もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

「有機フッ素化合物(PFAS)の水汚染に関する要請」と浜松基地の強靭化問題の聞き取り

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航空自衛隊浜松基地に行き、日本共産党静岡県委員会、静岡県西部地区委員会、浜松市議団の「有機フッ素化合物(PFAS)の水汚染に関する要請」と浜松基地の強靭化問題の聞き取りを行いました。
 
井上哲士参議院議員、すやま初美比例予定候補、吉川奈緒子静岡7区予定候補、平賀高成元静岡県議とともに私もとむらも参加。
浜松市議団からは、北島定市議、小黒啓子市議、酒井とよみ市議が参加。
小泉親司元参議院議員も参加してくださいました。
 
🔳基地内にある3カ所の泡消火設備専用水槽の位置及び水槽の使用状況を明らかにすることを求めましたが、「任務の効果的な遂行に支障があるので控えさせていただく」との回答。
基地内の土壌汚染の調査をして公表を!と求めました。
防衛省は、「浜松市と相談しながら対応する」との回答がありました。
なぜ5100ng/L、3800ng/Lと水槽が高濃度PFASが検出されるような状態になったのか、質問しましたが、「原因は特定できない」との回答・・・。
漏れ出ない構造と防衛省はいうので、現地でその水槽を見せてほしいと事前にお願いしていたのですが、
防衛省からは「井戸、水槽、基地の強靭化の場所をお見せするのは難しい。基地の運用や維持に重要な施設であり場所を明らかにすることによって効果的な任務の遂行に支障を及ぼすおそれがある」と回答がありました・・・。
水槽は、コンクリート製とのこと。
どういう構造か知りたかったのですが、対応した防衛省の方は、浜松基地の当該水槽は見たことがないそうです・・・。
少なくとも基地内各地点の土壌汚染の調査はするべきです。
 
🔳泡消火剤の使用期間、使用場所、総使用量等履歴を明らかにすることも求めました。
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づき、PFOS は 製造・輸入等を禁止されましたが、防衛省は「2010年4月、化審法で規制されてからは(PFOS)泡消火剤は使用していない」と答えました。
使用期間、総使用量等履歴等については「現在、確認中」との回答でした。
 
🔳基地内の消火訓練場の位置、及び消火訓練の方法を明らかにし訓練場周辺のPFAS調査をすることも求めました。
消火訓練場の位置については、浜松基地の西端のあたりであると会場内の地図で示されました。
※その消火訓練場の近くの伊佐地川で暫定目標値を超える値が出ています。
 
🔳地下からの汲み上げ井戸の位置と汲み上げの深さ、一日の汲み上げ量、汲み上げた水の使途、排水経路等を明らかにすることも求めました。
これについても「任務の効果的な遂行に支障があるので控えさせていただく」との回答でした・・・。
基地の西側の排水は、貯水池に流れるようになっているとのこと。
ただ雨水など全てをコントロールすることはできないことは言うまでもありません。
 
🔳使用しなくなった泡消化剤の処分方法と処分先について明らかにすることも求めました。
焼却処分を行うこと、処分先は許認可受けたところのみの回答でよくわかりませんでした。 
民間委託先はどこか質問しましたが、処分業者が公表しないでほしいというので、公表できない、との回答でした。
しかし、入札調書は公開されるはずですから、後から受注企業と契約費用については資料を提出してもらうことにしたいと思います。
 
🔳基地内の使用地下水についてPFAS検査結果を明らかにすることも求めました。
事前にこの要請書を渡しておりましたが、浜松基地は10月12日、9月20日に井戸4カ所で採取し、民間業者が分析したものを発表しました。
それによると4カ所のうち1カ所が10ng/Lだったとのこと。
アメリカの基準案より上回っている数字です。
厚生労働省は2020年度、水道水の水質管理の暫定目標値としてPFOS・PFOAの合計を1リットル当たり50ナノグラムに設定しましたが、浜松基地では2020年度から検査していたのか問われ、防衛省からは明確な回答はありませんでした。9月20日が初めての調査?・・・後日、回答をもらうことになりました。
愛知県の航空自衛隊小牧基地周辺でも豊山配水場で暫定目標値50ng/Lを超える水が確認され、配水停止。
豊山町の方々は、井戸水100%で配水されていたので暫定目標値を超えた水道水を飲んでしまっていました。
北名古屋市は、過去の自己水比率に、現在出ているPFAS濃度を重ね合わせて計算した場合、
最大で40年前の17ng/LのPFASが水道水に含まれていたと試算されているそうです。
30年前くらいからは8〜9ng/Lを下回るようになり、ここ数年では4ng/L程度ではないかと試算できます。
いずれにしても暫定目標値以下だと推測されますが、それでも市民団体の皆様が取り組んだ血液検査をした5人中2人が健康リスク高(3人目はあとわずかで高リスクの数値)でした。
故に浜松基地の井戸水の値が安心できる値であると言えないと思います。
 
🔳隊員の血液検査を実施し、危険が指摘された場合は直ちに井戸水の使用を中止することを求めました。
血液検査については知見がないというので、アメリカの科学・工学・医学アカデミーが20ng/mL 以上の方々は特に健康観察が必要という知見があり、予防原則で対応するべきと述べました。
日本でも知見を積み上げるためにも血液検査含む疫学調査が必要なのに、知見がないというばかり・・・。
 
🔳浜松基地の有機フッ素化合物(PFAS)汚染の原因、汚染が広がった過程と規模、対策を明確にし、浜松市民に対して公開することも求めました。
防衛省は、2010年以降は、訓練で使っていないなど回答しました。
しかし、PFASは、環境中で分解されにくいことから“永遠の化学物質”と呼ばれている物質です。
高濃度の水が水槽にあり、浜松基地周辺から暫定目標値を超える値が出ているのでこのような要請をしているのに・・・。
引き続き、地元の皆様と汚染源を明らかにすることや、健康保持のためにできることを取り組んでいきたいと思います。
 
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浜松基地の強靭化については、
化学兵器、生物兵器、核兵器などの攻撃に備える強靭化であると防衛省は答えました。
基地だけ強靭化しても、住民の方々は守れません。
そのように攻撃される事態では、自衛隊員の方々の命も守れません。
来年度予算概算要求では、浜松基地の空調設備で27億円とのこと・・・。これは強靭化の一環のようです。
浜松基地の強靭化の事業計画は現在、策定中とのこと。
住民の皆様や自衛隊員の方々の命を守るためにも
戦争させない、攻撃させない外交努力こそ必要だといっそう痛感しました。
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