10月19日、政府に対して、台風15号の被災を踏まえた庄内川の防災対策を求める要請、豊川流域の浸水被害を防ぐために既存施設の活用を求める要請、放射能汚染から子どもと住民を守る対策を求める要請、低所得・生活保護世帯のエアコン設置などの熱中症対策を求める要請を行いました。
庄内川浸水被害問題では現地調査を行った井上さとし参院議員が同席し、黒田二郎元名古屋市議、斎藤啓豊橋市議、榑松順子前名古屋市議ともとむらが参加しました。
庄内川流域の浸水対策について、国土交通省は、下志段味の越水地域の庄内川左岸堤防かさ上げ工事については、「来年度の出水期(梅雨入り)までに堤防の高さを確保するように工事を実施していきたい」と答えました。吉根地域の内水氾濫については、「浸水の状況を調査して、堤防が低いことは今のままでいいと思っておりませんけれど、対応については検討させていただきたい」と回答しました。
名古屋市のハザードマップで3~4m浸水する地域を開発し浸水した問題で、開発規制を求めたことにたいして、国土交通省住宅局は「開発規制、建築の禁止という観点からも建築基準法の39条の災害危険区域の指定の活用が可能」と回答し、名古屋市が指定しなかった問題点が浮き彫りになりました。
豊川流域の浸水被害を防ぐ既存施設の活用について国土交通省は、「しっかり慎重に見極めていく必要がある」と回答しました。
給食食材の検査のための機器と人員の配置の要請に関して、第三次補正予算で給食食材を検査する機器を購入する自治体を支援する予算を計上する予定であるが、愛知県が対象になっておらず、対象にしてほしいとの要請に文部科学省は「引き続きこれについては検討をさせていただいているところでございます」と答弁しました。
生活保護費しか収入がない世帯がエアコン設置のための生活福祉資金を借りることができず(生活保護費以外に収入がある人は可能)、熱中症で倒れ、入院した問題について、厚生労働省は「やりくりしていただいて(エアコンを)購入することは認められる」との答弁にとどまりました。
要請書は、以下のとおりです。
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※写真は、愛知県内で集めた原発ゼロ署名を佐々木憲昭衆院議員、井上さとし参院議員に託しているところです。
※小牧基地配備の空中給油輸送機からアメリカ軍の戦闘機に給油するための「覚書」の撤回を求める防衛省交渉の内容は、別の記事にしています。
豊川流域の浸水被害を防ぎ、命と財産、農作物を守るために既存施設の活用を求める要請書
国土交通大臣 前田武志 様
水資源機構理事長 甲村謙友 様
2011年10月19日
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
豊川流域の浸水被害を防ぎ、命と財産、農作物を守るために
既存施設の活用を求める要請書
9月21日、台風15号が愛知県東三河地方にもっとも接近し、豪雨と強風によって、家屋の床上・床下浸水、農作物への被害をもたらしました。
今回、豊川の不連続堤から水が流れ出したのは、9月21日17~18時ごろと報道されています。9月21日17時~18時の豊橋市での雨量は「0」と観測されています。
それ以前の降水量を見てみますと、9月21日10時~16時の間にとりわけ豊川上流の宇連川流域の各観測地点での降雨量が184mm~236mmと大変多くなり、9月21日14時~16時の2時間にもっとも激しく雨が降りました。
9月21日午前0時の時点で、宇連ダムの貯水量は99.5%、大島ダムの貯水量は100%でした。満水の状態で雨が降ったため、雨はそのまま下流に流れてしまいました。
9月21日、宇連ダムでもっとも放流量が多かったのは、14時41分で269.67㎥/s、大島ダムでもっとも放流量が多かったのは、15時25分で212.68㎥/s、大野頭首工での放流量がもっとも多かったのは、15時07分で1172.06㎥/sでした。こうした放流を抑えていれば、今回の被害は軽減できたと予測されます。
台風の降水量予測や気象レーダー解析情報、アメダスデータなどを使って、地域の災害予防の観点から宇連ダム、大島ダムの水を事前に放流し、宇連ダム、大島ダムで少しでも豪雨を受け止めることができていれば、被害は小さくなったのです。
このことにたいして水資源機構豊川用水総合事業部は「利水ダムであり、できない。放流については国交省にも伝え連絡して行った」(東日新聞2011年10月6日付)と述べていますが、災害を予防しようという意識が全く感じられません。
