愛知県は、設楽ダムについて「県民の皆さんに理解をしていただくため」と連続公開講座を開催するということで、3月26日、第一回「設楽ダム連続公開講座」運営チーム会議が東三河総合庁舎で行われました。
動画も公開されています→http://www.ustream.tv/recorded/21381341
傍聴に行きたかったのですが、行けなかったため動画でみさせていただきました。
構成メンバーは、以下の5名です。
○井上隆信氏(豊橋技術科学大学大学院 工学研究科 教授)
○蔵治光一郎氏(東京大学大学院 農学生命科学研究科 附属演習林 生態水文学研究所長・准教授)
○鷲見哲也氏(大同大学 工学部 准教授)
○戸田敏行氏(愛知大学 地域政策学部 教授)
○原田さとみ氏(タレント/エシカル・ペネロープ株式会社 代表取締役)
愛知県地域振興部土地水資源課水源地域対策グループが事務局を担当しているようです。
運営チームのリーダーは、戸田敏行氏。
第一回は、公開講座の運営手法の決定、スケジュール、テーマや講師の決定、一般参加者の募集の方法などを検討するそうです。
愛知県の事務局から、公開講座は年6回、最低2週間前に参加者を募集すること、県議会開会時は避けること、第一回は大村知事が参加すること、連続講座は2013年3月で終了予定であること、広報は記者会見をして愛知県のホームページに載せる方法を考えていることなどの説明がありました。
委員の先生方からは、“参加募集期間が短いのではないか”、“反省会をするだけでなく、まとめの報告書が必要ではないか”、“新しいことを行うので広報の方法も無意識層に働きかける方法をとったほうがいい”など意見がだされました。
講座のテーマは、以下のようなことを検討されているようです。
○豊川流域の課題について
地理歴史について、ダムのもつ意義について、公共投資と費用効果について、水源地域の自立について、東三河地域の持続的な発展性について
○設楽ダムについて
事業計画の概要について、治水効果について、集水域管理について、豊川「霞堤」周辺の土地利用について、利水効果について、農業戦略とのかかわりについて、河川環境について、三河湾の影響について、安全性について
上記の内容で参加募集をしても県民の皆さんにわかりにくいということで、わかりやすい、興味をもってもらえるようなテーマ設定をしようということで、(1)「ダムって何だろう?」(2)「ダムと生活」(3)「防災とダム」(4)「食とダム」(5)「生き物とダム」(6)「ダムは未来につながるか」などで募集することになるようです。
講師の選定について、愛知県事務局から、設楽ダムについては、裁判が行われ、愛知県知事が訴えられている状況にあるので、訴訟の原告は、講師としては呼ばないと話がありました。
訴訟にかかわっている方は、設楽ダムの問題に詳しいのに、その話は聞かないというのもいかがなものかと思います。
国会の参考人質疑でも、賛成派、反対派両方呼んで、国会議員が両論を参考にするというものになっています。
設楽ダムの問題を詳しくわかっているからこそ、公金差し止め訴訟を起こしているのです。
設楽ダム問題に詳しいからといって、まさか、ダムを推進している国土交通省中部地方整備局の人が講師になるのでしょうか?
委員の先生方から“そもそもなぜ訴訟になっているのか”、“どんな論点があるのか”、“県民として知りたい”という声がありました。
論点がわかるように、裁判にでた証人などは講師として呼んでも構わないとの結論になりました。
フロアーからの意見、感想も聞くという時間もありました。
「講師の選定について、原告を除けといいながら被告がきて話をする矛盾もある。原告、被告ということだけでなく、ひとりの愛知県民として、原告は研究しているので、どこに問題があるか指摘できる。意見をいう場をつくってほしい」、「集水域圏をどのように按配していったらいいか全国にモデルを示すいい機会になると思うので期待している」、「裁判の話があったが、原告は反対派か賛成派かどちら?どういう論点があるのか?」(愛知県から、裁判は設楽ダム反対して行われている。被告は、愛知県知事。事業者は国だが、愛知県には支出をしないように訴えられているとの説明がありました)、「事実に基づいて科学的で客観的に市民の皆さんがわかる機会にしてほしい。無関心な人にも自分たちのくらしと関連させてわかるようにしてほしい」との声がだされました。
斎藤ひろむ豊橋市議も傍聴し、発言していました。
この公開講座が、実りあるものになるように、今後もチェックしていきたいと思います。
第二回の運営チーム会議は4月16日(月)午後1時~に決まりました。会場は、東三河総合庁舎になるようです。