もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

【09・10・30】台風18号の農業被害の実態調査

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 10月30日、8日未明に襲った台風18号によって大被害を受けた、同県田原市の園芸農家を訪ね、被害の実態調査をし、農家から切実な要望を聞きました。

 被害調査には、斎藤ひろむ党東三地区副委員長、河辺正男田原支部長(元市議)、早崎英夫県農民連会長など東三河の皆さんが同行してくださいました。
 田原市は、農業産出額が全国市町村第1位の724億円(2006年)で、電照菊などの花、野菜、果物と園芸農業が盛んなところです。

 施設園芸農家のかまぼこ型ハウスは、ビニールが吹き飛んでゆがんだ鉄パイプがむき出しに。風で飛ばされた牛舎が温室を直撃し大破した現場は、割れたガラスが一面に散乱していました。片づけ作業中の女性は「年末に出荷する菊が全滅し、途方に暮れている。何とか助けてください」と話ました。

 収穫直前のトマトが全滅し1000万円近くの被害を受け、ハウスも全壊した農家の方は「当てにした収入がなくなり借金返済ができず、4人のパートさんも解雇した。施設園芸共済からは被害の2割程度しか保障されない。建て替えに必要な4、5千万円が準備できず、再建の見通しがつかない」といいます。
 国や県への要望を聞くと「重油代など運転資金を援助してほしい。借金返済も数年間は猶予してほしい」と話しました。

 菊農家の方は、温室のガラスが700枚ほど割れ、暖房と日照制御の二重のカーテンもボロボロです。「莫大(ばくだい)な投資が一瞬でパーだ。国は激甚災害に指定し、支援してほしい」と話しました。
 「施設も作物もやられ、正月が越せるかどうか不安だ」「近所で2軒の菊農家が廃業する」「農協も行政も対応が遅い」「無利子融資の援助だけでは、借金はふえる。借金の支払い延期や返済不要な資金援助が必要だ」「国保、介護、税金の減免も必要」などの声も寄せられました。

 河辺党支部長は「個人の努力の限界をこえた被害で、農家は廃業の危機にたたされている。日本一の施設園芸地域を守るために、あらゆる努力をつくしたい」と話しました。

台風18号被害の農家の救済を農水大臣に要請

                                 2009年11月25日
農林水産大臣 赤松広隆 様
内閣府特命担当大臣(防災)前原誠司 様 
                                日本共産党愛知県委員会
                                   委員長 岩中 正巳
                                日本共産党東三地区委員会
                                   委員長 稲生 俊郎

       台風18号にともなう農業被害の救済についての緊急要請書

 今年10月に日本を襲った台風18号は各地に被害をもたらしましたが、とりわけ東三河地域においては、施設園芸のハウスや露地野菜、柿などの果実に大きな被害をもたらしました。
 日本でも有数の、特色ある農業地域である東三河において、台風の被害で、農業の継続を断念する農家もうまれており、台風の被害は農業自給率の向上、多様な農産物の生産について大きな打撃となるものです。
 ついては、地域の農業を守るために、以下のことを緊急に要請します。

(1)局地激甚災害の指定をしてください。【内閣府】
(2)農業共済の制度を、台風被害のもとで、農業のたてなおしにふさわしい補償ができるものに改善してください。
 損壊したハウスの撤去費用は共済では100万円までしか出ません。農家の負担なく撤去がすすめられるように、共済分を超える費用について財政的支援をしてください。
(3)台風18号による被害農林漁業者等に対する金融支援が、国、愛知県などで講じられていますが、台風被害から農業を立て直し、一定の収入があがるまでには時間がかかります。
 新規の融資については、少なくとも3年の据え置き融資にしてください。また、旧来の融資についても返済猶予の措置を講じてください。
 生活資金、運転資金の融資は認定農家などの条件をつけずに、被害を受けた農林漁業者に貸し出して下さい。
(4)台風被害によって、新規のハウスや農業施設を建設しなければならない場合、財政的支援を講じて下さい。
 また、被災した農家の税や農業を廃業しなければならなくなった農家の農地売買にかかる税の減免措置を講じて下さい。

【備考】(2)~(4)は農水省所管

                                          以上

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