ことは、人の命、財産にもかかわる重要な問題です。こうした姿勢をあらため、災害を予防し、命、財産、農作物を守るために、現時点でもできることを最大限行うべきであるという立場から以下のことを求めます。
1、宇連ダム、大島ダムなど既存の利水施設について、豪雨災害が予測される場合においては、事前放流を実施するなど浸水被害を防止すること。
2、公益的な機能をもつ遊水地の地権者にたいする損害補償制度や負担軽減制度をつくること。
3、床上浸水になるような浸水被害が予測されている地域について、かさ上げ、開発禁止など必要な開発規制を行うこと。
以上
低所得・生活保護世帯のエアコン設置など熱中症対策に関わる支援制度の改善を求める要請書
厚生労働大臣 小宮山 洋子 様
2011年10月19日
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
低所得・生活保護世帯のエアコン設置など
熱中症対策に関わる支援制度の改善を求める要請書
2011年5月30日から9月25日までに全国で4万6385人、愛知県では3383人の方が、熱中症で病院に救急搬送され、亡くなる事例も少なくありません。
現在、生活保護世帯でもエアコン設置費用について生活福祉資金を申請すれば、設置できることになっており、2011年7月19日付「『生活保護法による保護の実施要領について』の一部改正について(通知)」で貸付金を収入認定しないことや返還金分を収入から控除する措置もとられるようになりました。
しかし、同じ生活保護世帯でも保護費以外の収入がない世帯は、生活福祉資金を借りることができないという不平等が生じています。また、65歳以上の生活保護受給者(保護費以外で収入有り)は、連帯借受人・連帯保証人が必要なことから生活福祉資金を借りられない問題も出ています。
さらに高齢者には、生活福祉資金の手続きが煩雑で申請できないという事態も起きています。
死に至る熱中症を予防するためにも以下の対策をとることを要請します。
1、保護費以外の収入がない生活保護世帯でもエアコン設置のための生活福祉資金が借りられるようにすること。
2、65歳以上の生活保護受給者がエアコン設置のための生活福祉資金を申請する際の連帯借受人・連帯保証人の条件をなくすこと。
3、さらに、エアコン購入設置経費を生活保護法の一時扶助として支給できるようにすること。
4、光熱費相当額を夏季加算として支給すること。
5、生活保護の収入以下でくらす低所得世帯などにたいしてエアコン設置などの熱中症対策を支援すること。
以上
福島原発事故による放射能汚染から子どもと住民を守る対策を
環境大臣 細野豪志 様
原発事故の収束及び再発防止担当
内閣府特命担当大臣
[原子力損害賠償支援機構] 細野豪志 様
文部科学大臣 中川正春 様
2011年10月19日
日本共産党愛知県委員会 委員長 岩中 正巳
福島原発事故による放射能汚染から子どもと住民を守る対策を
東京電力福島第1原子力発電所の事故によって、大量かつ広範囲に放射性物質が放出され、国民の放射能への不安が広がっています。この間、東北地方の牛肉や野菜のみならず、静岡県のお茶などの農産物や水産物が、放射性物質に汚染され、食品の安全に対する危惧が広がっています。私どもが県内で行った「住民アンケート」では、「農産物や魚介類に放射性物質が含まれていないかが心配」「こどもの給食は安全か。献立表で材料の産地を公表してほしい」などの放射能汚染を心配する多くの声が寄せられています。また、災害廃棄物の受け入れ・焼却に県下29自治体・衛生組合が応じる意思を表明していますが、「放射性物質が広くばらまかれないか」などの不安が住民から出ています。国民とりわけ、放射能への感受性が高い子どもの安全を守るために、必要な手立てをとることは、国及び行政の最大の責任です。
日本共産党は今年8月11日に「福島原発事故による放射能汚染から、子どもと国民の健康を守る対策をー徹底した調査、迅速な除染、万全な健康管理を求める」提言を発表し、8月19日には、この提言に基づいて、食品の安全を確保することと農業生産を守るための具体策について必要な措置を求める「福島原発事故による放射能汚染からの食品の安全確保と農業生産を守ることを求める緊急申し入れ」を鹿野道彦農水大臣(当時)に国会議員団として行いました。
