2月9日、国会から神奈川県横須賀市に移動して、東日本大震災を踏まえた津波対策について研究する独立行政法人港湾空港技術研究所へレクチャーと施設見学に行きました。
東日本大震災をふまえた津波災害の防止、軽減に関する研究、高波・高潮災害の防止、軽減に関する研究について、東海・東南海・南海等大地震で想定される津波に対する名古屋、愛知の沿岸部での効果的な防災対策についてというテーマでお願いしました。
八田ひろ子元参院議員、西田とし子衆院愛知4区予定候補、山口きよあき名古屋市議、さはしあこ名古屋市議、岡本守正碧南市議、下島良一碧南市議、山口春美碧南市議、真野和久愛西市議、吉原つねお大治町議も参加しました。
まず最初に、「津波の怖さ 知ってますか」というDVDを視聴しました。
津波を正しく理解して、津波から自分を守る方法を知ることで、津波による被害を減らすことができると、津波の恐ろしさや身を守る方法を知らせるものです。皆さんもぜひご覧ください。
「津波の怖さ 知ってますか」の視聴はこちらから→ http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg3833.html
この後、全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)についての説明を受け、続いて「津波の怖さ 知ってますか」にも登場する主任研究員の有川太郎氏から「東日本大震災を踏まえた今後の津波防護の考え方」というお話をお伺いしました。
有川氏は、最悪のシナリオを想定して、避難計画や被害想定を策定すること、構造物の壊れ方を予測できる技術を磨き、粘り強い構造物を建造することで、想定外でも被害を最小化できるまちづくりをという考え方を示されました。
また、津波レベルの設定方針について説明されました。
●津波レベル(L1)
◇数十年~百数十年に1回の頻度で発生すると考えられる津波
◇防護目標・・・人命・財産を守る、経済活動の継続、発災直後に必要な沿岸部の機能の継続
◇計画・設計・・・堤内地の浸水を防止するよう計画・設定
●津波レベル(L2)
◇津波防護レベルをはるかに上回り、構造物対策の適用限界を超過する津波
◇防護目標・・・人命を守る、経済的損失の軽減、大きな二次災害の防止、早期復旧
◇計画・設定・・・堤内地の浸水を許すが、破堤・倒壊しにくくし、被害が拡大しないように計画・設定
さらに粘り強い構造についてもお話がありました。
防潮ラインの強化とともに盛り土の道路(東日本大震災の津波の被害は、盛り土の道路によって、その先に浸水することを防いでいました)、二重堤など多重防護の観点が大事との指摘もありました。
防災訓練参加状況と避難開始の速さの調査では、明らかに防災教育の効果が現れています。被害を最小化するためにも日ごろの教育と訓練の重要性も痛感しました。
職員の方に港湾空港技術研究所の予算についてお伺いすると、ピーク時は37億円あった予算が今年度は25億円に減っているとのこと。国立大学と同じ予算の削減です。
予算がなくて、東日本大震災をふまえた長い波長についての実験装置への改良ができないことなどもお聞きしました。
研究のための予算を増やすべきだと痛感しました。
国民、住民の皆さんの命を守るために地道にがんばっている研究員の皆さんの給与も公務員給与削減で削減されていくかと思うと胸が痛みます。
日本は本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
鬼の首をとったように公務員給与削減と叫ぶ政党や政治家がいますが、それで本当に日本はよくなるのでしょうか?
もっと複眼で総合的に物事をみるべきです。
貴重な研究が、現場に生かされるように私たちもがんばらなければなりません。
研究所の皆さん、本当にありがとうございました。
(上の写真)世界一大きな津波を実際におこせる実験装置
(上の写真)さまざまな波の動き、構造物にあたって波がどう動くかなどを研究する装置