犬山市羽黒支部の皆さんの国政・市政報告会
12月4日、午前中は犬山市に行き、羽黒支部の皆さんの国政・市政報告会に岡さとる市議と参加しました。
最初に副支部長からのあいさつがあり、私が国政の問題をお話しました。
震災からまもなく9ヵ月、現地ボランティアの様子、岩手県、宮城県、福島県での日本共産党県議の議席の前進、野田政権の復興財源問題、税と社会保障の一体改悪、TPP→くらしを壊し、日本経済そのものに打撃を与える問題、原発ゼロ、原発マネーに群がる原発利益共同体と政治家との癒着・放射線防護の問題などお話させていただきました。すでに発表された衆議院東海ブロック予定候補の佐々木憲昭衆院議員、かわえ明美さんを暮らしを守るためになんとしても国会へおくっていただきたいとお願いしました。
岡さとる市議からは、10年前の2001年、小泉内閣が自民党をぶっ潰すといって発足し、構造改革で国民の暮らしがめちゃくちゃにされ、政権交代したけれども鳩山氏、菅氏に続いた野田氏は、アメリカ・財界の利益を代表する政治を行っていると語りました。
国の政治のなかで地方も疲弊しているなかで、4月に再び当選させていただき、3人の犬山市会議員団となるなかで、公約をしていた高すぎる国民健康保険税を引き下げるために全力をつくしてきたことが報告されました。
岡市議は、「国保税の問題は、岡さんが一番熱心」と評価され、「国民健康保険運営協議会」の会長を務めています。
その協議会で、7月から4回協議し、1世帯あたり1万円引き下げを答申することになりました。犬山市長も“答申の通りにやる”と明言しており、来年3月には条例案を出すそうです。
また、ゴミ出しが困難なお年寄りや障がいをもった方のところへ玄関先までゴミを取りに行く事業も4月から実現するそうです。
日本共産党の議席が増え、皆さんの運動と力を合わせて運動を進める中で、国保税の引き下げやきめ細かい施策が実現するとの報告に私も本当にうれしくなりました。
ゴミ処理場の問題や水没地域に新体育館をつくる計画の問題などの報告もありました。
岡市議は、「議会のなかで、市民の皆さんの全うな意見を反映させるため引き続きがんばる」と決意を述べられました。
懇談のなかでは、「今の政治では、あんきに暮らせない」「入院していたけど、あんきに療養もできない」との声が出されました。犬山市の皆さんは、あんきに暮らせる地域をつくるためにがんばってきました。しかし、その思いを国政が踏みにじっているのです。
「犬山市の放射線測定の体制はどうなっているの?」との声が出されました。12月議会で岡村千里市議が質問する予定であることなど報告されました。
「コミュニティーバスの充実のためにがんばってきて、町内に3箇所バス停ができ、1日乗り放題200円も実現しました。引き続き充実のために皆さんの声を聞きたいわ」との声に、「市民会館までのバスは、月水木だけで、土日がない。増やしてほしい。9時台のバスも増やしてほしい」との要望が出されました。
市議団としても毎日運行や増便、1日200円チケットともに、1回100円チケットもつくるよう要望していると報告されました。
「TPPについて、医師会はどういっているの?」、「加工品の原材料の国を表示してもらわないといけない。TPPは遺伝子組み換え食品の表示もしなくてもいいというが、そんなものなら参加しなくていい」、「今度の選挙は、TPP、年金、消費税が、争点になる。がんばろう!」、「食の安全が今一番関心があります。原発の問題でも子どもたちにいい未来を残していくために私もがんばりたい」など活発な意見交流となりました。
犬山の皆さん、本当にありがとうございました。
犬山市浅間神社で放射線量測定~きれいな紅葉~
羽黒支部の皆さんの報告会の前に時間があったので、会場近くの浅間神社の駐車場ちかくで放射線量を測定しました。
犬山市内は、紅葉やぽっこりとした山など本当に美しい風景でした。
愛知県業者婦人後援会の皆さんの総会に参加
犬山市から名古屋市に移動し、愛知県業者婦人後援会の皆さんの総会に参加しました。
業者婦人後援会会長の春日静代さんの楽しくて明るいあいさつから始まりました。前向きで元気な発言に私も元気をいただきました。
私は、ごあいさつのなかで、業者婦人の皆さんが、毎年毎年署名をとって求め続けている家族従業員の給与を認めていない所得税法56条の廃止の問題の現状についてお話しました。
自公政権末期に与謝野財務大臣が、所得税法56条の廃止について「研究をいたします」と答弁してから、2年たっても動いていません。
11月29日の参議院財務金融委員会で大門みきし参院議員がこの問題を取り上げました。見直しを求める自治体請願も全国で338自治体に増え、地方からも強い要望になっています。
早く実現するべきだとの質問に安住財務大臣は、「56条の見直し、事務方には、これまでの経緯もあって、きちっとテーブルにのせて見直しを検討するように、個人所得税制全体、税制大綱のなかでしっかりと今の方向にそって、ただ先生に納得いくところまでいくかどうか分かりませんが、これについては、与謝野大臣と同じような方向で省内をしっかりと指導していきたいと思っております」と答弁しています。
家族の働き分を認めないおかしな所得税法56条を早く廃止させるために一層がんばりましょうと訴えました。
