物施設が集中しているこの地域で災害が発生すれば、名古屋市の市民生活と港湾業務を含む産業活動にも甚大な影響を与えることになりかねません。
しかしながら、名古屋市域においては、省令にもとづき2017年(平成29年)までに改修が必要とされる特定屋外タンク(1000kl以上)8基のうち、すでに適合しているタンクは1基のみで、とりわけ浮屋根構造の1万kl以上のタンクは4基すべてが未改修となっています。また、この石油コンビナート地帯は、すべてが伊勢湾台風(1959年)以降の埋立地であり、地盤の液状化や側方流動による護岸のはらみ出しなども予想されます。
そこで、埋立地に造成された石油コンビナート地帯における防災対策の強化をすすめるため、以下の点を要請します。
記
1、特定屋外タンクの耐震改修について、省令で定めた期限を前倒しするなどして、早期に100%のタンクで必要な改修を終えること。(総務大臣、経済産業大臣)
2、個別の貯蔵施設だけでなく、地盤の安全性が問われています。企業の敷地を含めて特別防災区域内の地盤と護岸すべてについて液状化及び側方流動に関する実態を調査するとともに、有効に安全対策を講じること。(総務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣)
3、原油(LNG)受け入れ基地である伊勢湾シーバースの大規模地震など災害にたいする安全性を確保すること。検査結果を明らかにすること。(総務大臣、経済産業大臣)
以上
待機児童問題解決のための要請書(一部、回答あり)
2012年 2月 10日
厚生労働大臣 小宮山 洋子 様
財務大臣 安住 淳 様
内閣府特命担当大臣 岡田 克也 様
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
日本共産党名古屋市会議員団
団長 わしの 惠子
待機児童問題解決のための要請書
名古屋市は、昨年10月の待機児童数が1909人(うち3歳未満児1714人)と、引き続き全国最多となっています。多くの父母が子どもを保育園に入れたいと望む中、名古屋市の待機児童数は1909人となっています。一方、政府は保育所にかかる最低基準を緩和し、「子ども・子育て新システム」の導入で保育現場に市場原理を持ち込む方向に向かっていますが、それでは保育の質の低下と福祉としての保育の崩壊をもたらしてしまうのではないかという不安が広がっています。
現在の最低基準を引き下げることなく待機児童問題を解決するためには、保育に対する国と自治体の責任を明確にし、公立でも民間社会福祉法人でも保育所を抜本的に増設できるよう十分な予算措置を行う必要があります。
誰もが安心して利用できる保育制度の拡充のため、以下の点を要請します。
記
1、国と市町村に保育実施義務のなくなる「子ども・子育て新システム」を導入しないこと。(厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣)
2、公立保育園の建設を促進することをはじめ、認可保育園の新設とあわせて、保育所待機児童を解消できるだけの十分な予算措置を行うこと。
3、規制緩和でなく、子どもの命と安全を守れる保育環境整備のため、最低基準を抜本的に改善すること。(厚生労働大臣)
4、0才、1才児の面積最低基準を3.3平方メートルで整備できるようにするため、改築・整備に国の支援を強めること。名古屋市は国の指導のもとで基準に満たない現状となっていることから、特別の財政措置として、「保育環境改善事業」をほふく室整備にも活用できるよう、柔軟に対応すること。(厚生労働大臣)
→(厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課)名古屋市の課長さんから私どもの整備を担当しているものに直接お電話いただき、今、具体的に事務的に協議を進めているところです。何とか補助できるようなかたちで、補助できないかという形で調整しているところです。
5、認可保育園を増やすために国有地を貸与する際の賃貸料を無償または低廉化すること。また、同様の制度が地方自治体等の公有地についても実施されるよう検討すること。(財務大臣、厚生労働大臣)
→(財務省財務局国有財産業務課上乗課長補佐)厳しい財政事情のなかで、保育所施設、社会福祉施設など新成長戦略に掲げられたものに、地方自治体の財政状況が厳しいなかで購入は難しいので、貸付を導入した。借地権の権利、定期借地ということで初期投資できるだけ安くなるようにそういうシステムでお貸しする形にした。数は少ないのですが、情報提供しているところ。実際、民間の不動産だと公租公課で固定資産税がかかるが、(保育園は)固定資産税など引いて、安く、最低限の貸付を行う。不動産鑑定士の方にも収益性のないものがたつということで貸付料を低めに設定している。商業施設が入る場合は、収益性があるということで高くなる。そういうことを鑑定士に説明して、そういう施設がくるんだということで貸付自体もストライクゾーン低めで設定できるように借りていただくように取り組んでいる。説明できるぎりぎりのところで(貸付料)設定している。全国で10件定期借地で動き出している。名古屋市と交渉しているところもあると聞いている。無償は難しい、できる限りのこと、なるべく低目のところでやるように、取り組んでいる。
