もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【国会質問レポート】不透明なマイナンバーカードの契約 マイナンバーカードのごり押しやめよ!

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【国会質問レポート】不透明なマイナンバーカードの契約 マイナンバーカードのごり押しやめよ!
  11月12日、衆議院総務委員会で、マイナンバーカードにかかわる問題を質問しました。
①個人情報流出事件があいつぐマイナンバー、マイナンバーカード
②不透明なマイナンバーカード製造の契約(NTTコミュニケーションズと凸版印刷のみ・・・)
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◆マイナンバーの個人情報漏えい
220万人の個人情報を勝手に再委託
3万3490人分の個人情報が入ったUSB噴出など
5年間で1118件
◆政府の調査でも、
マイナンバーカードを「今後も取得する予定はない」は53%
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まず、政府が推進しているマイナンバー、マイナンバーカードについて、個人情報の流出、個人情報の集中、監視社会につながるのではないかという懸念があるが、マイナンバーの個人情報流出事件について、まず個人情報保護委員会に実態を質問しました。
三原祥二個人情報保護委員会事務局次長は、「個人情報保護委員会は、行政機関等や事業者において特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合には報告を受け付けることとなっております。マイナンバーの漏えい事案等の報告といたしましては、平成27年度83件、平成28年度165件、平成29年度374件、平成30年度279件、令和元年度217件、合計1118件の報告を受け付けております。」と答えました。
重大な漏えい事件については、直近の漏えい報告が一番多く、220万人の個人情報が勝手に再委託された問題や3万3490人分の個人情報が入ったUSBがなくなってしまったり、ずさんな管理が行われている中で、個人情報の流出の問題について多くの皆様が心配されるのは当然です。
マイナンバーカードについても、他人がマイナンバーカードを取得する事件、カードの偽造も起きています。
政府の調査でも、マイナンバーカードを「今後も取得する予定はない」は53%となっています
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マイナンバーカード
5000万枚以上も過剰発注
1枚の単価は公表せず
総務大臣「運用の改善がなされないか検討させていきたい」
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地方公共団体情報システム機構(J―LIS)のマイナンバーカードの発注
◆全く個人情報が入っていないカード 
 8500万枚発注
このうちJ―LISに納入されたICカード
 6410万枚
このうち市区町村に送付したカード 
 3289万1014枚
◆実際に個人に交付されているカード 
 2818万6424枚
(2020年11月9日時点)
ということも明らかになり、申請があり、市町村に送付されたカードと発注の枚数の差によって、5000万枚以上も過剰に発注されていることも明らかになりました。
さらに、個人情報が入っていない白地のカード、個人情報が入っているカード、それぞれ1枚当たり単価を質問すると、
総務省自治行政局長は「J―LISにおきましてICカードの一枚当たりの調達価格を公開した場合、次回以降の調達においては、当該価格に提示された必要枚数を乗じることで事業者側が予定価格を容易に類推できることとなり、競争性が働かない可能性もあることから、現時点において、一枚当たりの調達価格を非公開にしているというふうに聞いております。しかしながら、この運用につきましては改善の余地があるのではないかと考えておりまして、改めてJ―LISに検討させ、適切に対応してまいります。」との答弁がありました。
あらためて総務大臣に単価については情報公開させるよう求めました。
武田良太総務大臣は、「一枚当たりの調達価格を現在のところ非公開とさせていただいているようでありますけれども、こうしたことについても運用の改善がなされないか検討させていきたい」と答弁しました。
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2015年度から2020年度までJ―LISが締結したマイナンバーカード関係の契約
2020年11月9日時点で83件
そのうちNTTコミュニケーションズとの契約が53件、63.9%
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上記のように、マイナンバーカード関係の契約は、かなりNTTコミュニケーションズが独占している状況だということも質問のなかで明らかになりました。
ただし、NTTコミュニケーションズが受注した総額を質問したのに、総額の答弁はなし。
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2019年6月24日の契約 契約金額の情報公開なし
(調達A)2000万枚
NTTコミュニケーションズだけが入札に参加、不調を繰り返し、結局、随意契約
(調達B)2000万枚
凸版印刷だけが入札に参加し、不調を繰り返し、結局、随意契約
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私は、「マイナンバーカードの製造については、NTTコミュニケーションズと凸版印刷、二社で交互にとっているのではないか。開札調書ももらったが、黒塗りの部分が多くてわからない」と指摘。
さらに2019年6月24日の4000万枚の発注、契約の過程がおかしいと指摘し、理由を質しました。
武田良太総務大臣は、「2019年6月24四日にJ―LISが実施しました個人番号カード用ICカード製造業務等における一般競争入札につきましては、従来の数百万枚規模の調達事業に比べ、数千万枚規模の調達事業となったため、事業者におきまして新たな設備投資や体制強化が必要との判断となり、事業者側の入札価格が予定価格を上回る結果となったため、不調となったものと聞いております。
御指摘の、落札に至らなかった事業者名につきましては、資料提供時点で事業者の同意が得られなかったため、非開示の状態で提供したと伺っておりますけれども、J―LISにおいて、改めて事業者名を公開できるよう準備をしていると承知をしておりまして、今後、同様の事例についても公開できますよう、適切に指導してまいりたいと思います。」と答弁しました。
私は、「地方公共団体情報システム機構、J―LISの情報公開とか情報管理というのは、かなりずさん。マイナンバーカードにかかわる契約実績の資料をいただき、これがおかしいと指摘すると、これがありましたというふうに次々出てくるような状況。今日も、2019年度の契約、2019年度は15件ですよと言われていたのに、きょうになって、やはり26件でしたと急に契約の件数も変わって、契約金額全体も変わりまして、全部、NTTコミュニケーションズにかかわるものが隠されていた、御報告いただけなかった。ぜひ情報公開をしていただきたいというふうに思いますし、こういうずさんなあり方についても、やはり是正をしなければいけない」と総務大臣に質問しました。
武田良太総務大臣は、「J―LISにおいては、地方公共団体によりその事務を共同して運営するために設立された組織の性格や業務の内容を踏まえ、国の行政機関情報公開法の趣旨にのっとり、定款や情報公開規程に基づき情報公開制度を運用していると承知をしております。
個々具体の公開請求の事案については、地方公共団体が共同して運営する組織として、まずはJ―LISにおいて適切に判断し、情報公開に努めていただきたいと考えております。」との答弁にとどまりました。
国民、住民の皆様の大切な個人情報を扱う機関がこんなずさんな状況でいいはずがありません。
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マイナポイント事業 電通がらみの重層的下請け構造など調査を
武田総務大臣「(中間検査で)委託関係や委託金額などについても調査を行っている」
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事務局の事業の入札に参加したのは、電通、凸版印刷などが入る「環境共創イニシアチブ」だけ。
総務省

