11月19日、人口減少地域の雇用の問題について質問しました。
議員立法で、特定地域づくり事業推進法案が出され、その質問です。
人口急減地域で安定した雇用を確保するには、農林水産業など地域に根差した産業に、所得補償など抜本的な支援を行うことが必要です。
この法案は、そうした支援が不十分なまま、地域の事業者が共同で行う派遣事業に補助金をつけるものです。
補助金の使途も限定されておらず、労働者の待遇改善につながる保障はありませんし、そもそも派遣先で直接雇用されていた労働者が、派遣に置き替えられる危険性があります。
中間搾取の制限も法案のなかにありません。
派遣先は、仕事がなくなれば、あるいは人が気に入らないということになれば、いつでも受入れをやめることができ、公的補助があっても、直ちに労働者の仕事や安定的な収入が確保されるとは限りません。真の地域振興と労働者保護の観点から法案に反対しました。
自民党の提案者に、地方を疲弊させてきたこれまでの政治の責任について質しました。
政府は、ここ20年ほどの間に、三位一体改革による地方交付税の削減、そして、特に人口10万人未満の小規模自治体への財源保障を切り縮める段階補正の見直しなど、自治体、地域から力を奪い、兵糧攻めを行ってきました。
自治体合併など迫られ、広域化、あるいは支所が廃止され、身近な公務で働く方々も数が減り、自治体と住民の皆様の距離が遠くなってしまいました。
最近の日弁連の調査で、合併しなかった町村よりも、合併した町村の方が人口が減ってしまったという結果が出ています。国の誘導の弊害です。
さらに、農林水産予算を減らし、第一次産業を軽視してきたことも人口減少を招いた大問題です。
国の予算の一般歳出に占める農林水産予算の割合は、2005年の6.2%から、2019年には3.9%に低下をしています。十数年前の水準に戻せば、農林水産予算を約一兆円以上は増額できるレベル。そこまで農林水産予算を減らし続けてきたことが、地域を疲弊させ、食料自給率の低下を招いています。
そして、現在もなお、へき地医療を担う公立病院への地方交付税、特別交付税を削減しています。 こうした政策が、地方を疲弊させ、そして地域で暮らせない状況に追い込む政策を進めてきた政府・自民党の責任への認識を問いました。
提案者の細田議員(自民党)は、三位一体改革を合理化するような答弁をし、人口急減の原因は、産業構造の変化だと述べました。
そして、「林業も、木材市況の低迷によって林業が成り立たなくなってくる。米の値段も、当時は、数十年前までは一定の価格で、まあまあ暮らせる水準でありましたが、今や、米を一ヘクタールで耕しても百万円しか収入がないというふうに、農業の面でも大変に所得が減っておる。」と他人事のように答弁しました。
林業や農業で食べていけないような状況をつくってきたのは、長年の自民党政治です。
その責任を問うているのに・・・・
私は、愛知でも岐阜でも、へき地医療を担う公立病院への地方交付税、特別交付税を減らし、ベットがなくなり、診療所化してきており、地域で住めなくなるような政策はやめるように強く求めました。
また、ちょうどこの日に、国内農産物の生産額が最大1100億円減少するという日米貿易協定を衆議院本会議で強行したことなど、地域から仕事を奪う政策を根本的に反省し、転換していくことこそ必要と述べました。