3月22日、2021年度NHK予算に関し、NHK森下俊三経営委員長、高橋正美NHK監査委員、前田晃伸NHK会長、武田総務大臣に衆議院総務委員会で質問し、反対討論を行いました。
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モノ言う女性委員は再任されず、
一方、森下俊三経営委員長は再任・・・
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かんぽ不正販売問題を報じた番組をめぐって、経営委員会が放送法に違反してNHK会長を厳重注意し、さらにその議事録の開示を拒み続けている経営委員会、執行部の姿勢を厳しく批判。
「視聴者・国民への説明責任を放棄する姿勢は断じて許されない」と反対しました。
反対討論に先立って、放送法に違反する一連の行為を主導した森下俊三経営委員長の再任に日本共産党が立憲民主党、国民民主党などとともに反対したことを指摘。
武田良太総務相に森下氏を再任した理由をただしました。
また、経営委員会(12人)の女性比率が5人から4人に後退し、しかも唯一、議事録の公開を求める発言をしていた佐藤友美子さん(追手門学院大学教授)が再任されなかったことを「結果としてものを言う女性を外した形になった」と指摘。「経営委員会の人選が不透明すぎる。公募委員をつくるべきだとの声がある」として制度見直しの検討を求めました。
武田総務大臣は、森下氏について「リーダーシップを発揮してきた」などと擁護。公募については考えていないと答えました。
NHKの情報公開・個人情報保護審議委員会が二度にわたって議事録の全面開示を答申していることについて質問しました。NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申には以下のようなことが書かれています。非常に重要なので、長めに引用します。
【1回目の答申】
◆「不開示とすべき個人情報、企業機密情報等の存在は認められない」
◆「視聴者・国民に対し自らの経営委員としての言動については、広く説明責任を負っている。」
◆「特に、NHK会長に係るガバナンスの問題というような重要な運営上の問題について、各委員がどのような意見を持ち、どのような議論が行われ、どのような結論に達したのかについては、より強く透明性が求められることは論をまたない。」
◆「少なくとも、本件を議事録非公表の場でなければ各経営委員が率直な意見が言えないような類の問題と位置付けるべきものではない」
◆「仮に、非公開を前提にしたのであるから、以後率直な意見が言いづらいと感じる委員がいるとしても、本件を、そのことによって経営委員会全体の運営に支障が生じると判断すべき事案と認めることはできない」
◆「過去に会長に対して、経営委員会が『注意』や『申し入れ』を行った場合、その議事録は公表されている」
◆「したがって、本件文書が公開されることによって今後の同種の審議、検討または協議が円滑に行われることを阻害するおそれがある、とするNHKの見解は肯定できない」
◆「本件議事のような重要なガバナンスの問題に関する経営委員会における意思決定過程は、合理的に跡付け、又は検証されるべきものであることに鑑みれば、本件議事録を公開したとしてもNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるとは言い難い。
したがって、非公表を前提に行われた意思形成過程の情報であって、開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるとするNHKの見解は肯定できない」
◆「新聞報道、国会審議を通じ、視聴者・国民に強い関心を招くに至っており、NHKの公共性、透明性、経営委員会の議事の経過等に対して一部で疑念が呈され、視聴者に対する十分な説明責任を果たすことが求められている状況を勘案すると、むしろ議事録を速やかに開示することが、今後のNHK及び経営委員会の運営にとっても必要なことと言っても過言ではなかろう。NHK情報公開制度は、受信契約の強制を伴う受信料徴収が行われており、かつ、公共放送を担う機関であるというNHKの立場を踏まえて構築された独自のものである。本件文書の開示はその目的に適うものであろう」
◆「結論
再検討の求めの以下の対象文書は、いずれも(NHK情報公開規定)規定8条1項1号及び2号に該当するとは認められず、開示すべきである。」
【2回目の答申】
1回目の答申の内容にプラスして、
■全面開示の一回目の答申にたいし、経営委員会が出した議事の一部を書いた「文書は開示の求めの対象文書との同一性を失ったものである」
■「そもそも情報公開制度というのは、対象文書をありのままに見せることを当然の大前提としており、不開示事由がある場合には、全部又は一部を黒塗りするなどして当該求めに回答するものである。すなわち、公開制度の対象となる機関自らが対象文書に手を加えることは制度上予定されていないことであり、それは対象文書の改ざんというそしりを受けかねない危険をはらむものである」
■「開示すべきである」
■「付言」
「経営委員会が放送法に違反して個別のNHKの番組の制作に介入したのではないか・・・」
「議論の中身によっては第三者の眼を通した検証が必要である」
「本件開示の求めに対応されることを切に望むものである」
こうした答申を受けて、議事録開示を求めました。
森下氏は「答申を重く受け止めて、いま経営委で検討している最中だ」と答弁。
いまだに議事録をだしていない事態を正すために、放送法46条にもとづく監査委員の権限を行使して議事録公開を請求するよう求めました。
高橋正美監査委員は、「経営委の対応を注視してまいりたい」とのべるにとどまりました。
総務大臣には、会食問題も冒頭質問しました。