ふるさとの宝を守ろう!STOP設楽ダム
3月10日、結審の日、設楽ダムの建設中止を求める会の皆さんが取り組んでいる「設楽ダムの建設に関する公金支出等差止め請求事件」の裁判(2007年4月12日名古屋地裁に提訴)を傍聴しました。
原告のお一人である松倉源造さんが、30年にもわたって設楽ダム問題にとりくんできた思いを語られました。設楽ダム計画は、半世紀の間に二転三転してきた不合理な計画であること、そして、農林水産省側の豊川総合用水事業と国土交通省側の設楽ダムとを総合的に勘案して計画しなければいけないのに、別々にすすんできた問題点を指摘しました。
そして、幼い頃から慣れ親しんだ豊川や三河湾は「ふるさとの宝」だと語りました。
一方では、リーマンショック以降、派遣ぎり、非正規ぎり。小泉内閣以来、社会ががけっぷちにたって、社会的弱者が経済の負の影響を受けているのに、必要不可欠でない大型公共事業には執着をしている。政官業の癒着もある。こうした国のあり方に疑問をていするお話しでした。
そして、司法の独立性についても強調されました。裁判官が、政治などに影響されることなく、しっかりと判断してほしいと述べられました。
提訴からまもなく3年になります。私もほとんどの毎回、裁判を傍聴してきました。愛知県側の荒唐無稽な論理や、本質から外れた議論に終始する態度をみて本当に腹がたちました。あんな論理で巨額の税金を使われてはたまったものではありません。
最終準備書面のなかでの愛知県側の主張は、設楽ダム計画ができるまでの手続きが、法に基づいてちゃんとやられているから、この支出は適法という、あくまで形式的なものです。
原告側は、計画の中身を問題にし、設楽ダム計画の根拠となるデータなどが、偽造されたものや、現実と乖離したものなどあるということを明らかにしています。
そして、「本件支出の目的となっている水道用水の供給、農業用水の供給、豊川洪水調節、および豊川の流水正常機能維持はいずれもその目的について必要が認められないか、確認されていない。加えて設楽ダムの基本計画と建設が環境影響評価法12条1項に違反しており、寒狭川上流とそこから下流の三河湾を含む水域環境に悪影響を与えるもので、違法である。以上から、本件各支出が著しく合理性に欠いていることは明らかで、予算執行の適正確保の見地から看過できない違法がある」と結論で主張しています。
いよいよ6月30日(水)15時から判決が言い渡されます。判決まで4カ月弱も間をあけるのは異例のことのようです。
いずれにしても「設楽ダムはいらない」という声を大きく広げていくために、さらにがんばらなくては!