もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

「住宅宿泊事業法案」への反対討論を行いました。

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5月31日、衆議院国土交通委員会で「住宅宿泊事業法案」の審議が行われました。
5月30日は参考人質疑(清水忠史衆議院議員が質問)と与党の法案質疑、そして31日は、民進、共産、維新の法案質疑(穀田恵二国対委員長が75分にわたって、観光にたいする基本的考え方、京都のまち、コミュニティーを壊しているいわゆる「民泊」の実態を告発し、違法「民泊」を合法化する問題点を追及)を行いました。

私は、「住宅宿泊事業法案」への反対討論を行いました。
反対討論は、以下の中身です。

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「住宅宿泊事業法案」に対する反対討論

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私は、日本共産党を代表して「住宅宿泊事業法案」について、反対の討論を行います。

安倍政権は、「観光ビジョン」で訪日外国人観光客を、2020年には4000万人、2030年には6000万人に増やすとしています。これは数ありきの政策であり、「住んでよし、訪れてよし」という「観光立国」の理念は投げ捨てられています。

本法案に反対する第1の理由は、旅館業法上の安全基準を満たさない住宅での宿泊業を、「住宅宿泊事業」として新たに創設し、「届出」だけで認める規制緩和であり、宿泊者の安全・安心と周辺住民の皆さんの環境をおびやかすものだからです。
宿泊料を受けて人を宿泊させる「宿泊業」を行うには、旅館業法上の許可が必要です。許可を受けるには、建築基準や消防設備、衛生基準などを満たさなければなりません。災害時への対応や、周辺の住環境を守るための最低限の安全基準を満たさない宿泊業は、認めるべきではありません。

審議を通じ、家主不在型の住宅宿泊事業については、パスポートなど本人確認が確実に行われる保障がないことなど、トラブル、災害時の対応が不十分となることがはっきりしました。

第2の理由は、全国で5万件を超えるとされる、いわゆる「民泊」のほとんどが、違法営業であり、宿泊者と周辺住民の皆さんとの間で様々なトラブルを引き起こしています。にもかかわらず、本法案はこの違法「民泊」を合法化するもので、本末転倒です。

今やるべきことは、全国の違法「民泊」の実態を調査したうえで、違法業者の取り締まりを強化、徹底することです。

なお、本法案は、民泊仲介業者を登録制にするとしていますが、最大手の民泊仲介業者は日本に事業所がありません。海外の仲介業者が違法行為を行った場合には、日本の管理監督権限が及ぶかどうかは定かではなく、実効性が伴わない制度になる可能性があります。

以上の理由から、反対とする旨を申し述べ、討論と致します。

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