→(厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課)国有地を貸していただけるということで、安心子ども基金では、新たに保育所で定期する場合、定借料、賃借料補助できる、出せることになっている。今回の4次補正からは、今までは公的施設の賃借料でといけなかったが、今回は民間施設を借りて、保育所を建てて保育をする場合の借料もみるようになった。ぜひ活用ください。1施設あたり300万円。
→(財務省国有財産業務課)(子ども基金で補助がでること)私も初めて知りました。
以上
児童扶養手当支給における扶養親族数の扱いの改善を求める要請書
2012年 2月 10日
厚生労働大臣
小宮山 洋子 様
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
日本共産党名古屋市会議員団
団長 わしの 惠子
児童扶養手当支給における扶養親族数の扱いの改善を求める要請書
離婚によって単親世帯(特に母子家庭)となる場合、離婚前には扶養親族をもたなかった者が新たに扶養親族をもつようになることが少なくありません。
ところが、児童扶養手当には親の前年(または前々年)の所得とともに扶養親族の数を勘案した支給制限限度額が設けられていることから、結局、受給できる手当て額は扶養親族の数によって変動する仕組みになっています。
しかし、その結果たとえば、離婚前まで共働き等で自分の所得があっても子どもを自分の扶養親族にしていなかった妻(または夫)が、離婚を機に実際に子どもを扶養することになっても、その扶養親族数は前年(前々年)の申告にもとづいてゼロとされるために支給制限がかかり、離婚直後の生活が厳しい時期に頼みの児童扶養手当が減額ないし不支給とされかねない事態も生じます。また、名古屋市がおこなっている「ひとり親家庭手当」も児童扶養手当の支給要件に準じるため、同様の制限がかかり、こうした家庭にとっては二重に不利な状況となります。
本来、児童扶養手当は、単親世帯の子育てと生活を支えることが目的であり、上のような制度上の矛盾は、同手当の趣旨と単親世帯の実態に照らし、早急に正されるべきであると考えます。
よって、以下のように要請します。
記
児童扶養手当の支給額は、実際の当年の扶養親族数を考慮した算定方法によるよう、制度や運用を改善してください。
以上
高浜市の皆さんから出された場外舟券売り場設置問題の要請書
高浜市における場外舟券売り場設置について要望書
2012年2月10日
地元の住民の皆さんの署名
国土交通大臣 前田武志様
愛知県高浜市では、同市田戸町への場外舟券売り場誘致をめぐり地域への悪影響を心配して、これに反対する動きが活発になっています。
そのような中、昨年12月25日に町内会が町内の一世帯一票の住民投票を行った結果、賛成195票、反対219票となりました。そのため、地元の中日新聞でも「反対多数、場外舟券売り場撤回」と報道するなど、当然、「誘致反対」が地元の意向となると思われていました。
ところが、この投票については町内会長が別紙「回覧」のように、「先の住民投票には不正があった」とし、「投票結果を真に承認し、議決することができない」と表明しました。そのため、投票結果に反する内容が地元町内会の意向とされてしまうのではないかと、住民の激しい不信の声が起こっています。
現在、市議会は静観し、市長はいまだにその態度を表明するに至っていませんが、もしこの状況で市長が同意を表明し、設置申請がなされたとしても、それをもって国がただちに、従来から判断基準としてきた3条件((1)地元の同意 (2)市長の同意 (3)市議会の反対決議がない)が整ったと判断されることはきわめて大きな問題です。
万一、町内会総会が住民投票結果と異なる内容を「地元の意向」とする事態になれば、町内会内部では住民投票結果の有効性判断の方法と権限の所在、会則の理解と適用、会長による運営の適否などをめぐり、いっそう大きな混乱が生じ、真の民意集約をはかる新たな動きが強まることは必至です。
したがってこのような場合、国は地元の動向と意向を全面的かつ正確に把握するよう十分な努力を払い、決して、拙速な判断、対応によって当市の将来に禍根を作り出すようなことがないようにしてください。
以上、強く要請します。