「世界一危険な浜岡原発を一時的でなく、永久に停止させましょう!」「原発からの撤退、原発ゼロの期限を決めたプログラム策定を」と署名宣伝―中電取締役会は結論持ち越し
5月7日、菅直人首相が前日、中部電力に浜岡原発の停止を要請したことを受けて、名古屋市栄で、「世界一危険な浜岡原発を一時停止ではなく、永久に停止させましょう」、「原発からの撤退、原発ゼロの期限を決めたプログラム策定を」、「原発依存から自然エネルギーへ転換を」と署名宣伝をしました。
八田ひろ子元参院議員、かわえ明美さん、わしの恵子名古屋市議団長、岡田ゆきこ名古屋市議、大野宙光名古屋東・北・西・中地区委員長、さいとう愛子さんと一緒です。
署名をしてくださる方、激励をしてくださる方、写真をとって握手をしてくださる方などに励まされました。
浜岡原発について日本共産党は、30年前から東海地震の震源域の真上にあるとして停止を要求。
1981年2月には、不破哲三書記局長(当時)が「地震に関して一番ひどい地帯に原発を置く政府や企業は世界には存在しない」と追及。
志位和夫委員長が3月31日に行った菅首相への提言でも「東海地震の想定震源域の真上に位置する浜岡原発の停止」を要求していました。
また、国会では5月2日の参院予算委員会で、大門実紀史議員が浜岡原発と新潟県柏崎刈羽原発について、「こんな状況で運転再開など許可していいのか」と迫り、菅首相が「政府として本当に国民に安心してもらえるのか、しっかり見極めて判断しなければならない」と答弁していました。
午前中のニュースでは、中部電力が午後の会議で浜岡原発をすべて停止することを受け入れる見通しと報道されていました。
しかし、午後になって、1時間半の中部電力本社での臨時の取締役会で、結論を8日以降に持ち越す、次回の取締役会は決まっていないと報道されました。
残念ですが、中部電力に停止させるまで、私たちもがんばらなければなりません。
朝刊新聞では、さまざまな立場の方々の声が載っています。
違和感を覚えたのは、大村秀章愛知県知事のコメントでした。
「過度の節電を強いると経済活動が冷え込む」と節電を呼びかけない考えを表明しました(朝日新聞2011年5月7日付朝刊)。
浜岡原発を停止させることに間接的に抵抗しているのでしょうか。静岡県にすむ人や原発で働く作業員の犠牲で成り立っている経済のままで本当にいいのでしょうか。
ピーク時をしっかりと分析し、過度でなくても適切な節電を呼びかければいいのではないでしょうか。
節電すれば、CO2の排出も抑制できる、とりわけ中部電力管内は原発からもさよならできます。放射能廃棄物など子どもたちにツケをまわすことも減少し、東京電力のように突然停電になり、病院など命と直結するところのリスクも減らせます。
大村愛知県知事の表明は、持続可能な社会を志向しているとはとても思えない態度表明だと思いました。
本当に景気のことを考えるなら、大企業に過度にためこまれた富を働く人や中小企業、地域に還元させ、内需をあたためる政策を本気で考えるべきです。
一方で、川勝平太静岡県知事は、「県は、省電力、省エネルギー対策にこれまで以上に取り組み、安全な代替エネルギー源の確保を加速するよう全力を挙げて取り組む」とコメントしています(中日新聞2011年5月7日付朝刊)。
こちらの方が、未来を感じます。
愛知県だって出来るはず。
戦争と平和の資料館ピースあいちの開館4周年「ピースまつり」に参加―改憲の動きに危機感
名古屋市名東区になる戦争と平和の資料館「ピースあいち」に行き、開館4周年「ピースまつり」に参加しました。
参加したのは、「平和への希望を編み合わせる」と題したピーストークです。
あいち女性9条の会共同代表の青木みかさん、ピースあいちボランティアの斎藤孝さん、ピースあいち館長の野間美喜子さん、名古屋大学名誉教授の森英樹さんのトークを中心に交流しました。
87歳の青木みかさんは、近隣諸国の脅威に対抗するために武装するというが、武装では、結局エスカレートするばかりであること、軍需産業が不況の打開策として言われていることへの疑問、若い人が判断力をもっていただきたいと語りました。
