もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

【11・05・04】復興構想会議 財界の計画に傾斜――被災地に一層の困難もたらす

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 被災者のくらしの再建を真ん中にすえた復興であるべきなのに、財界中心の復興の方向へとすすめられようとしています。
 5月4日の「しんぶん赤旗」に掲載された記事を紹介します。

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 東日本大震災の被災地を「構造改革」路線の実験場にするのか―。日本経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体から聞き取りをした政府の復興構想会議の第3回会合(4月30日)は、大企業中心の復興計画を押し通そうとする財界と、そうした財界の復興計画に傾斜する政府の姿勢を浮き彫りにしました。

 経済同友会は提言に、東北地方を道州制の先行モデルとすることや公共サービスのさらなる民間開放、規制緩和を列挙。第1次産業については、農地の大規模化や他地域への集団移転、法人経営の推進、漁港の拠点化など「大胆な構造改革」を求めました。

地方切り捨て
 復興財源について商工会議所の提言は「消費税引き上げはやむを得ない」と明記しました。経団連と経済同友会はともに、社会保障費削減を意味する「財政健全化」と、消費税増税に向けた「税と社会保障の一体改革」の着実な遂行を要求。経団連は、米国の経済戦略に日本を組み込む環太平洋連携協定(TPP)の推進も求めました。

 これらの政策は、経済がグローバル化(世界規模化)するもと大企業の国際競争力を強化する必要があるなどとして、震災以前から財界が要求し続けてきたものばかりです。旧自公政権下で、働いても生活できない不安定雇用の拡大や格差拡大、地方切り捨てを進めてきた「構造改革」路線そのものです。

救援の妨げに
 事実、経済同友会の提言の冒頭には、東北地方の「復興」を通じて「国際競争力ある国内外に誇れる広域経済圏の創成をめざす」と記されています。国民の批判を受け停滞を余儀なくされた「構造改革」路線を、未曽有の震災をテコに一気呵成(かせい)で進めようという狙いです。

 しかし、今回の震災では、こうした財界主導で進められてきた「構造改革」路線が、救援や復興の重大な障害となっていることが、これ以上ない形で示されています。

 地方自治の研究機関である自治体問題研究所が発表した緊急提言(4月22日付)は、この間の経済のグローバル化と「構造改革」によって、被災地域では地域産業の後退と過疎化・高齢化が進んでいると指摘。加えて「平成の大合併」で自治体の広域化と公務員削減が押し付けられた結果、災害の把握や救援物資の配給にも困難を来しているとし、さらなる「構造改革」路線の推進は「これまで以上に被災地域を疲弊させ、住民の生活再建を困難にするだけ」だと批判しています。

 そもそも復興構想会議は、復興のビジョンを描くため「全国民の英知を結集する」(菅直人首相)といって始められたものです。そうであるなら、被災地の住民やこうした自治体関係者の声にこそ耳を傾けるのが筋です。

 復興構想会議の五百旗頭真議長(防衛大学校長)は経済3団体の提言を「大変力強く議論していただいた」と持ち上げましたが、財界主導の復興ビジョンに突き進むなら、被災地にさらなる困難をもたらすのは明らかです。 (佐久間亮)

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