「豊川海軍工廠跡地の保存を!」名古屋大学へ申し入れ
―豊川市議団と
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日本共産党の豊川市議団は2月7日、名古屋大学の松尾清一総長へ「豊川海軍工廠跡地の保存を求める要請」を行いました。
佐藤郁恵豊川市議、安間寛子豊川市議が参加し、本村伸子衆議院議員が同席しました。
名古屋大学の藤田常財務部長、岡部衛財務部経理・資産管理課長はじめ3人が対応しました。
要請では、豊川海軍工廠跡地の売却方針を白紙に戻すこと、少なくとも売却時期を延期し、ご遺族や住民の皆様を含め社会にたいし、情報公開と丁寧な説明を行い、話し合いの場を持つこと、文化庁や関係自治体と協力しながら、平和遺跡として残すための検討をすすめることを申し入れました。
岡部財務部長は、会計検査院や財務省から土地の有効活用の方針のもとで、豊川市と当該土地の扱いを話し合うなかで、平和公園にする3haを豊川市に売却し、のこりの6.5haも豊川市で有効活用することになり、2018年9月に覚書を結んだ経過を述べました。
豊川市議団からは、「2005年から国の史跡指定になれば、土地の購入費の8割を国が補助することなど議会で質問し、そういう可能性があることは議論してきた。その後、市長が変わる中で、昨年『豊川海軍工廠平和公園』が開園。しかし同時に、海軍工廠の遺構を潰し、更地にして工場用地として売却する計画を、豊川市土地開発公社が決定し強行。地元の商工会議所にも相談もなく、今までにないやり方で豊川市は売却しようとしている問題もある」「豊川市土地開発公社に売却するという方法で、豊川市議会に議案としてあがらず、議論は十分されていない。愛知県も史跡としてA判定している貴重な場所。十分話し合う猶予を与えてほしい」など伝えました。
本村議員は、「文化庁からの聞きとりでは、豊川海軍工廠跡は、第二次世界大戦のことがわかる重要な史跡で、文化財としての価値が高いものと評価していること、今の豊川市『豊川海軍工廠平和公園』の広さだけでは国の史跡としての指定はできないものの、名古屋大学が所有している部分を含めれば、国の史跡として指定ができるほどの価値が高いと表明された。文部科学省からは、社会教育の場として位置付ければ、不要な資産と考えないことも確認している。跡地の価値を共有していただき、残す方向に変えてほしい」と訴えました。
名古屋大学側からは、来年度中の売却を考えていること、名古屋大学としては、「産業」などに土地の使途は限定していないこと、売却した財源で名古屋大学と岐阜大学の統合のための新しい建物を建てるという話は何も決まっていないことなどが述べられました。
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名古屋大学
総長 松尾清一様
2019年2月7日
日本共産党豊川市会議員団
豊川市議 佐藤郁恵
豊川市議 安間寛子
豊川海軍工廠跡地の保存を求める要請書
日ごろから「創造的な研究活動によって真理を探究し、世界屈指の知的成果を産み出す」、「自発性を重視する教育実践によって、論理的思考力と想像力に富んだ勇気ある知識人を育てる」という目標を高く掲げ、日々努力を重ねておられることに心からの敬意と感謝を申し上げます。
さて、貴校の資産売却に係る計画のうち、売却対象となっている不動産のなかに「豊川団地(宇宙地球環境研究所・豊川分室)」があります。
その「豊川団地(宇宙地球環境研究所・豊川分室)」の土地には、豊川海軍工廠跡が残っています。
豊川海軍工廠は、ご存知の通り、海軍の航空機や艦船などが装備する機銃とその弾丸の大量消耗を賄うため、1939年12月15日につくられ、その後、規模を拡大し、巨大兵器工場となりました。
終戦間際の1945年8月7日のアメリカ軍B29爆撃機による大空襲では、2500人以上の方々が亡くなられた悲しい歴史が刻まれた場所でもあります。
名古屋大学の土地には、空襲による被害を免れた建物や防空壕群などが、戦後70年以上が経過した現在も残り、軍需工場の戦争遺跡として大変貴重な場所となっています。
私たちの文化庁からの聞きとりでは、貴校所有の土地にある豊川海軍工廠跡は、第二次世界大戦のことがわかる重要な史跡で、文化財としての価値が高いものと評価していること、今の豊川市「豊川海軍工廠平和公園」の広さだけでは国の史跡としての指定はできないものの、名古屋大学が所有している部分を含めれば、国の史跡として指定ができるほどの価値が高いものと認識していることが表明されました。
加害と被害のことを知ることができる戦争遺跡として、70年以上も残り、価値が高いと文化庁も認めている豊川海軍工廠跡地を保存し、戦争のことを風化させないために活用することを強く求め、以下の要請をいたします。
記
1、 豊川海軍工廠跡地の売却方針を白紙に戻すこと。
2、 少なくとも売却時期を延期し、ご遺族や住民の皆様を含め社会にたいし、
情報公開と丁寧な説明を行い、話し合いの場をもつこと。
3、 文化庁や関係自治体と協力しながら、平和遺跡として残すための検討をすすめること。
以上