2月16日、衆議院本会議で、地方財政計画、地方交付税法案、地方税法案について質問に立ちました。
いろいろ届けたい声、質問したいことがありましたが、質問の時間は、たったの5分・・・。
日本共産党国会議員団を大きくして、質問時間ももっと増やしたいです。
質問の内容(大要)と答弁は、以下の通りです。どうぞよろしくお願いいたします。
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◆もとむら伸子
私は、日本共産党を代表して、地方財政計画ほか2法案について関係大臣に質問します。
冒頭、福島県沖を震源とする地震で被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。政府が被災者に寄り添った対策に全力をあげることを強く求めます。
はじめに、総務省官僚と衛星放送事業者の癒着問題です。
免許認定に係る複数の幹部官僚が、衛星放送事業者から繰り返し高額な接待を受けていた事実は重大です。接待側には、菅総理が総務大臣当時、自ら大臣秘書官に任命した長男が関与しています。官僚が忖度し、行政を歪めたモリ・カケ疑惑と同じ構図ではありませんか。
事実の徹底解明、真相究明をおこなうべきです。(総務大臣)
新型コロナは、これまでの地方の行財政の問題点と脆弱性を浮き彫りにしています。そのあり方を抜本的に見直すときです。
まず、公衆衛生体制です。全国の保健所数は、国の地方リストラによって、1992年の852カ所から2020年には469カ所へと、ほぼ半減に後退させられています。このことが、いま現場の疲弊を深刻にしている根本原因です。
政府は来年度、保健師の交付税措置を増額しますが、きわめて不十分です。早急に、保健所と保健師の数をもとの水準に戻すべきです。(厚生労働大臣)
また、地方衛生研究所の法的位置づけを明確にし、その役割を発揮させるべきです。地方財政措置についてもお答えください。(厚生労働大臣、総務大臣)
高齢者施設などでクラスターが多発し、命が喪われています。徹底したPCR検査の実施が必要です。
ところが、政府の「基本的対処方針」は、高齢者施設の検査等の対象を緊急事態宣言下の自治体に限定しています。対象地域を絞るのではなく、全国に広げるべきです。
社会的検査を実施する自治体が広がっています。問題は自治体の費用負担です。文字どおり全額国費で負担することを明言すべきです。(厚生労働大臣)
第2に、地域医療体制の構築にむけた転換です。
公立・公的病院は、救急医療、周産期医療など地域医療の中核です。コロナ対策でも、全国1,431の公立・公的病院のうち約8割の病院がコロナ患者の受け入れを表明しています。政府が再編統合・病床削減の対象とする436病院のうち少なくとも146の病院が患者を受け入れ、重要な役割を果たしています。
公立・公的病院の再編統合を推進する地域医療構想は撤回すべきです。(厚生労働大臣)
感染症や地震などの大災害を想定し、余裕ある病床の確保、医療スタッフの増員など地域医療の基盤強化こそ行うべきです。(厚生労働大臣)
また、コロナ患者の受け入れの有無にかかわらず、すべての医療機関について、減収を補う規模での支援が必要です。(厚生労働大臣)
加えて、国の責任として、へき地医療の維持、充実をはかるべきです。(厚生労働大臣、総務大臣)
第3に、地方財政の見直しが求められます。
地方が、毎年増加する社会保障関係の財源を、給与関係費や投資的経費の削減でねん出してきたことは、地方財政審議会も繰り返し指摘してきたことです。
社会保障関係費の自然増を地方財政計画に全額反映させるべきです。財源確保に対する国の責任を果たし、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げることを求めます。(総務大臣)
最後に、「デジタル庁」設置、自治体行政のデジタル化の問題です。
これらの推進による個人情報の集積、個人にとって不利益なデータの企業による利活用などの懸念は拭えません。
とりわけ、自治体の業務システムの統一・標準化が、自治体独自のサービスを抑制し、個人情報保護を後退させ、住民自治・団体自治の侵害にならないと言えますか。(総務大臣)
行政サービスの向上に必要なのは、オンライン申請手続きの押し付けではなく、対面サービスの向上です。デジタル化を自治体リストラの道具にしてはなりません。(総務大臣)
以上、質問を終わります。
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◆武田良太総務大臣
本村伸子議員から御質問をいただきました。
まず、総務省職員の国家公務員倫理規程違反の疑いがある事案について御質問をいただきました。
現在、総務省では、国家公務員倫理審査会に御指導をいただきつつ、徹底的に、可能な限り迅速に調査を行っているところであり、速やかに事実関係を確定し、しかるべき対応を行ってまいります。
なお、総務省においては、関係法令に基づいて、適切に業務執行を行っており、本事案により放送行政がゆがめられたということは全くありません。
次に、地方衛生研究所に係る地方財政措置について御質問をいただきました。
