新日鉄住金名古屋製鉄所(東海市)のガスタンクに使用する潤滑油が消防法に違反するとして、同製鉄所に勤める手塚治男さんが4月8日、名古屋地方検察庁に告発状を提出しました。地検は同日、受理しました。
告発状によると、問題の潤滑油はタンク内の燃料ガスの気密を保つ「シール油」と呼ばれるもの。「シール油」は、第4石油類(引火点200度以上、250度未満)に分類されるものですが、時間経過とともにベンゼンやトルエンなどの物質が混入して変質し、第3石油類(引火点70度以上、200度未満)と同等に危険性が増大していると指摘。それにふさわしい管理方法が求められるのに、変更していないといいます。
記者会見で手塚さんは、2003年に重軽傷者15人、被害住宅30件を出したガスタンク爆発事故のような重大事故を繰り返してはならないと強調し、「従業員、近隣住民の安全確保のためにかねてより改善を求めてきたものの放置され、今回の告発に踏み切った」と述べました。
告発には竹内平弁護士、浜島将周弁護士、佐々木朗県党政策委員長と一緒に同席。
手塚さんは03年の事故の際に、共産党が国に指導と安全強化を繰り返し求めてきたとして、今回の告発も協力を要請しました。
私は、同製鉄所では昨年4月も26歳の労働者が機械に巻き込まれる死亡事故が起きていることをあげ、「発足から162件の死亡事故が起きるなど重大事故が後を絶たない。安全確保は危険物を扱う企業の第一義的任務であり、抜本的な強化を求めます」とお話しました。