3月31日、衆議院国土交通委員会で質問に立ちました!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
4月1日~の措置で建設業の下請け中小企業、一人親方の危機
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
差し迫った問題として4月1日~の措置で建設業の下請け中小企業、一人親方の危機の問題を取り上げました。
建設業では、「下請け指導ガイドライン」という国交省の文書によって、明日4月1日から「適切な保険に加入していない作業員は、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取り扱いとするべき」との措置になります。
これにかかわって元請企業や上の会社の誤った社会保険制度の認識により下請け中小企業、一人親方の方々が排除される深刻な相談が寄せられています。
現行制度では、一人親方の方は、国民健康保険や建設国保、国民年金に加入することになっていますが、にもかかわらず元請企業や上の企業に社会保険(組合健保・厚生年金)に入ることを求められています。
5人未満の従業員の場合、雇用保険には加入するのですが、国民健康保険、建設国保、国民年金というのが制度設計ですが、社会保険にはいることを上の会社から求められるというケースがあります。
つまりは、元請企業が、現行法の制度設計を正しく認識せず、下請けの皆さんに違うことを言って、それをやらないなら建設現場から排除するという実態が、相次いでいます。
元請や上の企業が、間違った理解で下請けの皆さんを現場から排除することは、結局、仕事がなくなって、倒産、廃業の危機になるわけです。そういう事は絶対にあってはならないと、以下の提案をしました。
①深刻な状況を調査に入って、実態をつかむべき。
②権限ももっている国や都道府県に相談窓口を設置し、その相談窓口をしっかりと広報し、下請の方々の声を聞き、相談に応じること。
③元請会社の側が誤解していたり、間違っている場合、国や都道府県が現場排除や取引停止などないように是正させること。
④業界団体にもあらためて、間違った対応をしないよう通知など出して徹底すること。
石井啓一国土交通大臣からの答弁は以下の通りです。
①「個人事業主、一人親方であれば、厚生年金(社会保険)等の適用対象とはなりません。ガイドラインは、法令上加入義務のある保険に加入することを求めておりまして、たとえば、厚生年金に加入義務のない一人親方を厚生年金が未加入であることを理由に現場に入れないことはガイドラインの趣旨に反するものです。」
「社会保険の加入について来年度、実態調査をすることになっています。こうした機会を通じてさらなる実態の把握に努めながら、ガイドラインに関する正しい理解を徹底したいと存じます。」
②~④「相談窓口の充実、個別の相談に応じた個別企業への周知を含め下請けガイドラインへの理解を深め、徹底すること、引き続き建設業団体を通じた周知徹底を行うことを含めまして必要な対策を検討してまいりたい。」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
社会保険料が払えないような単価は建設業法違反の恐れ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「適正な保険」に加入するためには、発注者、元請から法定福利費がちゃんと支払われていないと払いたくても払えないということになります。
◆静岡の方の例
「(元請から)いままでの労務費・労務単価に法定福利費が含まれている。これからは、労務費と法定福利費は別項目で記載して見積もりを出すよう指示された」という話です。
つまり、法定福利費はこれまでの下請代金に含まれていたから、法定福利費を別途積みまして支払うことはしない、見積だけ別項目で書いて請求しろ、というやり方です。
◆三重県の方の例
元請企業から、法定福利費の支払いはできないと言われ、自腹で持ち出す状況になっているとの訴え届く。
法定福利費として別枠で支払われるべき費用が、労務費や工事費とコミコミで支払われる、あるいは払われない状況があり、そのことは、法定福利費以外の労務費や工事費は減額されたことになるわけです。
これらは、建設業法第19条の3にある「通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。」との条文に抵触することになるのではないか。
こういう場合、しっかりと元請、発注者までの調査も含め、重層的な下請け構造のなかで実際に働いている事業者、人に法定福利費、工事費、労務費がしっかりと支払われるように指導すべきですと質問しました。
石井啓一国土交通大臣は、「元請けが一方的に(工事費を)削減するなど実質的に法定福利費相当額をまかなうことができない金額で契約を締約することは、建設業法19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反する恐れがあります。法定福利費の支払いの実態調査を通じて、実態を把握しながら、必要な指導していきたい」と答弁しました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
海上運送法および船員法改定案
国家の命令で船舶と船員が危険にさらされることになりかねない「航海命令」の適用の対象の船の数を増やすことを認めるわけにはいかないと反対
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
海上輸送法および船員法改定案は、「非常時」に迅速に日本籍化される「準日本船舶」の対象に、日本の船主の海外子会社保有船を加えるもので、税制優遇が受けられると同時に「航海命令」発令の対象となるものです。
国交省は、「航海命令」は、災害の救助、海外含むテロや政変等で治安悪化の時、物資を運ぶことや海外での邦人等輸送のために「有事」ではない「非常時」に出すとしています。
「航海命令」が出されたとき、①船員の皆さんが乗船する際、航海命令での航海であることを明示されるのか、②船員の皆さんは、航海命令に従うことを拒否できるのか、問いました。
国土交通省の羽尾一郎海事局長は、「航海命令」の際、雇用主は船員に書面で説明しなければならず、船員に乗船を強制したり乗船拒否にたいして罰則を科したりすることはないと答弁し、そのことは確認できました。
さらに内戦状態で激しい戦闘が行われた南スーダンのようなケースは「非常時」に含まれるかと質問したのにたいし、石井啓一国土交通大臣は、「南スーダンの状況を詳細に承知していない」と述べるだけで否定しませんでした。
承知していないで、駆けつけ警護など新たな任務を付与する閣議決定に加わったのかと問うと、“所管外”との答弁で逃げました。
世界中の紛争地域が対象となり、国家の命令で船舶と船員が危険にさらされることになりかねない、「航海命令」の適用の対象の船の数を増やすことを認めるわけにはいかないと法案に反対しました。