もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

3月3日、衆院国土交通委員会で、過労死が一番多いトラックドライバーの「働かせ方改革」こそ必要!と質問しました!

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3月3日、過労死が一番多いトラックドライバーの「働かせ方改革」こそ必要!と佐川急便名東店で働くBさんの事例もあげて質問しました!
また、国土交通大臣に、地元合意のない小牧基地での危険なブルーインパルス展示飛行を許可するな!と訴えました!

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【過労死が一番多いトラックドライバーの働かせ改革こそ必要】
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脳・心臓疾患の「過労死」が道路貨物輸送業、トラックドライバーが一番多いという実態があります。
 運輸業は、労働基準法36条第1項の時間外労働協定、36協定の基準である厚生労働大臣告示(年360時間)の適用除外になっています。改善基準告示があるからという理由です。しかし、そういうなかで「過労死」が一番多いという現実を見なければなりません。
 改善基準告示は、インターバル8時間で、通勤、食事、お風呂などなどで睡眠時間が少なくなってしまうのに運転手の睡眠時間を考慮していない問題も抱えています。
また、改善基準告示違反で過労死した事例を以前に質問しましたが、改善基準告示は違反しても罰則がないのです。
 勤務と勤務の間のインターバル11時間、残業時間年間360時間にするなど安全と命を守る規制が必要です。
 2月14日の内閣官房働き方改革実現推進室の「時間外労働の上限規制について」(事務局案)では、自動車の運転業務については、厚生労働大臣告示の適用除外になっており、「実態を踏まえて対応のあり方を検討する」となっていることも指摘しながら、過労死が一番多い実態を踏まえて、改善基準告示自身がもっている問題を改善すること、そして、少なくとも改善基準告示違反は罰則付きで取り締まって運輸業の長時間労働を規制するべきと求めました。

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【佐川急便名東店~長時間・低賃金で吐血し救急車で運ばれたBさんの事例】
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佐川急便名東店では、宅配便の荷物の配達は、佐川急便が受けて、一次下請けの(有)A社に委託をして、A社が配達するわけではなく、そこから形式上「個人事業主」とされているBさんたちが黒ナンバー軽自動車で佐川急便の配達していました。

Bさんの働き方は、
朝7時ごろに佐川急便名東店に出勤して、佐川急便からPDTという端末機を受け取り、持ち出し荷物の事前入力、積み込みなどを行い出発します。

Bさんの仕事の様子をまとめた表を示しました。
例えば、6月21日、佐川急便名東店から83個の荷物を持ち出して、「こんにちは。佐川急便です」といって配達して、70個配達。帰りの時間は22時1分と書いてあります。

配達済み入力、持ち戻り・配達できない荷物などの入力、一日の集計報告、佐川急便に営業報告をBさんが行って、佐川急便名東店にもどって、退社する時間が22時1分でした。
この日は15時間も拘束されていたわけです。

7時に出勤して、夜9時、10時がほぼ毎日続いております。休憩もほとんどとれない状況で、仮に残業時間を計算すると過労死ライン月100時間はゆうにこえる労働時間です。
仕事は、休むとペナルティー、罰金があって、断ることも困難です。
Bさんはこうした勤務が続くなかで吐血して救急車で運ばれてしました。

朝7時から夜9時、10時まで毎日働いても この月の手取りは、60日後にようやく支払われて、差し引き合計17万7690円。
これを丸々もらえるわけではなく、
そこからガソリン代、任意保険費用などなど月々の4万4000円くらい車の維持管理費が必要で、結局、手元に残るのは、13万3690円くらいです。

配達している途中で佐川急便から荷物が届いたので取りにきてという指示や、少し動いていないと、佐川急便から動いていないがどうしたのか、などの質問がきて、まさに佐川急便の指示命令のもとで労働者として働いているわけです。

労働基準法のコメンタールでは、「形式上は請負のような形をとっていても、その実態において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は本条の労働者であることになる」と書かれています。
Bさんの働かせ方は、まさに労働基準法コメンタールの「実態において使用従属関係」だと言わざるを得ない働かせ方です。

労働者性があるということになれば、社会保険の加入や労働時間、賃金、残業代など労働法制の適用になるわけです。労働法制の適用から逃れるための脱法的な働かせ方を告発し、厚生労働省にたいし、佐川急便名東店にいって、Bさんたちの労働者性について調査して、労働者として保護すべき、と要求しました。

厚生労働省の土屋喜久大臣官房審議官は、使用関係は契約ではなく実態で判断されることを認め、「相談があれば必要な対応をとる」と述べました。

このほかにもBさんは、A社との契約のときに中古の軽自動車を購入させられ、84万円が借金になりました。
営業ナンバー申請書類作成費用、業者登録費用、業者識別章、消費税で19万4400円もA社に支払わなければならない状況です。

朝7時から夜9時10時まで働いて、手元には13万円ちょっとしかない実態なのに、A社の求人広告では、月額43万円稼げるかのようなことを求人情報紙にも書いていました。
それで、人を集めて、結局、借金など背負わして、仕事を断ることも罰金で難しくして自由度もなく、奴隷的に働かしていたわけです。

実態とまったくかけ離れたこういう広告、「求人情報折り込み広告、求人誌(紙)」の委託契約を装った労働者募集の誇大広告をやめさせるように指導するべきと質問しました。

厚生労働省の鈴木英二郎派遣・有期労働対策部長は、請負契約を雇用契約のように見せかけることや労働条件を適正に明示しない募集広告は「職業安定法に抵触する」と述べました。

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【増大するネット通販のなかで増大する荷物と疲弊する現場】
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 今、スマートフォンなどインターネットが普及し、ネット通信販売の拡大によって宅配便取り扱い実績が5年間で5億個も増えています。
  荷物は、運ぶ人がいてこそ、皆さんの手元に届きます。ところが、現場は荷物が増えていくのにまったく追いつかない人手不足で、特に若者が敬遠するという事態となっています。

