もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

聴覚障がいをもった子どもたちへの補聴器購入無料化など支援強化を求める要請

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 すべての子どもたちに成長を保障する国にしたい

 11月25日、長妻昭厚生労働大臣あてに、聴覚障がいをもった子どもたちへの補聴器購入無料化など支援強化を求める要請を行いました。

 厚生労働省の回答は、来年度予算で、サービス利用の負担軽減のための要求はしていると答えましたが、障がい者「自立支援」法は、4年以内に新制度を設計して、廃止するという悠長な話でした。

 中度・軽度の聴覚障がいをもった子どもたちの補聴器については、「自立支援」法で、手帳を持っている子にだけ、「補装具費」の支給をおこなっているので、難しいと言われました。

 だからこそ、今の制度を早く変えてほしいといっているのに、聞きおくだけでした。「制度の谷間なく」という連立政権の政策合意を早く実現すべきです。

 障がい者「自立支援」法と応益負担の問題、春日井のコロニーの現状をみても、養護学校の現状をみても、日本と愛知県がいかに遅れているかを痛感し、本当に胸がいたみます。

 私は、障がいを持っている方、ご家族、支援者の皆さんの意見をたくさん聞く努力をし、障がい者の皆さんの「全面参加と平等」が一刻もはやく実現するよう全力をつくします。

********以下は、要請書の内容です。********

                                 2009年11月25日
厚生労働大臣 長妻 昭 様
                                 日本共産党愛知県委員会
                                   委員長 岩中 正巳

   聴覚障がいをもった子どもたちへの補聴器購入無料化など支援強化を求める要請書

 
 名古屋市には、就学前の聴覚言語障がいの子どもたちが、保護者とともに通う「すぎのこ学園」という難聴幼児通園施設があります。
 そこでは、障がいをもった子どもたちが、生活の場面の中で、耳(補聴器)を使い、ことばを覚え、話すことを学んでいます。現在、「すぎのこ学園」に通う聴覚障がいをもった20人の児童のうち、障がい者手帳を持っていない聴覚障がい児が13人いると言われています。この子どもたちは、保育園などに通っている場合、保育料と「すぎのこ学園」の利用料を二重に支払わなければなりません。
 手帳を持っていない軽度聴覚障がい児は、医師からは、発達を保障するためにも補聴器が必要だと言われています。
 言語を獲得する大切な時期の子どもたちにとって、補聴器はかかせません。30~40デシベルの音が聞こえないと、言語の正常な発達は望めず、言語の発達に影響すると言われています。母音は、音が大きいが、子音は音が小さいものですが、補聴器をつけなければ、例えば、「かたつむり」なのか「あたつむり」なのか聞き分けられないこともあり、「かたつむり」という言葉を獲得していくためには、発達段階の子どもたちにとって、補聴器は「軽度」であっても必要なのです。 しかし、現在の制度では、70デシベル以上の音が聞こえない場合でないと補聴器への援助は受けられません。
 障がい者手帳のない軽度聴覚障がいの子どもたちは、片耳約10万円の補聴器の購入費用が、すべて家族の自己負担となっています。さらに子どもは、日々成長するため、成長にあわせたイヤーモールド(両耳で1万3000円程度)も1年に3回程度買い替えなければならず、その経済的負担は大変重いものがあります。
 名古屋市には、3人の子どもさんが3人とも軽度聴覚障がいと判定され、3人の両耳の補聴器、イヤーモールドなどがすべて自己負担というご家庭もあります。お母さんは、3人の子どもさんを「すぎのこ学園」に通わせ、市内に4校しかない「難聴学級」の1校に通わせ、それだけで精一杯で、働きに行くこともできません。
 子どもは、元気に飛び回ったり、はねたり、じゃれあったりするものです。その時に、補聴器が壊れることも少なくありません。汗にも弱く濡れると壊れてしまいます。そして、修理するのもまた全額自己負担です。購入、点検、修理、電池などすべてが自己負担です。「働く時間もないのに負担だけが増えていく」とご家族から悲痛な声が出されています。
 現状を放置しておけば、お金がない家庭の子どもたちは、補聴器をあきらめる、言語獲得をあきらめるということになるのではないでしょうか。
名古屋市に名古屋市独自の補助を求めましたが、「他の補装具も含めて一定の基準が必要で、障が い者手帳所持者を対象にしている」(9月16日 子ども青少年局長答弁)と冷たい回答です。
そもそも障がい者手帳所持者を対象にする基準を定めたのは、国です。国が基準を改めるべきです。
 障がい者手帳をもった子どもたちも、「1割負担」となっていますが、給付される額では足りずに自己負担がかなり発生しているという声も届いています。 
 聴覚障がいをもった子どもたち(重度、中度、軽度を問わず)が、家庭の経済事情によって必要な補聴器をあきらめることがないよう、どの子も言語を習得することができるよう心から願い、以下、要請いたします。

                     記

1、言語獲得のために補聴器が必要な子どもたちは、聴力レベルが70デシベル未満などで障害者手帳がなくても国の制度として補聴器、イヤーモールドなどの無料支給制度を作ってください。少なくとも何らかのかたちで負担を軽減してください。

2、すべての障害をもった子どもたちに必要な補装具を無料で保障してください。

3、障がい者「自立支援」法は廃止し、「応益負担」をやめ、ハンデキャップをうめるサービスや障がい者にかかわる医療費は、無料にしてください。すべての障がい者を対象にした総合的な「障がい者福祉法」をつくってください。

                                          以上

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