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くらし守る

【11・09・08】食品中の放射線 検査体制の強化が必要―名古屋市衛生研究所、食品衛生検査所へ聞き取り調査

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衛生研究所・・・ゲルマニウム半導体検出器

 
 食品中の放射線への不安が高まっているなか、9月8日、名古屋市健康福祉局の衛生研究所と食品衛生検査所に行き、放射線検出器などを視察し、現場の皆さんの声、国へのご要望を聞きました。

 山口きよあき名古屋市議、八田ひろ子元参院議員と一緒です。

 名古屋市瑞穂区にある衛生研究所は、農作物などを定期的に検査しています。

 セシウムやヨウ素など核種ごとの汚染量がわかるゲルマニウム半導体検出器(=γ線スペクトロメーター)は、現在1台です。6月の補正予算で、年明けにもう1台リースで配置される予定になっています。
  ※リース代・・・年間221万7000円 

 
 応対していただいた池田功人健康部主幹は、「消費地での混乱をさけるため、生産地で調査し、流通させないことが重要」と説明しました。
 
 寺田久屋食品部長は、「食品の放射線量調査は今後、何十年レベルで継続しないといけない。ここでは、食中毒や残留農薬の検査も行っており、放射線の検査も1日に3つの検体を扱うのがやっと」と話されました。

 衛生研究所では、チェルノブイリ事故の際にゲルマニウム半導体検出器を購入し、輸入食品を検査していたそうです。今でもナッツ類やスパゲティなど輸入食品の検査を集中期間に行っているとのことでした。

 今回の福島第一原発の事故をうけて、すぐに稼動できるように準備したと言います。経験のある専門の職員の方がいたことで、他の自治体にはない、機能が果たされていると思いました。しかし、放射線検査にあたる職員の方は2人しかおらず、しかも兼務のため十分な検査ができない様子でした。

 また、野菜など日本産の暫定基準値はセシウム137で500ベクレル/kgですが、今でも輸入食品には、370ベクレル/kgという規制値を使っているとのことでした。
 早く日本産もより安全な基準に変えてほしいものです。

 

 
 ※この日の朝に中央卸売市場から抜き取りしてきたブドウ。まもなく検査開始。

 
 ※ブドウをゲルマニウム半導体検出器に入れる

 
 ※上の画面にセシウムやヨウ素など核種ごとにデータが表示されます。

 

食品衛生検査所・・・γ線用シンチレーションサーベイメーター

 
 熱田区の中央卸売市場にある食品衛生検査所には、簡易な検査機器であるγ線用シンチレーションサーベイメーターが、現在2台ありますが、1台は故障中なので、実質1台しかありません(修理代の見積もりを取っているところ)。
 6月補正予算で2台購入(113万4千円)し、11月ごろ納入の予定です。
 

 
 馬渕泰市所長は、「機器購入の予算はつきましたが、人員は他の検査を減らしてまわすしかない」とお話されました。

 
 各保健所に市民の方から「いただいたこの果物は食べても大丈夫でしょうか」、「腐葉土の汚染が心配。自家栽培の野菜を食べても大丈夫でしょうか」など問い合わせがくるそうです。

 各保健所の方は、食品衛生検査所にある実質1台のγ線用シンチレーションサーベイメーターを借りてきて、心配されている市民の方の目の前で放射線量を測り、「食べても大丈夫ですよ」と答えているそうです。

 現在、シンチレーションサーベイメーターはたったの1台しかありません。市民の皆さんの不安を解消するためにも少なくとも各保健所に機器を置くことが必要です。 

 しかし、保健所でそうした丁寧な対応をしてくださる名古屋市はいいな、と思いました。

 私の住む豊田市は、検査機器を購入する気もないのですから・・・(9月5日の「のびのびレポート」参照)。

 食品衛生検査所の職員の方からも、生産地でしっかり検査する体制の強化の要望が出されました。
 また、稲わら、腐葉土の汚染が明らかになりましたが、国が想像力を働かせて資材、飼料など含め事前にチェックし、汚染したものを流通させないようにしてほしい、とのお話もありました。

 現場の皆さんの声をしっかりと国に要望していきたいと思っています。 

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