さらに庶民のふところから一層お金をもぎ取り、大企業には減税して日本経済をめちゃくちゃにする野田内閣の大問題を指摘し、すでに発表された衆議院東海ブロック予定候補の佐々木憲昭衆院議員、かわえ明美さんを暮らしを守るためになんとしても国会へおくっていただきたいとお願いしました。
懇談・交流の時間には、「業者は4割も税負担がある」(豊田章男トヨタ社長の負担率は16%)、「原発事故を起こしておきながらどうして外国に原発を輸出しようとするの。どうしてそんなことが許されるのか。本当にわからない」、「チェルノブイリ・ハートという映画を見たけれど、チェルノブイリの実態は本当にひどい状況。日本でも10年後、20年後そんな現実になるのだろうか」、「チェルノブイリの子どもの絵のなかで、黄色の折鶴が描かれていた。日本は原爆にもあい、原子力についての知識もある国だと子どもたちが思って、日本人が助けにきてくれる、と描いた絵だった。そういう国が、福島第一原発の事故を起こしてしまった。本当に悲しい思い」、「地域経済をよくする提言を一緒にやっていきたい」、「日本赤十字の義援金は、どうして被災者の皆さんに届かないの」、「宮城県の仮説住宅は、本当に狭いし、寒い。どうにか助けることはできないかしら」、「石巻では、つどいを開催して50人が来たそうです。そのなかで10数人が入党したんだって」「被災地の岩手県、宮城県、福島県では、日本共産党が伸びた。日本共産党の活動がみんなに見えれば信用してもらえる」などなど活発な発言がありました。
元気で明るい業者婦人後援会の皆さんにパワーをもらいました。皆さん、本当にありがとうございました。
あの大富豪より負担が軽い?―トヨタ自動車社長の場合
(「しんぶん赤旗」12月3日付に掲載された記事を紹介します)
アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、8月のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿文で、「富裕層に増税を」と主張しました。バフェット氏は、「昨年の自分の連邦税(所得税と給与税)は、課税所得の17・4%だった」として、その負担率が自分のオフィスの社員たちより低かったと言っています。日本の大企業の役員にも、そういう人はいるのでしょうか。
日本有数の大企業といえば、必ず名前があがるトヨタ自動車。その社長の豊田章男氏の場合を推計してみましょう。
負担率16%
昨年度のトヨタ自動車の有価証券報告書によると、豊田氏の年間報酬は、基本報酬が8400万円、賞与が2400万円、ストックオプション(新株予約権)が2700万円、あわせて1億3500万円となっています。また、豊田氏はトヨタ自動車創業家の一員であり、自社の株式を457万4000株も保有しています。昨年中の配当額は、一昨年度分の期末配当25円と、昨年度の中間配当20円、合計で45円でした。したがって、昨年中に豊田氏が受け取った配当は2億583万円という計算になります。
ほかにも所得があるかどうかは不明ですが、とりあえず以上の収入について所得税を計算してみましょう。
基本報酬と賞与は「給与所得」として最高税率40%の累進課税になりますが、配当は証券優遇税制が適用され、所得税だけだと7%の課税です。ストックオプションには現時点では課税されません(注1)。
給与所得控除や社会保険料控除などを含めて計算すると、所得税は約5130万円となりました。これは豊田氏の年収の15・1%にすぎず、バフェット氏より低いということになります。
もっとも、バフェット氏は「所得税」だけでなく「給与税」も含めて計算しているようです。アメリカの「給与税」とは、日本の年金保険料の事業主負担に相当します。もしかすると、社会保険料の本人負担分も含めているのかもしれません。
そこで、豊田氏の場合も、所得税と社会保険料(労使相方分)を含めて計算してみました。この場合の負担額は約5438万円、年収に対する負担率は16%で、これでもバフェット氏より低いことが分かります(注2)。
一般社員は
トヨタ自動車の一般社員はどうでしょう?
有価証券報告書によると、トヨタ自動車の昨年度の正社員の平均年収は727万1090円となっています。保険料率などの仮定条件を置いて所得税を計算すると年間41万円、社会保険料(労使分)を含めると年間224万円という計算になりました。年収に対する負担率は30・7%となり、社長の負担率を大きく上回っています(注3)。
オバマ米大統領は、「年収100万ドル(約8000万円)を超える富裕層の負担率が中間所得層より低くなるようなことを許さない」ということを「バフェット・ルール」と名付けて、税制改革の原則の一つとして掲げています。日本でも、税・社会保険料負担の逆立ちを改める「ルール」が必要なのではないでしょうか。(垣内亮 日本共産党政策委員会)
(注1)ストックオプションとは、「将来、新株を安い価格で購入できる権利」のことです。これに対する課税は、新株を購入した時点、ないしはその株を売って売却益を得た時点で行われます。
(注2)住民税まで含めれば、豊田氏の負担率は20.7%になりますが、バフェット氏も住民税を含めればもっと負担していると思われます。
(注3)計算にあたっては、扶養家族はゼロとし、社員の賞与は給与の3カ月分と仮定。保険料率は医療と介護については「トヨタ自動車健康保険組合」のホームページのデータを利用、年金や雇用・労災保険については一般的な保険料率を適用して計算しています。なお、住民税も含めた一般社員の負担率は36.6%になりました。