10月21日、生物多様性条約第10回締約国会議に呼応してひらかれた公害・地球環境問題懇談会(公害・地球懇)が主催したシンポジウムに参加しました。
「生物の多様性と農林水産業の未来」のシンポジウムでは、三重大学大学院の石田正昭生物資源学部教授は「日本ほど生物多様性がある国は世界にない。陸も海もさまざまな生き物がいる。しかし、その保全と持続的利用ができなくなっている」と指摘し、輸入が増え耕作放棄される現状に危機感を表明しました。国土保全に役割をもつ水田農業を守り、持続的な農業、市民参加による支援の大切さを話しました。
農林団体、消費者団体からは「遺伝子組み換えで種子の独占、遺伝資源の減少がある」(農民連)、「木材自給率を高める方針が政府にあるが、間伐されず生物多様性に問題がある」(愛知県森林組合連合会)などの実態が報告されました。新日本婦人の会の安達絹恵さんは同会が5月におこなった「身近な自然の異変チェック」を報告。花が2回咲くようになった、ゲリラ豪雨が多発するなど「悪い方への環境変化が実感できる」と報告しました。
「大規模公共事業が、かけがえのない自然を壊す」シンポジウムでは、長崎・有明海の再生、徳島・吉野川河口ぜきへの高速道路建設、愛知・設楽ダム建設、東京・高尾山にトンネル建設の問題にとりくむ運動を交流しました。
このなかで、国内初めてのダム撤去になった熊本・荒瀬ダムの住民運動の広がりに拍手がおくられました。
設楽ダムの問題は、設楽ダムの建設中止を求める会の市野和夫代表が報告しました。
高速3号線考える連絡会の土井照雄さんも発言。
名古屋市の面積の3分の1が道路と駐車場で車のための土地利用が多いことや、名古屋市内の小中学生のぜんそく児童が26年間で5倍の7363人(2006年)にもなっていることなど報告しました。
また、コンビニなどで売られている「幕の内弁当」の食材は、地球4週分(16万キロメートル)も旅をして日本に届くことなど指摘し、食糧自給率をあげ、地産地消をすすめることは、交通・環境政策にかかせないと語りました。
車中心の街づくりを見直すことを提案しました。