地方衛生研究所は、地域保健に関する科学的、技術的な中核機関として、今般の新型コロナウイルス感染症対応において重要な役割を果たしていますが、地方団体によって、保健所組織の一部として設置する場合と独立して設置する場合があるなど、その実態は様々であると承知をいたしております。
今後の地方衛生研究所に係る地方財政措置につきましては、まずは、所管省庁である厚生労働省において、地方衛生研究所の在り方などについて御検討いただくべきものと考えております。
次に、僻地医療の維持、充実について御質問をいただきました。
僻地医療の確保については、大変重要であると認識をいたしております。
このため、僻地診療所への応援医師、代診医師の派遣や僻地循環診療に要する経費などについて、地方交付税措置を講じているところであります。
今後とも、関係府省と連携し、僻地医療の確保に取り組んでまいります。
次に、地方財政計画と交付税率の引上げについて御質問を賜りました。
毎年度の地方財政計画の策定に当たっては、社会保障関係費の自然増などを踏まえ、標準的な行政サービスの提供に必要な経費を適切に計上し、安定的な財政運営に必要な財源を確保しております。
交付税率の引上げについては、国、地方とも厳しい財政状況にあることから、容易ではないものの、今後とも、交付税率の見直しなど制度的な対応の議論を行ってまいります。
次に、情報システムの標準化について御質問をいただきました。
地方公共団体の情報システムの標準化、共通化は、第三十二次地方制度調査会の答申において、住民基本台帳や税務など、法令等で多くの事務が定められており、創意工夫を発揮する余地が比較的小さく、標準化の必要性が高い事務に関しては、一定の拘束力がある手法で国が関わることが適当であると指摘をされております。
今国会に提出した地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案では、この答申を踏まえて、対象となる情報システムについて規定するとともに、標準化の推進のための基本方針や国による統一的な基準の策定に当たっては地方公共団体の意見を聞くこととする規定を盛り込んでおります。
このため、地方公共団体の創意工夫や地域の実情を踏まえた独自の取組については、引き続き実施可能であると考えております。
今後とも、関係府省とも連携し、地方公共団体の御意見を丁寧に伺いながら、標準化、共通化の取組を進めてまいります。
最後に、行政手続のオンライン化についての御質問をいただきました。
行政手続のオンライン化を始め、地方行政のデジタル化は、住民が迅速、正確に行政サービスを享受するために不可欠なものと考えております。
加えて、デジタル技術の活用等を進めることで、業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの向上につなげることが期待されるところであり、御懸念のような、自治体の人員削減を目的とするものではないと認識をいたしております。
将来にわたり地方自治体が持続可能な形で様々な行政需要に応えていくため、地方行政のデジタル化を含め、必要な取組を進めてまいります。
◆田村憲久厚生労働大臣
本村伸子議員から、七問御質問をいただきました。
まずは、保健所及び保健師の数についてのお尋ねにお答えいたします。
保健所については、各自治体の判断により、地域の実情を踏まえながら必要な体制の確保を行っていただいているところでありますが、市町村との役割分担の明確化やその機能強化を進める中で、結果として集約化が進んでいるものと承知をいたしております。
また、保健所における保健師については、十四、五年前と比べると増加傾向にありますが、本年一月に閣議決定された令和三年度地方財政計画において、保健所における感染症対応業務に従事する保健師を、今後二年間で約九百名増員し、現在の約一・五倍とするための措置を講ずることとされているところであります。
それと併せて、保健所の人員体制強化策として、都道府県単位での専門人材派遣の仕組みの活用、自治体間の職員の応援派遣の調整なども推進することにより、新型コロナウイルス感染症への対応について各保健所が必要な体制整備を行うことができるよう、引き続き支援してまいります。
地方衛生研究所の法的位置づけについてお尋ねがありました。
地方衛生研究所は、地域保健法に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針において、地域における科学的、技術的な中核機関として位置づけられ、調査研究や試験検査、公衆衛生情報等の収集、解析、提供の業務を担っております。
また、今般の新型コロナウイルス感染症対応においても、全国の地方衛生研究所に日々の検査や情報分析等で重要な役割を果たしていただいており、厚生労働省としても、設備整備や人員体制に対する財政支援を行うなど、体制の充実強化を図ってまいりました。
