10月2日、「学術会議推薦者外し問題 野党合同議ヒアリング」に参加しました。
第1部は、日本学術会議が推薦したのに、菅首相から任命拒否された6人のうち3人、小澤隆一東京慈恵会医科大学教授(憲法学)、岡田正則早稲田大学教授(行政法学)、松宮孝明立命館大学教授(刑事法学)からのヒアリング。
第2部は、内閣府大臣官房人事課参事官(今回の起案者)、日本学術会議事務局企画課課長、内閣法制局第一部参事官からのヒアリングです。
やりとりの一部をレポートいたします。
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【第1部 任命拒否された3人の方々からのヒアリング】
◆小澤隆一東京慈恵会医科大学教授(憲法学)
岡田先生、松宮先生と連名で任命拒否の撤回に向け総力をあげることを求める要請書を日本学術会議に提出した。安保法制について憲法に反すると国会で公述した。学問の自由にたいする大きな障害。学問の自由を脅かす。
◆岡田正則早稲田大学教授(行政法学)
学術会議から提言される側の行政が左右することはあってはならない。学術の独立性に主旨があり、日本学術会議は他の行政と全く違う。今後の学術に大きなゆがみをもたらす。法にのっとって手続きをする必要がある。なぜ任命拒否されたのか、説明責任を果たしてもらわなければならない。
◆松宮孝明立命館大学教授(刑事法学)
日本学術会議法の前文と2条を特に読んでほしい(※)。前文には「平和的復興」とも書いてある。これまで連携会員として仕事をしてきた。提言のまとめなどもやってきた。問題の本質は、被害者は、日本学術会議だけでなく、日本の学術によって恩恵を受けるすべての方々が被害者。次の会員、連携会員を出し合って、専門家仲間の中で評価され、2000人くらいの評価のなかで決まってきた人事。総理大臣に任命拒否権は事実上ないと考える。明確な理由を述べることなく拒否するのは違法。憲法23条の学問の自由のもとでこのような制度になっていることを考えれば、憲法上の疑義もある。
(※)◎日本学術会議法(抜粋)
「日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、
わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与する
ことを使命とし、ここに設立される。
第一章 設立及び目的
第一条 この法律により日本学術会議を設立し、この法律を日本学術会議法と称する。
2 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。
3 日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。
第二条 日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を
図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
第二章 職務及び権限
第三条 日本学術会議は、独立して左の職務を行う。
一 科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
二 科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。
第四条 政府は、左の事項について、日本学術会議に諮問することができる。 」
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【第2部 内閣府・内閣法制局からのヒアリング】
◆内閣府大臣官房人事課参事官の説明
経過
・8月31日 日本学術会議から105人の推薦
・9月24日 内閣府から官邸に起案
・9月28日 決裁 99人(決裁関係文書には、105人の名簿は添付)
Q:要求していた資料は、何も提出されていない。何故資料がでないのか。
A:確認中。
Q:いつまでに出せるのか。
A:確認中で、いつとは言えない。
Q:9月24日は、105人で起案したのか、99人で起案したのか。
A:決裁された文書は99人。
Q:起案は何人で出したのか。
Q:105人の起案文書は行政文書として存在しているのか。
A:決裁された文書は99人。人事に関わることなので詳細はお答えできない。
Q:起案文書、決裁文書を出してほしい。
A:確認中。
Q:誰に確認しているのか。
A:確認中。
Q:平成30年に内閣府と内閣法制局で総理が任命拒否可との解釈を変更したということだが、その文書を出してほしい。
A:確認中。
Q:(岡田教授)解釈を変える事情の変化があったのか。
Q:なぜ解釈変更したのか。日本学術会議が軍事研究を抑制的にする声明を平成29年に出したことがきっかけか。
A:法律上、義務的に任命しなければならないということではない。
Q:加藤官房長官もあなたも監督権の行使といっているが、日本学術会議法のどこにそのことが書いてあるのか。
A:・・・(答えず)
Q:吉川春子議員の質問にたいし、長官が拒否しないと答弁している。重大な問題。
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内閣府の職員では答えられないことも多い。
任命拒否を決定した菅総理大臣出席の予算委員会集中審議を開催するべき!