国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長との意見交換に参加しました。
主催は世界連邦日本国会委員会で、超党派議員が参加しました。
ラザリーニ事務局長は、日本政府に対し、イスラエルによるガザ攻撃を止めるため「国際社会に積極的に停戦実施を呼び掛けてほしい」と求めました。
ガザの状況は今までに見たことのない危機で、この5カ月にガザで死亡した子どもの数は、2019~22年に起こった全世界の紛争の死者数を上回るなど、死者数、子どもの死者数、ジャーナリストの死者数、国連職員の死者数も今までにない人道危機だと強調しました。
これまで貧困地域ではあっても飢餓を経験したことのなかったガザで、イスラエルの包囲による“人間がつくりだした飢餓”がまさに目の前で始まっているとし、市民は「爆撃に遭うか、飢えるかのどちらかで死ぬという状況にある」と非常事態を訴えました。
昨年の10月7日のハマスの蛮行にUNRWAの職員12人が関与した疑惑に関し、
15カ国が48時間以内に資金拠出停止。
この疑惑に関し、ラザリーニ事務局長は、3点を行っている旨説明しました。
①かかわったという疑惑の職員の契約解除
②国連のグテーレス事務総長に独立調査チームを依頼。イスラエルに証拠を提出するように協力の呼びかけ
③独立したレビュー。UNRWAのリスクマネジメント。
その上で、例えば、警察組織で12人の職員の問題が疑われて、資金を止められるようなものだとも語っていました。
疑惑の段階で職員の契約を打ち切ることは、本来やらないこと。本来は、刑事的な道筋や個人の説明、責任が必要だが、とも語っていました。
5カ月経っても真相が明らかにならないのは何故かの問いに、イスラエルの協力が得られていないとのこと。
日本はパレスチナ地域への70年にわたる人道支援を通じてUNRWAやガザ地区と良好関係を築き、「アラブ諸国だけでなくイスラエルにも耳を傾けるという利点を持っている」と指摘。その立場を生かし、同地域の平和のために不可欠な2国家共存を進める積極的な働きかけを行ってほしいと訴えました。
UNRWAは他のNGOや国連機関とは、違い、唯一政府のような働きをしている国連機関であることを理解してほしい旨語られていました。
さらに2国が共存する道しか解決策はないことなども強調されました。