空中給油・輸送機のエンジン不具合、緊急着陸
小牧基地周辺自治体・住民の皆様には一切説明もしない住民軽視は許せません!
航空自衛隊小牧基地所属のKC130空中給油・輸送機が10月16日、入間基地から那覇基地に部品を輸送している途中でエンジン系統の不具合が生じて緊急着陸する事件がありました。10月19日20時40分ごろ、小牧基地に帰ってきたようですが、小牧基地周辺自治体、住民の皆様には何も報告、説明もないままです。
10月20日、防衛装備庁にたいし、以下の3点を要求しました。
①あらためて、今回の件で、小牧基地関係自治体、住民の皆様への報告、原因、再発防止策の説明を行うこと。
②トラブルがあったら、どんなこともすぐに小牧基地関係自治体、住民の皆様への報告、原因、再発防止策の説明をし、住民の皆様の要望があれば、説明会も行うこと。
③同じ部品を使う機体の総点検を行い、再発を防止すること。
防衛装備庁からは、「お話は部内で共有したい」との回答でした。
10月20日には、小牧市議会議長から小牧基地司令にたいし、以下の「申入書」が提出されています。
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申入書
入間基地から那覇基地に向かっていた、貴基地所属のKC-130Hが第一エンジンに異常を認めたため、10月16日午後4時ごろ那覇空港に緊急着陸したとの報道発表を確認した。
現在まで被害の状況は得ていないが、貴基地所属のKC―130Hにおいては、過去にもエンジントラブルによる緊急着陸や部品落下事案を起こしており、誠に遺憾である。
これまでも再三に亘り、申し入れを行ってきたとおり、県営名古屋空港周辺地に対する不安を一層増大させるものである。
よって、今回の原因を徹底究明し、機体機材の整備点検をより一層徹底され、事故防止対策に万全を期すことを強く求める。
また、今回のように貴基地所属機によるトラブルが、小牧基地以外で発生した事案においても、速やかに報告されるよう重ねて要望する。
令和2年10月20日
航空自衛隊小牧基地
基地司令 佐藤網夫様
小牧市議会議長
舟橋秀和
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10月20日の防衛装備庁とのやりとりの概要メモは以下の通りです。
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KC130空中給油・輸送機のエンジントラブル、
那覇空港への緊急着陸について防衛装備庁からの聞き取りメモ
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◆2020年10月20日(火)10:00~@国会・本村事務所
◆防衛装備庁プロジェクト管理部からの聞き取り
【報告概要】
◆別紙の資料に基づいて説明があった。これは10月20日にプレスリリースしたものではなく、レクのためにつくった資料。
◆10月16日(金)15:55頃、輸送任務中の航空自衛隊航空支援集団第1輸送航空隊(小牧基地所属)KC-130輸送機が、エンジン系統の不具合により、那覇基地に着陸した際、15分程度滑走路を封鎖する事案が発生。本件による民間航空機の遅れ等、部外への影響は発生していない。
◆エンジン系統の不具合が、コックピットのエンジン表示板で異常が確認された。「エマージェンシー(緊急事態)」といって緊急着陸。構成部品の不具合だった。
◆Q:構成部品の不具合とは何か?
→A:エンジンを動かすための部品の一部(当たり前の回答・・・)
◆Q:小牧→入間→那覇→小牧の離着陸の時間は?
→A:確認してあとで報告する。那覇は、15時55分ごろ不具合が発生して、着陸は16時ごろだったと思う。10月19日18時ごろ那覇を出発して同日20時40分ごろ小牧基地に帰った。
◆Q:もともとどういう任務だったのか?
→A:入間に部品をとりに行き、那覇に運ぶ任務。定期便もあるが、今回は必要に応じて運ぶ任務だった。武器・ミサイル含む弾薬は運んでいない。
◆Q:「部品」とはどういう概念か?
→A:防衛装備品で、例えば、F15、E2C早期警戒機、地上レーダーなどの部品。航空機と一体のものであれば「部品」という。(武器・弾薬でも一体のものであれば「部品」というそうです。)今回、具体的に何を運んでいたかは、どこまで行っていいのか確認する。
◆Q:小牧基地関係自治体に原因、再発防止など説明はしたのか?
→A:小牧基地関係自治体には報告も説明もしていない。那覇空港で起きたことなので、16日16時半ごろまでには沖縄県、那覇市、豊見城市、糸満市に報告した。
◆Q:小牧基地所属の機体で、小牧基地に帰ってくる機体なので、関係自治体に報告するのは当たり前ではないか。
→A:報告する事案についてメルクマールがある。
◇部外者に影響を及ぼしたかどうか。影響の程度の大きさの観点。
◇部隊運用上の保全の観点。自衛隊機の小さいトラブルまで逐一報告はしていない。逐一部具合を報告することは、周辺国が脆弱と判断するということが生じてくる。
◆Q:今回はプレスリリースなどするのか。
→A:15分程度の滑走路閉鎖で、民間機の離発着などに影響はなかったので、行わない。
◆Q:那覇空港の管制は国交省で、国交省などにも影響を及ぼしているではないか。
→A:民間機が降りられないなどそうした影響はありませんでしたから。
◆Q:そのような理屈なら、民間航空機が那覇空港よりもこない県営名古屋空港で、トラブルがあっても、民間機等に影響がなければ報告されないということになるではないか。
→A:逐一部具合を報告することは、周辺国が脆弱と判断するということが生じてくる。
◆Q:10月1日、小牧基地所属KC767の部品脱落紛失についてはどうなのか?
→A:落下した場合は、住民の方々のところに落ちてくる話ですから公表している。
◆Q:今回、報告、説明もなかったことに小牧基地周辺自治体の皆さんが怒っている。小牧基地関係自治体の皆さんは、部品の落下が相次ぎ、過去には墜落もあった。だからこそ、少なくともすぐに報告、原因、再発防止策の説明を求めている。
→A:ご意見は部内で共有したいと思います。
◆Q:今回のKC130空中給油・輸送機と同じ機体、同じ部品をつかった機体の総点検をやるべき。
→A:KC130空中給油・輸送機は、小牧基地に4機配備されている。こういう事案があった場合、通常そうしているが、残りの3機については、飛ぶ前と飛んだあとに点検、整備する。C130輸送機も同じ部品があるので、同じように飛ぶ前と飛んだあとに点検、整備する。
◆Q:今回は、整備で見逃したのか?
→A:整備で見逃したというより飛んでいるうちに不具合は起きる。ハイテク故にあり得る。
◆Q:①あらためて、今回の件で、小牧基地関係自治体、住民の皆様への報告、原因、再発防止策の説明を求めます。
②トラブルがあったら、どんなこともすぐに小牧基地関係自治体、住民の皆様への報告、原因、再発防止策の説明をし、住民の皆様の要望があれば、説明会も行うべき。
③機体の総点検も行うべき。
→A:お話は部内で共有したいと思います。
以上