4月26日、愛知県から「震災がれき」受け入れ問題で聞き取りを行いました。
長友ただひろ愛知8区予定候補、いたくら正文愛知10区予定候補、岡田ゆき子名古屋市議、辻井タカ子東海市議、安井ひろ子東海市議、山口広文大府市議、中平ますみ知多市議、梶田進武豊町議、前田修西尾市議、山口春美碧南市議、下島良一碧南市議、宮川金彦安城市議、鷲見宗重高浜市議、斎藤ひろむ豊橋市議などなど総勢17名で行きました。
この「震災がれき」問題の聞き取りは、地方議員の皆さんの大事な活動なのに、愛知県は写真どりは一切ダメだという対応でした。かなり異様な感じがしました。
愛知県知事は、3月5日の時点までは、愛知県が出した質問状にたいする国からの回答について「県民の皆様のご理解とご納得を得るための情報やデータを得ることは、できませんでした」と言っていました。
ところがその2週間後には、地元の皆さんになんら説明することなく、「受け入れ」を表明し、知多市の南5区2工区、碧南市の中部電力碧南火力、田原市のトヨタ自動車田原工場の3カ所を焼却施設、仮置き場、最終処分場の候補地として名指ししたのです。
新聞報道され、地元自治体の皆さんに衝撃が走りました。
この間、私は、この3カ所の調査をしてきました。候補地の現場に行き、地元の皆さんの声を聞き、田原市では、副市長さんと懇談をさせていただきました。
どこでも愛知県知事の頭ごしのやり方に怒りにも近い声がありました。
皆さん、被災地の皆さんを支援したいと思っていますが、放射性物質の問題があり、単純ではないのです。原発さえなければ、と本当に悔しいです。
愛知県は4月24日、「震災がれき」受け入れ基準をつくる業務の委託を指名競争入札形式でテクノ中部に決めました。
愛知県の「震災がれき」受け入れ基準をつくる業務を委託されたテクノ中部(株主は中部電力など)の契約期間は、4月25日~9月14日。
愛知県は、“なるべく早く案をまとめてほしい”と言っています。
基準づくりへの県民参加は全く考えていません。会議(会議を開くかもわかりません)を傍聴することもできず、意見を言う場もなく、パブリックコメントさえ行いません。
民間営利企業であるテクノ中部が案をつくり、専門家に意見をもらってそれでおわりというのです。
一方的な受け入れ表明、基準づくりもくらやみ・・・あまりにも県民の皆さん、住民の皆さんを無視しているのではないでしょうか。
これはひどすぎると思います。
2012年4月26日 愛知県からの「震災がれき」問題の聞き取りメモ
愛知県の「災害廃棄物の受け入れに向けた取組」という文書に基づいて、愛知県環境部資源循環推進課からの聞き取りの内容
○愛知県知事は、昨年4月の段階から受け入れに協力する旨表明しているので、豹変していないとの経過説明(別紙参照)
○地元の皆さんに言う前に報道に出てしまって申し訳ない。毎日30社くらいのマスコミに追われ何か言わなければならないので、報道が先になってしまった。
○広域処理400万トンのうち100万トンを愛知と言っているのは、あくまで受入れ可能量。
○焼却による濃縮は環境省の資料によると最大で33.3%。(※山形県で不検出の木くずを焼却して燃えかすから1キログラム当たり2040ベクレル検出されたケースあり 「山形新聞」2011年09月27日)
○釜石市では、災害廃棄物を30%家庭ゴミに混ぜ合わせて燃やしている。灰は1000ベクレルを下回っている。
○3月26日現在の現地における災害廃棄物の推計量及び搬入済率の説明(別紙参照)
○4月4日現在の災害廃棄物受入れに関する他の都道府県等の動向(受入れている自治体、受け入れを表明している自治体名と各自治体の受入れ基準、受入れ拒否している自治体名など別紙参照)
○セシウムは燃焼することによって気化するということについては、学者のなかでも賛否があり、科学的知見がない。
○国の期限は2014年3月、あと2年しかない。国には、生活アセスの手続きの簡素化など要請している。(※地元への影響を軽視することになるのではないか)
※環境省 廃棄物処理施設生活環境影響調査指針
→http://www.env.go.jp/recycle/misc/facility_assess/
○受入れ基準の検討業務については、指名競争入札をして「テクノ中部」に業務委託が決まった。中部電力との関係はあるが、あくまで能力のあるところで指名審査をして、一番(値段が)低いところで決めた。知見を集めて、納得いただける基準をつくっていく。基準をつくるにあたっての県民参加は考えていない。パブリックコメントはやらない。放射線防護の先生や医師など専門家に意見を聞く。専門家の人選を今行っているところ。特定の人に限らずある程度西も東も幅広く意見を聞く。大阪は、あえて国の委員は全部外している。大阪大や京大の先生など4名から意見を聞いている。
