5月19日、衆議院国土交通委員会で、地方鉄道の廃線に歯止めをかけるために国の責任を果たせと国土交通大臣に質問しました。
2000年以降、廃線(バス転換含む)となった鉄道路線は、39路線、771.1キロメートルです。
今後も廃線計画されています。
赤字の路線を廃線にしたら、幹線だけ、都市部だけの鉄路となってしまい、ますます地方から人が流出し、寂れてしまいます。
上岡直見先生のつくられた日本全国の鉄道ネットワークの地図を示しながら追及しました。
大問題なのは、災害をうけ、そのまま放置し、廃線の口実にするケースが多いことです。
道路は被災したからといって廃線はほとんどありません。しかし、地方鉄道は、被災したら廃線という傾向が強いわけです。
無条件に復旧するため仕組みをつくるべきと、各鉄道事業者から能力に応じた応能負担で保険料のように拠出してもらう「鉄道災害復旧基金」を提案しました。
具体的な例として、2011年7月の新潟・福島豪雨で被害をうけたJR東日本の只見線では、JR東日本が鉄路復旧に難色を示していました。
JR東日本の2016年3月期の鉄道事業営業収益は3722億円で、売上高経常利益率は17・5%と巨額のもうけをあげているにもかかわらず、鉄路を早急に復旧しなかった、廃線さえ考えていたことは本当に許しがたいことです。
(自民党議員から「そうだ!」の声!思わず「ありがとうございます」とお礼)
一方で、地元沿線自治体や住民の皆さんは、何としても鉄路復旧をと、鉄道基盤を地元で保有し、運行をJRにゆだねる上下分離方式をJR東日本に提案し、JR東日本もそういう方向になっているとのことです。
地元の皆さんは、将来の維持運行費の負担増を気にしながらもJR東日本の只見線の復旧を切望しておられます。
「国として音頭をとって、早急に復旧をさせるようにJR東日本に指導すべき」と石井国土交通大臣に迫りました。
石井啓一国土交通大臣は、「必要な協力や助言をしたい」と答弁しました。
また、バスへの赤字路線への補助だけでなく、赤字の鉄道路線への補助制度をつくるべきだと述べました。
さらに、JR北海道について、石井大臣は、国鉄分割民営化の方針通り「完全民営化」を目指すと繰り返しています。
麻生財務大臣は、予算委員会で「(JRの分割は)商売のわからない人が考えた」「JR北海道をどうするかは、根本的なところを触らずしてやるのは無理」と答弁しました。
30年たっているのに当時のまま「完全民営化」を目指すと言うのは実態からずれており、このことに固執することが、北海道の皆さんを苦しめていると指摘。
「完全民営化」を目指すとは、経営を黒字化するのはもちろん、効率化を推進し、不採算部門は切り捨てるものにならざるを得ず、圧倒的に不採算路線を抱えるJR北海道に「完全民営化」の圧力をかければかけるほど赤字路線廃止が計画されることになってしまいます。
「完全民営化」の考えを変え、JR北海道の路線廃止を食い止めるにはどうするかについて、自治体やJR北海道まかせにせず、国として真剣に検討すべき」と訴えました。
JR北海道の問題では、北海道出身の他党の議員も応援してくれ心強かったです。