今の国土交通省の対策いろいろやっているといいますが、とても間尺にあわないこと対策ばかりです。
佐川急便のBさんの事例のような長時間、低賃金の実態で吐血して救急車という状況で、どうして若い人が魅力ある仕事と思ってくれるでしょうか。
 労働条件をよくするためにも必要な対策を提案しました。

 再配達にもガソリン代などコストがかかっており、そのことで現場が疲弊している実態があります。
 大量に荷物を発注している大手通販会社などは定価から値引きをされていると聞くが、そうした大量に荷物を発注している大手通販会社などにたいして、再配達のコストを負担させるべきだとの提案しました。

 また、Bさんの明細書のなかに、荷物の単価が書かれていますが、一般宅配135円、千趣会S40円、アマゾン120円など、実際に配達している方々はほんとに少ししか報酬がいかない実態があります。
 低賃金・長時間労働が常態化している背景には、ネット通販など荷主の運賃のダンピング発注、低価格発注があります。これをただして適正な運賃にする必要があります。
 荷主にもドライバー不足では荷物が運べないこと、物流の現状が深刻な危機に直面していることを認識させ、適正運賃で荷物を発注するよう国としても指導すべきであるし、バスなど旅客運送と同様に適正運賃を国土大臣が示すことを改めて実施すべきだと要求しました。

さらに、働く方々から、ネット通販の「送料無料」というのは、自分たちの働きが低く見られているようで、本当につらいというお声もお聞きしました。実際は社会を支える大事な働きをしている方々が、しっかりと評価され、誇りにもてるようにするべきと主張。
運送料が無料というのは実際にはあり得ないわけですから、「運送料は当社負担」など事実を正確に書くようにすべきと提案しました。

石井啓一国土交通大臣は、「再配達コスト負担を荷主に求めることはあり得る方策の一つ」と述べました。
運賃・料金については、運賃・料金のあり方を検討しているとの答弁でした。

質問のあと、与党の議員が、「佐川急便の下請けの人、本当にかわいそうだね。個人事業主っていうのも問題だね」 と声をかけてくれました。

与野党超えて、佐川急便の働かせ方は、是正すべき中身だと思うと思います。

過労死を生まない労働条件の向上にむけて実効ある対策を取らせるために引き続き力を尽くしてまいります!!!

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【地元合意のない危険なブルーインパルスの展示飛行中止を】
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今年2月24日、航空自衛隊小牧基地司令から国土交通省大阪航空局に、ブルーインパルスの展示飛行にかかわる申請が出されました。
 予算委員会分科会でも指摘をしましたが、ブルーインパルス展示飛行について、春日井市長も反対を表明し、小牧市、豊山町も2市1町で歩調をあわせると表明されておられます。議会と行政と市民の皆さんが入った春日井市飛行場周辺対策市民協議会も明確に反対しております。地元の理解などありません。小牧基地オープンベースでのブルーインパルス展示飛行は中止すべきですと冒頭申し上げました。

 ブルーインパルスは、これまで浜松基地、松島基地で死亡事故を起こしたりしています。
 その危険な展示飛行を、人や家屋が集中している地域でやろうというのです。

 そのうえ、昨年のブルーインパルス展示飛行の申請書に虚偽の記載があったのです。

 昨年のブルーインパルスの展示飛行について防衛省小牧基地司令が、昨年2月23日、国土交通省大阪航空局に提出した申請書には、騒音について飛行場周辺住民、自治体から同意を得ていると書かれていました。
地元の自治体はブルーインパルスの展示飛行に反対しているのに、なぜ同意を得ている虚偽の報告を書いたのかと問いました。

防衛省の回答は、

「当該申請に該当する飛行経路に係る全ての自治体から特段反対の意見がなかったことから『周辺自治体の同意』という表現を使用したものと承知しております。

ただし、飛行経路には直接かからないものの春日井市長様から反対のご意見を頂いており、正確性を欠き誤解を招く恐れのある表現であると認識したため、本年2月に航空自衛隊小牧基地司令が国土交通省大阪航空局中部空港事務所長に対して行った申請においては、正確かつ適切な表現に変更したものと承知しております。」
というようなものでした。

昨年の申請書には「当該飛行に伴う飛行場周辺住民に対する騒音対策としての周辺自治体の同意を得ている」と虚偽の申請をして、虚偽だと指摘されると防衛省は「飛行経路に係る全ての自治体から特段反対の意見がなかった」と言い訳をしました。
ブルーインパルスが飛行する目と鼻の先に春日井市はあり、春日井市の直上を飛ばないからいいというのでしょうか。本当に姑息な議論です。
 ブルーインパルスの離発着は、春日井市内を含む県営名古屋空港を使うのです。春日井市に騒音だって聞こえるのです。それを春日井市の反対があることをないことかのようにする「飛行経路に係るすべての自治体」といって春日井市を除外する姑息な議論をしているのです。絶対に許せません!!!!!

国土交通省の役割は、空の安全を守ることで、その観点から人や家屋の密集している地域のブルーンパルスの展示飛行は控えるべきというのが当然の判断だとのべ、石井啓一国土交通大臣にたいし、「昨年の虚偽の申請書を認めてはならない。ちょっと書き換えたからといってしゃんしゃんと許可をしてはダメだ。ブルーインパルスの展示飛行止めてください」と訴えました。

自民党席からやじが飛んできて、本当に怒れました。
沖縄でも愛知でも自治体、住民の皆さんの声をきかない安倍政権を退陣に追い込むために一層頑張る決意を新たにした質問でした。

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