○受入れ基準策定業務を含め11本の業務委託を考えている。
○これから3カ所の地盤がどうなっているか、可能かどうか調査する。
○最終処分場は、一番頑丈な管理型を考えている。
○南5区2工区は、埋め立てが終わって、12~13年たって安定している土地。もし最終処分場をつくるというのであれば、今、埋めてあるものを掘り出してどこかに持って行くことになる。持って行く先は、武豊町の衣浦3号地は検討しているが、そこだけではない。豊田加茂広域処理場などもある。
○仮置き場については、災害廃棄物をコンテナなどに入れて管理する形。
○トヨタや中電には、お願いしている段階。それぞれ「地元の理解」などを条件としてだしている。
参加者の発言
○愛知県知事は、3月5日の時点までは、愛知県が出した質問状にたいする国からの回答について「県民の皆様のご理解とご納得を得るための情報やデータを得ることは、できませんでした」と言っていた。
ところがその2週間後には、地元の皆さんになんら説明することなく、「受け入れ」を表明し、知多市の南5区2工区、碧南市の中部電力碧南火力、田原市のトヨタ自動車田原工場の3カ所を焼却施設、仮置き場、最終処分場の候補地として名指し。こうした頭越しのやり方に抗議。
○原子力発電所では、100ベクレル以上は、低レベル放射性廃棄物として扱われるのに、国の基準は8000ベクレル。二重基準になっていることを説明してほしい。
○中電碧南火力は、石炭を1000万トン燃やして、今でも地元に迷惑をかけている。私の家は500メートルしか離れていない。地元の理解というが、住民投票で反対が過半数なら地元の理解はないと考えていいのか。耕作者の過半数の反対をとれば、地元の理解はないと考えていいのか。碧南の漁業者は、今でも風評被害に苦しんでいる。福島第一原発沖のコウナゴで放射性物質が検出されたために、碧南の沖でとれたコウナゴまで売れなくなった。加工業者の冷蔵庫には昨年のコウナゴが入っている。価格も安いし売れない。漁へ行ってもとらずに帰ってくる。今回の震災がれきの問題が出てから、碧南の漁業者に築地市場から影響を心配して連絡が入った。千葉のにんじんが売れなくなった。碧南の農家は、今度は俺たちか、と心配している。風評被害は止めようがない。
○武豊町が衣浦3号地の管理型最終処分場を認めたのは、他にどこにもない、と言われ認めた。しかし、今度は3カ所の候補地が出てきた。武豊町としては、そんな話は納得いかないし、認められない。
○知多市は昨年10月7日、“受け入れは困難”と回答したのに、突然3月24日に南5区の話が出てきた。平成20年に南5区の活用についても要望しているのに、愛知県は回答もないままだった。それなのに突然、今回の話が出てきた。東海豪雨のときにがれきを受入れて、周辺の皆さんは、悪臭や虫に苦しんできた。その辺の経過もふまえて、ちゃんと説明してほしい。また、3月の時点で知多市は要望を出している(回答は5月中旬までに)。
○受入れ基準について、どういう専門家を選ぶのかも問われている。
○普通の災害がれきとちがい放射能汚染の問題をはらむ以上、安全性、安心がきちんと担保され、情報が公開され、風評被害対策も取り、住民の納得を得ないと、とても受け入れる状況ではない。
○情報公開、住民参加、合意と納得がなければいけない。
※原発、原発事故によって、被災地の皆さんの復興をどれだけ妨げていることでしょう。原発ゼロの政治決断を政府に強く求めます!!
(別紙―愛知県の資料より抜粋)
農業・漁業・医療・日本経済に悪影響をおよぼすTPP交渉参加ストップ!宣伝
お昼からは、千種駅で農業・漁業、医療、日本経済に悪影響をおよぼすTPP交渉参加ストップ!と宣伝をさせていただきました。
医師・歯科医師後援会の皆さんのつどい
夜は、日本共産党を応援する医師・歯科医師後援会の皆さんの集会に参加させていただきました。
私は今、愛知県内で問題になっている「震災がれき」受け入れ問題についてのお話と大飯原発再稼動・浜岡原発再稼動を許さず原発ゼロへの決意を語りました。
佐々木朗愛知県委員会政策委員長が、日本共産党の「消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言」をわかりやすくお話されました。
「この中身は大歓迎!ぜひこういう方向でやってほしい」などの声が出されました。
私も愛知県内の経済団体、中小企業団体で「提言」に歓迎の声があったことなど紹介させていただきました。
医師・歯科医師後援会の皆さん、本当にありがとうございました!