80歳の斎藤孝さんは、1930年に生まれ、翌年に満州事変が始まり、まさに戦争のなかで生きてきたこと、中学校2年生から英語がなくなり、夏から授業はなくなって、軍需工場に学徒動員。中学生まで働かせて勝てるわけがなかった、と語られました。1945年5月17日、その軍需工場も空襲で焼けてしまい、清須の軍事基地で終戦までいたこと、終戦後、電車で名古屋駅についたとき、これで焼夷弾も落ちてこないんだ、これが平和だと思ったことなど、子どもたちに伝え、自分の感想も入れて他の人に伝えてください、と子どもたちに言っている、子どもたちに励まされて活動できている、と語りました。
野間美喜子さんは、東日本大震災、福島第一原発の事故の問題について、憲法に国民主権と書いてあるのに、原発について一度も選択したことがない。憲法には、基本的人権と書いてあるのに、人権を大きく侵害している。作業員なども被爆している。人の命を犠牲にして享受する便利さ。これは一体許されるのか。子どもたちに危険と費用を残すことは絶対に許されない、と語りました。
森英樹さんは、最後の戦中派世代として、若者に思いを継承していくことが課題だと述べました。憲法13条では生命の権利、前文では平和のうちに生存する権利、憲法25条では健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を規定している。英語では、LIFE、LIVE、LIVING。その3つ権利を保障するのが国や政府の責任であると書いている。9条とも「命どう宝」という根っこでつながっている。東日本大震災で米軍と自衛隊が活動しているが、演習だという点も忘れてならないことだと語りました。
会場から衆参両院の3分の2以上の賛成を必要とする改憲発議要件を、2分の1へ緩めるための憲法96条改定をめざす動きなど報道されているが、憲法改定の動きについて教えてほしいという質問があり、森英樹さんが、答えました。
安倍政権時代の2007年5月、国民投票法を軸とする改憲手続法を強引に成立させた。3年後施行となっていた。この改憲手続法は欠陥が多く、日弁連会長など施行延期を求められていたにもかかわらず、2010年5月18日施行した。
施行直後の2010年5月20日、元衆院議長が民主党幹部が参加する「憲法円卓会議」という組織を結成。
改憲手続法では、改憲案を作るために国会の衆参両院に「憲法審査会」を置くことになっている。「憲法審査会」を動かす「規定」が必要だが、衆議院は自公政権時代につくられたが、参議院はまだ作られていない。しかし、参議院選挙で民主党が負け、勢いを取り戻した自民党がこの「規定」の制定を求め、今年になってからも民主党出身の西岡参院議長が「規定」の早期制定に同感している。今国会中に参議院でも「規定」が制定されるのではないか。「規定」が整うと一気に改憲の動きが出てくるのではないかという懸念がある。東日本大震災でさえ、改憲の足がかりにしようとしている。「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は4月28日に「新しい憲法を制定する推進大会」を開いた。自民党、民主党、みんなの党、たちあがれ日本、国民新党などの議員が出席。鳩山元首相も参加。大震災を引き合いに出して、「非常事態規定」のない現憲法の欠陥が明らかになった、緊急の憲法改定が必要だ、と言っている。そうした動きのなかに改憲発議要件を、2分の1へ緩める動きもある、と答えました。
原発をすすめ、イラク戦争に日本を加担させ、働くルールや社会保障を連続的に壊してきた人たちが、大震災を利用して改憲が必要だと言っています。この集団に従っていけば、人権は保障されない暗い未来が待っています。
日本国憲法を生かしてこそ、一人ひとりが大事にされる私たちの明るい未来はあります。難題がたくさんあるけれど、前を向いて歩んでいきたいと思います。