私たち愛知県委員会も、地方議員団を先頭に、県や名古屋市など自治体に対し、食品の放射能汚染の検査体制の調査を行い、検査機器の抜本的な多数の配備や検査を行う人員の配置など検査体制の強化を自治体に求めてきました。県や名古屋市などの自治体は国の第2次補正予算なども活用し、若干の検査機器の新たな購入を計画していますが、3月30日から9月30日までに名古屋市が検査した食品はわずか56品にすぎず(9月30日現在)、住民の不安にこたえるものとはなっていません。その原因は圧倒的に検査機器の数や人の配置が足りないことです。
住民の不安を解消し、放射能汚染から子どもと県民を守るために以下の対策を求めます。
1、生産地での最新鋭の検査機器による検査体制を強化すること。
2、子どもたちの給食の安全性を確保するためにも、必要な検査機器の配備と人員の配置を行うこと。また、上水道水の放射線量や、農林水産物が流通する全ての卸売市場での農産物や魚介類の放射線量測定し、また希望者がスーパーなどで食品が検査できる体制をつくり、必要な検査機器の配備と人員の配置を行うこと。さらに、飼料、腐葉土など食に関わるものについても、原発事故で汚染したものを使わせないようにすること。
3、子どもたちや妊婦を守るために、学校、保育所、幼稚園、通学路、病院、公園、プールなどの放射線量を測定し、住民が希望に応じて放射線量の検査ができるように、当面、全ての保健所・支所に検査機器を配備し、住民への貸し出しもできるようにすること。
検査結果は速やかに公表するとともに、専門家を含む第3者委員会で評価し、公表すること。
4、検査体制の強化に必要な費用については、自治体まかせにせず、東京電力と国が責任をもつこと。
5、東日本大震災の災害廃棄物の広域処理にあたっては、事前の放射性物質の検査を徹底し、すみやかに公表すること。また、受け入れを前提としない事前説明会を広く行い、処理を自治体に要請する場合でも、住民の合意と納得のない時には、処理を押しつけないこと。
以上
台風15号の被災を踏まえ、庄内川の河川整備と緊急の防災対策を求める要請書
国土交通大臣 前田武志 様
2011年10月19日
日本共産党愛知県委員会
委員長 岩中 正巳
台風15号の被災を踏まえ、庄内川の河川整備と
緊急の防災対策を求める要請書
9月20日から21日に襲来した台風15号は、愛知県、名古屋市にも大きな被害をもたらしました。いま、被災状況をきめ細かく把握するとともに、緊急に必要な対策をとることが急がれます。同時に、これまでの災害対策の評価と今回の災害で明らかになった課題を検証し、今後の河川の整備計画や防災活動に役立てることが大切です。
日本共産党愛知県委員会は、この間、守山区をはじめ県内の台風15号関連の被災地の現地調査を行ってきました。今回、被災された方々から寄せられた声もふまえて、現時点での要望をまとめました。積極的に受けとめていただき、地域防災の充実に力を尽くすため、以下のことを求めます。
【庄内川、豊川など主要河川全般に関して】
1、浸水被害者の救援、復旧、補償要望に誠実に対応すること
2、台風15号による雨量、水量などの気象状況、出水や被害発生状況、避難状況および災害対策の経過について、地域別および時系列で整理するなど市民にわかりやすく公表し、有識者や市民が検証できるようにすること。乙川、巴川など中小河川についても指導されたい。
【庄内川に関して】
1、志段味の越水地域の庄内川左岸堤防かさ上げ工事など、現在計画している緊急防災工事を急ぐこと。
2、排水路水門を閉じたため内水氾濫が生じた吉根地域の低い堤防のかさ上げを行うこと。
3、今回の台風15号にもとづく状況を検証し、このさい必要な「庄内川水系河川整備計画」の改善・見直しをすすめること、及び、局所的集中豪雨に対応する必要な堤防整備、内水対策など、庄内川河川全域の抜本的な改善整備をすすめること。
【守山区吉根地域の水門(吉根排水ひ管、至来排水ひ管)に関して】
1、今回の名古屋市の水門開閉措置について、住民と専門家をふくめた検証にもとづき、被災住民の補償要望に対して誠実に対応するよう指導されたい。
2、今後、水門の開閉について、あらかじめ関係地域の住民に周知すること。また、連絡周知の方法については、地域住民の要望をよくふまえて決めるよう指導されたい。
3、水門の開閉状況を住民に知らせる防災スピーカー(サイレン)を設置すること。
それらの機器が豪雨時にも機能するよう非常用電源を確保すること。
4、内水を排水する排水ポンプを設置するなど内水対策を講じること。
以上
東京の国会前などで放射線量を測定
東京の国会議事堂の衆議院側で測定(丸の内線の国会議事堂前の駅降りてすぐのところ)
衆議院第一議員会館前のイチョウの木の下を測定(衛視さんたちが目線が気になりながら・・・)
新幹線の新横浜駅で停車。車内で計測。