3月19日、新日鉄の死亡災害事故で半田労働基準監督署に申し入れに行きました。
日本共産党新日鉄名古屋委員会の平田哲彦さん、中村祐次知多市議、新日鉄構内で働く皆さんといっしょです。
3月12日10時30分ごろ、愛知県東海市の新日鉄名古屋製鉄所構内厚板工場で、製品の品質検査中に落下してきた2枚の厚板(約6トン)の下敷きになり2人が被災しました。一人の方が亡くなり、もう一人の方が両足を骨折する大けがをしました。
私たちは、2月19日にも2件の重傷者を出す重大災害で、安全管理と災害防止の徹底を申し入れたばかりでした。
新日鉄では新たな中期計画が提案されコスト削減と達成スピードが叫ばれる最中の災害発生です。厚板工場では主要ラインと品質・整備関係を除く多くの職場が関連下請けに移管されました。本工と下請け労働者が混在し、矛盾が多い職場で災害も頻発していました。
今回事故が起きたスラブ(圧延前の鋼板)手入れやクレーン作業は完全に下請けに移管された職場で2003年7月に入社直後の労働者(当時18歳)の死亡災害をはじめ、長時間・人権無視の労働実態も次々と告発されてきました。
私は、新日鉄の増加する内部留保のパネルを示しながら、「新日鉄名古屋の死亡災害の問題で八田ひろ子さんの秘書の時代から何度も申し入れにきている。平田さんはじめ新日鉄名古屋委員会の皆さんはもっと前から何度も来ている。いったい何人の命を奪えばいいのか。新日鉄は、人件費を削り、内部留保をどんどん増やし、2009年3月の時点で、9176.6億円の内部留保金を持っています。人の命を軽視して、一方でためこんでいる。こうした内部留保を安全や労働者のために使うように指導してほしい。死亡災害を繰り返す新日鉄にたいし、厳正な対応をしていただきたい」と強く求めました。
現場で働く労働者(下請け企業)は、「工場では、低賃金で、長時間労働。残業しないと食べていけず、1日12時間労働は当たり前。12時間働いても休憩時間は40~45分しかない。風邪を引いても、上司がおれは風邪で休んだことがない、と言ってやすませない。休むと賃金も減らされるので休めない。疲れて仕事をやって、微小な労災は結構ある。こういう状況では労災事故はなくならないと思う」と実態を訴えました。
また、「足元が悪く、特に雨が降ると雨漏りもする。土のうを積み上げている」なども指摘されました。
さらに、以前そこの職場の下請けで働いていた労働者は、労災事故が起こりうる職場の実態を具体的に指摘しました。
死亡災害が起こった現場では、新日鉄がリスクアセスメントを行っていなかったのではないか、との疑いがあることや「2003年の死亡災害以後、ちゃんと改善されたのかも疑問だ」と指摘もありました。
労基署は、「重大な死亡災害であり、しかるべく対応していく」「継続的な指導をしていく」と回答しました。