もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

【10・02・09】厚生労働省と交渉―パナホーム業務偽装「派遣ぎり」問題で直接雇用、雇用の安定のさらなる指導、勧告を求める

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 2月9日、国会へ行き、佐々木憲昭衆院議員、名古屋東・北・西・中地区委員会の石田さんと一緒に、違法派遣を行っていたパナホームにたいして、厚生労働大臣が是正勧告、雇い入れ勧告をただちに行うことなどを厚生労働省に求めました。

 名古屋市内にすむAさんは、専門26業務のなかの第5号(事務用機器操作)の専門派遣という名目で派遣会社ヒューマンリソシアからパナホームに派遣されていました。

 “実際に働いている内容と違う”、とAさんが気づき、9月4日、愛知労働局へ専門業務の偽装、直接雇用の申し入れ違反を告発、申告。

 愛知労働局の調査で、業務偽装という法違反が認定され、Aさんの業務内容は、期間制限のない専門業務ではなく、実態は原則1年(※)しか働かせてはいけない自由化業務であり、1年以上働かしているのは違法であり期間制限違反であると認定されました。そして、(派遣先)パナホーム、(派遣元)ヒューマンリソシアにたいして、10月5日までに是正指導と雇用の安定の指導が行われました。

 しかし、(派遣先)パナホーム、(派遣元)ヒューマンリソシアがとった対応は、「次の就職先探しもあると思うので、09年12月末まで同一業務、同一場所での派遣就業の契約延長を行う」というものでした。
 
 Aさんは、「提示された派遣業務は、期間制限違反で是正指導されている業務であり、受け入れられない。期間の定めのない直接雇用を」として派遣契約書へのサインを拒みました。

 結局、契約もかわさないまま10~12月末まで働かざるを得なくなりました。その後、パナホームから1月からは休業補償をすると言われ、1月分だけ支払われることになっています。

 
 派遣は、1年以上働かせてはいけない原則であるのに、違法状態をさらに延長する提案で、しかも3か月で首を切る提案ですから雇用の安定という愛知労働局の指導にも反します。

 派遣法のなかには、期間制限(原則1年※)を越える場合は、直接雇用を申込む義務が派遣先に発生します。パナホームは、いくつもの法違反をおこなった責任をとって直接雇用を申込むべきです。

 そして、政府は、そうした悪質な法違反を行った企業には、強い姿勢で臨むべきです。

(※)一般事務、物の製造、軽作業などの業務は、派遣受入期間の制限があり、原則1年しか働かせてはいけません。ただし、過半数労働組合等の意見を聴いた上で、3年間まで延長できます。パナホームの場合、こうした手続きは行われておらず、原則1年に違反したため、愛知労働局に期間制限違反という法違反だと指摘されました。その後、パナホームは、過半数労働組合等に意見を聞いたとして3年まで延長しました。しかし、法違反は確定しており、免れることはできません。

 
※2月8日の日本共産党志位和夫委員長の予算委員会質問をきっかに出された厚生労働省の指導文書。パナホームは、まさにこの文書で指摘されている「期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣」を行ったのです。

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