地方衛生研究所の組織そのものを法的に位置づけることについては、地方分権が進む中、法律により地方衛生研究所の設置を一律に求めるべきか、今般の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ、国と地方の感染症対策に係る役割分担の在り方が課題となる中で、政策上、地方衛生研究所にどのような機能を求めるかなど、整理すべき論点があり、今後、事態が収束し、検査体制等の検証をする中で、地方衛生研究所の位置づけについても幅広に検討してまいります。
高齢者施設等への検査と検査に係る費用負担についてお尋ねがありました。
重症化リスクの高い方々のいる施設に対して重点的に検査を実施し、重症者の発生を可能な限り食い止め、国民の命を守ることが極めて重要であります。
このため、全都道府県の感染拡大地域では、重症化リスクの高い方々のいる施設に対し重点的な検査を引き続き実施するとともに、特に、現在緊急事態宣言の対象区域となっている十都府県には、高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を早急に策定し、三月までに実施していただくことといたしております。
こうした高齢者施設等への検査も含め、感染症の蔓延防止の観点から行われる行政検査については、実質的に国の負担で実施できることとしております。
引き続き、地方自治体とも連携しながら、検査体制の整備を図るとともに、必要な検査を実施してまいります。
地域医療構想についてのお尋ねがありました。
今回の新型コロナウイルス感染症対応では、公立・公的医療機関を始め多くの医療機関において、感染症患者の受入れや疑い患者への対応、一般の患者への対応など、地域の医療提供体制の確保に重要な役割を果たしていただいていると承知をいたしております。
高齢者が急増する二〇二五年、また、更なる高齢化の進展と現役世代急減による労働力の制約が強まる二〇四〇年を見据えつつ、今般のような事態に機動的に対応できるよう備えるためには、各地域において、それぞれの実情を踏まえながら、病床の機能分化、連携を進めていくことが重要と考えています。
現在、医療関係者や自治体の皆様が新型コロナウイルス感染症対応に全力を尽くしていただいているということに十分に配慮しつつ、今後とも地域において質が高く効率的な医療提供体制が構築されるよう、地域医療構想の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
地域医療の基盤強化についてお尋ねがありました。
今後の人口構造の変化を見据え、質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築するとともに、今般の新型コロナウイルス感染症のような新興感染症等の感染拡大時や大規模な災害発生時において機動的に対応できるよう、あらかじめ準備を進めておく観点から、地域の医療機関における役割分担、連携の強化、弾力的な対応を可能とする医療資源の配置などの取組を進めることが必要と認識いたしております。
このため、今後、新興感染症等の感染拡大時に、必要な医療体制を機動的に確保できるよう、医療計画の記載事項に新興感染症等の対応を追加するための医療法改正法案を今国会に提出するとともに、中長期的な観点から、地域医療構想や医師偏在対策等を一体的に進めることといたしております。
今後とも、都道府県等と緊密に連携しながら、平時、有事のいずれにも弾力的に対応可能な医療提供体制の確保に向けて、必要な対応を進めてまいります。
医療機関に対する支援についてお尋ねがありました。
地域の医療提供体制を維持、確保するための取組、支援を進めていくことが重要と考えております。
このため、政府としては、感染症対策の徹底を促しつつ、地域医療を継続できるよう、これまでも、発熱患者等を対象とした外来体制を取る医療機関への補助や、感染拡大防止等に対する補助など、新型コロナ患者を受け入れていない医療機関も含め、三・二兆円の医療機関支援の予算を措置しております。 また、第三次補正予算では一・四兆円を追加計上し、全ての医療機関等に対する感染拡大防止等の補助や、小児科等に対する支援や新型コロナからの回復患者の転院支援に係る診療報酬上の特例措置等を実施しているところであります。
このほか、令和三年度予算案における診療報酬上の特例的な対応として、医療機関において行われる感染症対策を評価し、外来診療、入院診療等の際に、令和三年九月までの間、一定の加算を算定できることといたしております。
これらにより、国民の皆様に必要な地域医療が確保できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
最後に、僻地医療についてお尋ねがありました。
僻地において、必要な医療提供体制を確保することは重要であり、その確保に当たっては、都道府県が、地域の実情を踏まえながら医療計画を策定し、同計画に基づき各種施策を行っているところであります。 厚生労働省といたしましても、僻地の医療を担う僻地診療所や地域の中核病院として僻地に医師派遣等を行う僻地医療拠点病院の整備、運営に対する支援等を行っているところであり、都道府県等とも連携しながら、引き続き、僻地医療の確保に向けた取組を行ってまいります。 以上でございます。