11月9日、島津ゆきひろ衆議院議員とともに、静岡県の石川タクシー富士宮における会社不当解散、不当解雇事件のことを解雇された当事者の方々、自交総連の方々、弁護団の方々からお話を伺いました。
2010年2月8日、石川タクシー富士宮という会社が、事前に働く人たちに何も知らされることなく、突然、労働組合事務所を除く会社の敷地をバリケードで封鎖し、従業員の私物を放り出し、解散を告げる貼紙一枚が門扉にあるだけでなくなりました。
働いていたAさんは、 「昨日まで普通に仕事をしていたのに、何の説明も前触れもなく、このような状態になっている会社を見て、何が起きたのかわからずぼう然としてしまいました」と語っています。
石川タクシー富士宮は、写真にあるように富士急行株式会社の傘下の「富士急の」タクシーでした。すべての役員は富士急行からの出向という静岡ホールディングという上部会社が石川タクシー富士宮の株式を100%もっています。同じエリアでタクシー営業をやっている石川タクシー富士の株式も100%静岡ホールディングがもっています。
石川タクシー富士宮と石川タクシー富士の役員は、富士急行からの出向です。
石川タクシー富士宮の解散を決めた取締役会なども山梨の富士急行本社で開催されました。
石川タクシー富士宮は、なぜ赤字になったのでしょうか?
それは上部会社の静岡ホールディングに、多額の業務委託費、経営助言料を払っていたからです。
そして、その静岡ホールディングは、経営指導料といって富士急行に上納金を納めていました。
こうした上納金さえなければ、石川タクシー富士宮は、赤字にならず、黒字経営でした。
一方、石川タクシー富士宮には、労働組合がありました。労働基準監督署や簡易裁判所に法律にもとづく割増賃金を会社が支払っていない問題を訴えたり、法令で禁止された累進歩合制度を是正させるなど、違法状態を改善させようと奮闘してきました。無理な賃上げ要求などは決してしておりませんでした。
しかし、モノをいう労働組合が会社側が疎ましかったのか、モノをいう労働組合をつぶすような形で会社の不当解散をおこなったのです。
その後、石川タクシー富士がそのエリアで営業しています。
タクシー会社は、公共交通を担うもので、一夜にして勝手に会社を解散していいものではありません。夜中に女性を乗せることもあり、女性の立場から考えると高いモラルがなければならないものだと考えます。
また、タクシー労働者の低い労働条件が社会問題になり、国も改善を図ろうとしているなかで、高い上納金を納めることで、タクシー労働者の労働条件が悪くなる、というか会社解散に追い込まれるということがあってはなりません。
お話を伺いながら、問題点が鮮明になり、国土交通委員会でもぜひ取り上げていきたいと思っています。
皆様、わざわざ国会まで来ていただき、本当にありがとうございました<(_ _)>