「環境共創イニシアチブ」(電通、凸版印刷などが入る)
約350億円 マイナポイント事務局の補助金ということで受託

電通

電通ライブ

おそらくさらに下請けあり
重層的な下請構造がある中で、中抜きがあるんじゃないか、本当に現場で働いている人たちがしっかりと賃金を払われているか、下請け単価もちゃんと払われているのか。
「総務省もこのマイナポイント事務にかかわるお金の流れ、第三者の調査、検査をするべき」と質問。
武田総務大臣は、「当事業が適正に執行されますよう、決済事業者に対する審査登録業務が完了した本年七月末までの経費支出状況について、中間検査を行っているところ。中間検査では、公認会計士にも加わっていただき、委託関係や委託金額などについても調査を行っております。
中間検査の結果を今後の事業執行に反映させるとともに、事業完了後の確定検査において改めて事業全体の執行状況を確認して補助金額を確定することとしており、マイナポイント事業の適正な執行を確保してまいりたい」と答弁しました。
どこまで重層下請け構造を明らかにできるのかが今後の報告書に注目していきたいと思います。
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マイナンバーカード ごり押しやめよ!
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最後に、私は、「大臣は、もっとマイナンバーカードを普及しようということで地方自治体に対して書簡も送られている。各自治体に対して、毎月何枚普及が必要ですよというようなノルマを示すような資料も出して、自治体を動かそうとしている。
新型コロナで、今、命とか暮らしとか営業を守ることにこそ自治体は力を発揮しなければいけないとき。マイナンバーカードを普及するために人や予算を振り向けていくというのは、やはりおかしい。国民・住民の皆さん、今後も取得する予定はないと半数以上の方がお答えになっている中で、2000億円以上もマイナポイントに使う。こういうごり押しはやめるべきだ」と強調しました。

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