11月26日、衆議院憲法審査会が開かれ、赤嶺政賢衆議院議員が国民投票法案に関わる質疑、私は自由討論で発言しました。
衆院憲法審査会で初めて、改憲の手続きを定める国民投票法改定案の実質審議がされるというなかで、「強引な採決は許さない」と多くの市民の皆様が傍聴に駆けつけました。
名古屋学院大学の飯島滋明教授のお姿も。
赤嶺議員は質疑で、維新の馬場氏が法案審議に先立つ自由討議で、「審査会を動かすべきではない」という共産党の主張は国会法に反するなどと述べたことに反論。1922年の党創立以来、戦争中の弾圧のもとでも、戦争反対、国民主権、基本的人権の尊重の旗を掲げてきた精神は、日本国憲法に生きていると述べ、「国民から改憲を求める声がない以上、改憲作業を任務に持つ審査会を動かすべきでないというのがわが党の基本的立場だ」「与野党合意で動かすのは審査会のルールだ」と主張しました。
私の発言内容の大要は以下の通りです。改憲を許さないために引き続き力を合わせていきましょう‼️
◆もとむら発言内容
今日は、国民投票法をめぐる諸問題がテーマということで、現行の国民投票法がどういう状況でつくられたのか、改めて議事録を読み返してみました。
改憲手続きの国民投票法が国会に提出されたのは2006年です。
当初、自民党の提案者は、憲法改正と国民投票法の審議は別だと繰り返し答弁しました。
ところが、安倍首相は、法案審議のさなか2007年の年頭所感で「国民投票法を憲法改正の契機としたい」と述べ、施政方針演説でも「国民投票法の成立に強く期待する」と表明し、国会の議論に介入しました。首相の意向を受けて、与党幹部も「5月3日までに成立を」などと強調し、多くの国民や識者が法案の不備を指摘し、徹底した審議を求める中、4月12日に衆議院の特別委員会で強行採決したという経過があります。
その結果、現行法は多くの問題が取り残されたままの欠陥法となっています。
現行法は最低投票率を規定しておらず、有効投票数の過半数の賛成票で改正できるとしています。有権者の2割台、1割台の賛成でも改憲案が通ってしまいます。
また、公務員や教員の自由な意見表明や国民投票運動を不当に制限していることや、改憲案の広報や広告の仕組みが改憲推進側に有利なものになっていることも大問題です。
国の最高法規である憲法についての国民による直接投票の制度として欠陥だらけです。
いま与党が提出している公選法並びの7項目の国民投票法改定案について、与党は投票環境の整備と言いますが、持ち出された経過が問題です。
2017年5月3日に安倍首相が2020年と期限を区切って9条などの改憲を提起し、そのもとで自民党は改憲4項目案を取りまとめました。そして、この4項目案を審査会に持ち込み、各党協議で改憲案づくりをすすめるため、審査会を動かそうとしました。安倍首相が主導する改憲に野党が反対するなかで、与党は2018年に突如、この7項目の改定案を持ち出してきたのです。
安倍改憲の「呼び水」にしようとしたことは明らかです。
与党から、7項目案について「速やかに」との発言がありましたが、現行法の根本的な欠陥を放置することは許されません。
国民投票法と言うのであれば、10年以上指摘され続けてきた欠陥の是正を議論することが、経過を踏まえた、筋だと思います。
いま、憲法で必要なことは、改憲の議論ではなく、憲法原則に照らして、それに反する現実を正す議論を予算委員会、各常任委員会でやることだと思います。
菅首相による日本学術会議への人事介入は、「学問の自由」を侵害し、精神的自由を脅かす問題です。違憲、違法の任命拒否は撤回するべきです。
「桜を見る会」は、安倍首相が、税金を使った政府の公式行事を自らの地元後援会の人々の接待に私物化したという問題です。そのうえ、「桜を見る会」前夜祭の費用について、5年間で総額800万円以上を安倍氏の政治資金から補てんしていたと報道されています。事実であれば、地元有権者への寄附行為を禁止した公職選挙法に違反し、政治資金規正法に違反する犯罪行為です。
しかも、安倍首相は、「すべての費用は参加者の自己負担」とか「事務所や後援会の収支は一切ない」と虚偽答弁を行い、1年にわたって国会、国民をだまし続けてきたのです。民主主義を土台から壊す大問題です。
この問題の真相究明を今、国会がやらなければなりません。
最後に、全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大が過去最多の水準となっている今、新型コロナから命とくらし、営業、尊厳を守ることを最優先にすることが政治の責任であることを申し上げ、発言を終わります。