もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

野田総務大臣に「会計年度任用職員」制度の問題や地方自治体における非正規含む男女賃金格差の是正について質問

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 2月20日、衆議院総務委員会で、野田聖子総務大臣にたいし、2020年度から導入される地方自治体の非正規職員に関する新制度「会計年度任用職員」制度の問題や、地方自治体における非正規含む男女賃金格差の是正について質問しました。

【会計年度任用職員制度】

 全国すべての自治体で、臨時・非常勤の実態を把握することになっていますが、地方自治体の非正規職員には正規職員とほぼ同じ業務に就いている事例が多いと指摘し、新制度導入に向けた地方自治体による非正規職員の実態調査は「形式的な職務内容ではなく、当該職員が実際に担っている職務を正確に把握できる調査にすべきだ」と主張しました。

 さらに、非正規職員の処遇改善の財源を、正規職員の賃金を削って捻出するよう提言した新聞記事を示し、「正規職員と非正規職員の待遇をてんびんにかけることがあってはならない」と迫りました。

 野田聖子総務相は「(正規職員の給与は)今般の改正とは直接関係はない」と述べました。

 さらに、地方自治体に正規職員削減・非正規職員への置き換えや民間委託を迫ってきた国の施策を批判。「住民の命と暮らしを支える恒常的な業務は地方公務員法の原則通り、正規職員にすべきだ」と主張し、国は自治体の判断を尊重し、新制度への移行や正規職員の定数増も含めて、実態に則して財源を保障するよう求めました。

【地方自治体における非正規含む男女賃金格差の是正】

 野田総務大臣は、所信表明のなかで「地方公共団体における女性職員の活躍」と述べました。
 「女性の活躍」は、世界のなかでは、社会的・文化的にできた性別「ジェンダー」のギャップの解消、ジェンダー平等という課題だと共有されています。
国連でもジェンダーギャップの解消は最優先課題とされていますが、野田総務大臣のいう「女性活躍」も当然ジェンダー平等を目指す言葉なのか、まず確認しました。

 野田大臣は、「女性の活躍の推進というのは、ジェンダーギャップの解消を目指す観点、これが極めて重要」と述べました。

 また、世界経済フォーラムが2017年に公表したジェンダーギャップ指数で、日本の順位は、144カ国中114位になっている遅れた状況になっており、経済と政治の分野でとりわけ遅れています。

 私は、女性が経済的に自立できる社会にしていくことは、経済的な分野で、ひいては政治的な分野でもジェンダー平等の方向に引き上げていくことになると指摘。女性の年金は少なく、老後のことを考えても、現役世代の女性の皆さんが、低賃金・不安定な仕事に多数ついている、つかざるを得ないような現状は改善しなければいけないと質問しました。

 内閣府審議官からは「就業というものは、生活の経済的な基盤でございます。また、自己実現につながるものでもありますので、男女間の賃金格差の解消など、雇用分野における男女の均等な機会及び待遇の確保、これが極めて重要であるものと考えております」、「女性が経済的に自立できる社会の実現のための瀬作に取り組んでいきたいと考えております」、「男性に比べて女性の方が雇用者に占める非正規雇用の割合が高いことが、女性の貧困それから男女間の賃金格差の一因となっている、こういう指摘があることは承知しておりまして、非正規雇用の女性の方々への対応いうのは大変重要だと認識しております」との答弁がありました。

 加えて、総務省の2016年4月の地方公務員の臨時・非常勤職員の実態調査結果を示し、「もっとも任用団体数の多い臨時的任用職員の平均時給は事務職員で845円、政府が長年目指してきた年間総実労働時間(1800時間)で働いても年間152万1000円。保育士の場合でも平均時給1004円で年間180万7200円。年収200万円以下のワーキングプアだ」と指摘。

 地方自治体の臨時・非常勤職員の74・9%が女性で、低賃金・不安定雇用におかれている実態を突き付けました。

 総務省として、非正規職員を含む地方公務員の男女賃金格差の実態を調査もしていないことを批判をし、調査し、公表すべきだと迫りました。

 野田聖子総務相は、今後の同省の臨時・非常勤職員についての調査では「男女別の給与についても把握できるような調査内容とする予定だ」と答弁しました!

最後に「女性の管理職が増えても、低賃金の非正規を増やしては女性の平均賃金は低く抑えられてしまう」として、恒常的な業務には正規採用の職員を充てるなどの抜本的改善を求めました。 

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 非正規職員を含む地方公務員の男女賃金格差の実態の調査をやると野田聖子総務大臣が明言したことは良かったです。
 しかし、男女共同参画基本計画のなかでも「男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計(ジェンダー統計)の充実の観点から、業務統計を含む各種調査の実施に当たり、」「男女別データを把握し、年齢別・都道府県別にも把握・分析できるように努める」と書かれているなかで、こうしたことも今までできていなかったことに落胆を伴う衝撃を受けました。

 遅れた日本を変えていくためにも引き続き力を尽くします。

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