4月1日、衆議院本会議で、武田良太総務大臣に対する不信任決意議案への賛成討論を行いました。
以下はその内容です。ご高覧いただければ幸いです。
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武田良太総務大臣に対する不信任決議案への賛成討論
私は、日本共産党を代表して、武田良太総務大臣に対する不信任決議案に賛成の討論を行います。
不信任に賛成する理由の第一は、武田総務大臣が、一連の総務省接待疑惑の真相解明に後ろ向きの姿勢をとってきたからです。
総務省幹部が組織ぐるみで、菅総理の長男が勤務する東北新社やNTTからの違法な接待づけとなっていたことは、国家公務員倫理法に違反するだけでなく、特定企業と癒着し行政をゆがめる贈収賄疑惑にほかなりません。疑惑の真相解明によって、行政や政治への信頼回復をはかることは一刻の猶予も許されません。
ところが、武田大臣は、2月16日、衆議院本会議で、総務省官僚と衛星放送事業者の癒着、菅総理が総務大臣当 時、自ら大臣秘書官に任命した長男が関与していた問題の徹底解明、真相究明を行うべきという私の質問に、「総務省においては、関係法令に基づいて、適切に業務執行を行っており、本事案により放送行政がゆがめられたということは全くありません。」と強弁しました。
きちんとした調査も行わない段階での断言です。その後の追及に「現段階では」という文言を加えて、言いつくろい、いまだに国会に資料を提出せず、不誠実な態度をとってきました。
事実は、その後の経過が示すとおりです。
総務省の放送行政にかかわる幹部官僚がのきなみ、利害関係者である東北新社と会食をかさねていたことが明らかになり、谷脇総務審議官や山田広報官の事実上の更迭に至りました。さらに、接待の背景には、衛星放送の周波数割り当てや放送事業者認定をめぐる疑惑などがあり、東北新社の外資規制違反まで明らかになりました。
さらに、政府出資会社であるNTTが総務審議官などの官僚だけでなく、歴代総務大臣、政務三役にまで接待していたことも深刻です。菅総理の肝いりで推進するデジタル化や携帯電話料金問題との関連など真実を明らかにするべきです。
一連の疑惑の真相解明に後ろ向きの姿勢をとってきた武田大臣は、大臣を続けるべきではありません。
第二に、武田総務大臣が総務省のトップとしての責任をとろうとしていないばかりか、疑惑の当事者となっているからです。
底知れない違法接待の横行と、そのもとで放送、通信行政がゆがめられていた責任は、官僚の更迭ですませられるものではありません。
しかも武田大臣自身がNTTと会食していた事実を隠し続けていたことは、言語道断です。
大臣が接待をうけた昨年11月以降、NTTのドコモ完全子会社化、ビヨンド5G研究開発促進のための基金創設などをおこなった情報通信研究機構(NICT)法の改定、通信事業をめぐる業界、行政の大きなうごきがあり、こうしたうごきに影響があったのか、国民の疑惑にいっさい応えようとしていません。
再三の野党の追及に「国民の疑念を招く会食や会合に応じたことはない」と具体的な答弁を避け続け、週刊誌報道を受けて一転NTTとの会食を認めました。
しかし、その説明は、「(JR東海の)葛西名誉会長と私以外の出席者は存じ上げておりません」、「中座する前提でお酒のみをいただき、食事はいたしておりません」「応分の負担を行っております」としましたが、案内の内容や応分の負担について、客観的にしめす資料は何一つ提示されていません。
「接待ではない会食」などと言うだけの武田大臣の姿勢は、大臣の資質を欠くものと言わねばなりません。
最後に、この間、総務省にとどまらず、農林水産省贈収賄事件、文部科学省の接待問題など各省で関連業界、特定企業との癒着の横行があきらかになっています。これは、モリ・カケ・桜など、行政を私物化してきた安倍総理と菅総理の2代の政権にわたる官邸主導の強権的な霞ヶ関支配と無関係ではありません。
菅政権そのものの責任がきびしく問われていることを指摘し、武田良太総務大臣の不信任決議案に賛成の討論といたします。