10月2日、国土交通委員会所管でもある海上保安庁の巡視船「なつぐも」に乗船し、対馬海域における海上保安業務の一端をみせていただきました。
韓国漁船が、日韓漁業協定できめた境界線(EZライン)をこえて(日本の領海線まで入ってきているわけではありません)、日本側の良質な漁場に来るケースもそんなにあるわけではありませんが、あるそうで、無許可操業の場合は、その韓国漁船をその漁船にのりこんで検挙するケースもあります。
最近の韓国漁船の検挙事例は、
?2013年10月 韓国いか釣り漁船「サムジョン号」立ち入り検査忌避事件
?2014年2月 韓国小型底引き漁船「チャンデ号」無許可操業事件
?2014年7月 韓国大型底引き漁船「第一テヨン号」立ち入り検査拒否、無許可操業事件
?2014年12月韓国いか釣り漁船「テーギル号」立ち入り検査忌避事件
集団密航事件もあるそうです。直近では、2013年5月11日、韓国人8名(不法出国企図)をむらくもが対応した事件。
朝鮮半島の不安定化は、こうした密航なども増えることにもつながっていくことになります。朝鮮半島の安定化は、日本にとても重要なことです。
軍事では、いっそう混乱をもたらすことにつながります。
平和・安定の北東アジアを築くこと、外交にもっと力を注がなければならないことを痛感します。
海上保安庁は、自衛隊のような組織ではなく、基本的に海の警察の役割をになっています。
私たちが乗船した「なつぐも」は、前日、海が荒れたためにゴミが水を吸い込むところに詰まってしまい、2つのエンジンのうち、1つを止めざるを得なくなりました。
1つをとめて運航したため、スピードがでず、目的地までは行くことができませんでした。日常では、こうしたトラブルがあった場合は、すぐに港に帰って応急処置をとるそうですが、今回は、そういうことができず、1つのエンジンで運航となりました。
現場の職員の皆さんのご苦労は、本当に大変だと思います。
海上保安庁の職員の方は、1つの船に9人の乗務員がのっていますが、検挙するときには、その人数では厳しい面があることや、新しい船をつくるとその分に予算が回され、通常のメンテナンスの予算が厳しくなることなど語っていました。
対馬は、もともと1つのつながった島でしたが、旧海軍が1899年(明治32年)に延長約500m、幅員約25m、水深約-3.0mに開削し、万関がつくられました。その近くまでいきました。
旧海軍の万関にロマンを抱く方もいたようですが、一方で対馬には、日本海海戦100周年を記念し、2005年に建設された日露友好の丘というレリーフもあります。日本とロシアの戦いで日本が勝利した後、負傷したロシアの水兵たちを井戸に案内し、夜は民家に分宿させるなど、敵味方を関係なく手厚く看護しもてなした島民の皆さんに学ぶことが大事だと思いました。
こういう点でも対馬は、友好の島だと良い印象をもちました。